春には大画面でのシャアに会うべく、初日に映画館へ。
ほとんど全編のセリフを覚えた状態でご覧になり
「坊やだからさ!」とご一緒につぶやかれた方、
たくさんいらしたことでしょう☆
夏には富野作品と松本作品の、それぞれ第二部が上映されます。
このころは、今のように入れ替え制度がなかったため、2回、
5時間あまり同作品を観続けることも。
平井和正さんの「幻魔大戦」と
美内すずえさんの「ガラスの仮面」に出会ったのもこの年。
両方とも膨大な量のシリーズなので、まずは父を作品のファンにする作戦に☆
借りてきた一巻目を身の回りにおいておくと、大抵チェックして、
子どもよりも続きが読みたくなって、全巻買ってきてくれる父でした☆
幼稚園の頃から、トランプからバドミントンまで、手加減なしの真剣勝負の父子は、
政治向きの話、歴史の話、文学の話などなど、ディベートする話題にはこと欠かず、
ここに新たなタネが加わったことになります。
「マヤちゃんは天才型、亜弓さんは努力の人」
「丈は…フロイは…ルナ姫は…」
夕食時に一生懸命、話しかけてくれた父。
中学生になって忙しくなり、なんとなく距離が遠くなった子どもと、
セパレートでも同じ体験をしようと努めてくれていたのでしょう。
五島勉さんの大予言シリーズに恐怖しつつ興味を持ったのもこの頃。
学校で買わされることになった文芸書で「野菊の墓」を選んだのは
松田聖子さんの同名映画が公開されたため☆
クラブの土曜の練習で、体育館が空くまでの待ち時間があるときは
涼しい場所をみつけて、母の心づくしのお弁当を開きつつ、
山と積まれたこれらの本を、友人と読み、話し込んだもの。
あの子がいい、この子がいいといった話題と同時に 大国同士の睨み合いから
スイッチひとつで地球がなくなる可能性をリアルに意識せざるを得なかった時代。
批判すれども解決策はない、互いに高い高い壁を築き上げる大人を見ながら
明るい未来など、大人になってからの美しい夢など、子どもたちも描きようがなかったとき。
あの壁いっぱいに殴り描きされた、押さえつけられた情動が放たれたあと。
子どものままの大人が溢れているのは、もういちど、夢描く絵筆を取り直すためなのかも。
いまは私の子どもも、同じように友人と集うようになりました。