小学校での読み聞かせ、今回は松谷みよ子さんの「
日本の昔ばなし」の中から、
「
山んばの錦」を。
一時間目が始まる前に教室に出向いて読ませていただきました。
少し早めについたので、廊下をうろうろしていると
「あ、本を読んでくれる○○さん!」と声をかけてくれるお子さんが何人か。
教室に入って先生にご挨拶すると、何日も前から名前を黒板に書いて、
お知らせしてくださっていたとのこと。ありがたいことです。
平成18年発行・「やまんばのにしき」など15篇収録
お話の前に、TVで再放映されている「まんが日本昔ばなし」を観ているか
きいてみると、ほとんどのお子さんが手を上げます。
その日読む「
山んばの錦」が、再放映の第一回目の「
ちょうふく谷の山んば」の原話で、
松谷みよ子さんが、日本各地を回ってお聞きになったお話を、再話されたということを
伝えてから読み始めました。
いきいきと面白い描写の中に、ときに理不尽で、残酷な表現も交じる民話は、
以前読んだ神話に通じるものがあります。
かあかあした月夜(あかるい満月)
おうえ、おうえ泣く声
とっぴんぱらりのぷう(お話の最後の結び)
「美しき日本の神話を読み聞かせ」
手に入れた本は、「まんが日本昔ばなし」の放映が始まった頃、
偶然古書店でみつけた昭和52年発行の文庫版。
「
舌きりすずめ」、「こぶとり」、「かちかち山」などのおなじみの物語のほかに、
「
なら梨とり」、「月の夜ざらし」、「座頭の木」と耳慣れなれずとも興味をそそる
題名のお話が36篇、収められています。
「待望の再放映」
挿絵はまったくないものの、言葉の面白さに、皆一生懸命聞いてくれましたので、
3分ほどの短いお話・「
猿の婿どの」もおまけに読んできました。
「したきりすずめ」
その日読み聞かせが行われたのは三年生の三クラス。
読み終えたほかのお母さまと一緒に、30分ほど立ち話も。
親や学校の先生だけでなく、地域の大人が姿を見せて、何かを一緒にすることは、
人を信頼することに繋がり、また世界が広がることでもあります。
お話の選び方、本の読み方も、人によって色とりどり。
良い悪いの答えの出ないものもあり、言葉では説明できないものもあり。
いつも白か黒かの答えを出す思考のみではなく、
いろいろなものに接することは、様ざまなものを受け入れる土壌作りにも。
あのときこんな話をしてくれた人がいた、こんなことをしてもらったという思い出は、
私の中でもとても大きく、心を休めるお助け茶屋のような存在。
そんな心の財産を、次に渡してゆけたらいいなと思っています。
☆先日、TVを観ていましたら、小学校受験をする子供たちが数十人、
「
このはしわたるべからず」の立て札のある橋を渡ることにチャレンジしていましたが、
誰一人あの「
一休さん」の頓知を知らず、真ん中を通ることができなかったのです。
人にとって大切なことを、ときに愉しくときに悲しく伝えてくれたお話の数々に、
子供たちは接していないのですね。
さきほど「おなじみ」と書いた物語なども、知らない子供たちの方が多いことでしょう。
「
まんが日本昔ばなし」の再放映がたくさんの方々に望まれていたのが実現し、
子供たちも観てくれているとのこと、本当によかったと思います。☆