講演会メモ書き続き
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ニヒリズムは、ツルゲーネフ(1818-1883)やドストエフスキー(1821-1881)など
ロシア文学にも影響を与えている。
ナポレオンによって王制が壊され、これまで崇めていたものに意味は無い、
人を殺すことさえも偉業とされ、人の命は尊いという考えが否定されるなかで、
「罪と罰」や「カラマーゾフの兄弟」が著された。
象徴主義は、美しさによって意味を見出そうという動き。
ボードレール(1821-1867)が娼婦との一夜も美しく謳い上げれば美に、
肉体も美しく謳い上げれば美しくできる。
詩人は比喩によって、合理化された現実を美しく。
海→広く美しい。人にも無限の意味がある。アホウドリも空に舞えば美しい。
錯誤 例えば卵型の顔、卵を媒介するとイメージができて忘れがたくなる。
もっと美しく比喩すれば、つまらない現実も一瞬、美しく輝く。
合理的な世界には必要はないことだが、経済活動の歯車の一つと思うよりは。
ロマン派 日常より別の世界に旅立ってゆく。
バイロン(1788-1824)は古の国に旅立つ主人公を描き、
サンドは(1804-1876)田園、非日常の世界を描く。
象徴派 日常の中に思い浮かんだことを比喩で混ぜ込んでゆく。
ランボー(1854-1891)は言葉の錬金術、つまらないものも美しく。
「地獄の季節」では工場のかわりには回教の寺院、湖の底にはサロンといった表現があって、
もう一度、人間にとって豊かなものに。
ダダイズム 美しくはないが、面白いものを日常に混ぜ込み、現実をごちゃごちゃに。
トリスタン・ツァラ(1896-1863)が命名。
シュルレアリスム 考えながら結び付けるのは古いとした
アンドレ・ブルトン(1896-1966)。
無意識と意識とを同時進行で重なり合っている。集まった人が思いついたことを結び付けるなど。
誰でも書けるが、つまらなくなる。
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続きます。