映画公開一周年を記念して、舞台を鑑賞。
初演を見逃してから十数年、映画を十数回鑑賞後での舞台はまた興味深く。
映画と舞台の違いなどを挙げつつ、考えてみましたので、よろしかったらご覧くださいませ。
「最初のオークションシーン」
あの有名な
シャンデリア登場。
舞台のシャンデリア、これは古びた感じをわざと出した美術とのこと。
毎舞台で落さなくてはならないので、きっと軽く、丈夫に作られているのでしょう。
映画では豪華絢爛な
スワロフスキークリスタルのシャンデリア。
目を奪われてしまうのは、やはり映画の方ですね。
【オペラ座の怪人】
「ハンニバルの練習とクリスティーヌの楽屋」
ラウルが練習中には登場しない舞台。
カルロッタの代わりに歌った
クリスティーヌに気づいた
ラウルが
花ではなく、ワインボトルを抱えて楽屋に入っていっても、最初は思い出してもらえない。
映画では練習中に
ラウルを見つけても、素通りされてしまう
クリスティーヌは
楽屋に入ってきた彼を喜んで迎えます。
映画と舞台では二人の立場が反対になっているのですね。
また、
クリスティーヌのデビューを讃える
ファントムからの贈り物も、
映画の
赤薔薇ではなく、
手紙。
ついでに、前の支配人が向うのは、オーストラリアではなくフランクフルト。
【飲むローズフレグランス】
「地下道&隠れ家」
舞台の地下道では馬は使われていません。
クリスティーヌの体に直接、手を這わせる
ファントム。
このあと、花嫁人形が突然動くことで、
クリスティーヌは気絶します。
作曲中の
ファントムが着ているのは、
中華風の帽子と衣装。
舞台の
ファントムは自信家で、クリスティーヌに対してかなり強引で
直接的。
触れたくても触れられない、手を差し伸べつつも、
クリスティーヌが自ら触れて
ようやく進んでゆける
臆病にも近い繊細さ、
相手の顔色を見つめ、確かめながら歌い上げる、芸術家同志の火花舞う
邂逅、
彼女の手を取って
間接的に体のラインをなぞる
奥ゆかしくも強烈なセクシーさ。
こちらはクローズアップを使える映画ならではの演出で、触覚さえも喚起されます。
「オペラ座の屋上」
クリスティーヌのマントは
青。(映画では
赤)
彼女の裏切りに逆上したファントムは、舞台上に
シャンデリアを落して高笑い、
ここで幕間に入ります。
実際に客席すれすれまで降下してゆく様子は必見。
シャンデリアが落ちる効果は、「ベルばら」などにも使われていますが、とてもドラマティック。
映画ではラスト近くにもっていくという演出が効果的でした。
【スワロフスキー ロイヤルクリスタルブローチ】
「マダム・ジリーの告白」
舞台では、見世物小屋にいた
ファントムは、
発明家でマジシャンでペルシャ王のために
鏡の間を作った
建築家として、英雄的扱いだったのに、なぜか脱走、
オペラ座の地下に数年前から住むことになったとのこと。
映画では、見世物として扱われていた
ファントムの少年時代を描き、
マダム・ジリーが手を取って彼をオペラ座に連れてきたことに。
自信家の
ファントムを裏書する舞台、幼き日のトラウマまで遡って描く映画、
どちらも面白いですね。
【ミュージカル・ベスト・ヒッツ】
☆名訳といわれる浅利慶太氏の歌詞を愉しもうとしたのですが、はじめのうちは
何百回と聴いているサントラに、頭の中で変換されてしまいました。
続きは明日に。
☆舞台を拝見する前にはジェリー・ファントムのファンの方々とお会いして、
とても愉しい時間を過ごすことができました。
皆様、本当にありがとうございました☆
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