カテゴリ:各地のうまいもん
岡山県倉敷の銘菓です。小麦粉と卵、砂糖、重曹を溶き、鉄板で焼いた生地で
小豆あんを包んだもの……こう書くと、何の特徴もないようですが、一見して 違うのは、鉄板で焼いて茶色く、平らになった面を表にしてあるのではなく、 「ひっくり返す前のホットケーキ」というか、表面がぶつぶつに穴の開いた面 を表にして、あんを包んである点です。焼いた面は内側で、黄色いぶつぶつの 半円形が表側。逆転の発想というか、まことに見事な仕立て方だと思います。 むらすずめ(群ら雀)というのは、よく実った稲穂をついばもうと、黄金色の 田んぼに降り立って群れているすずめのこと。のどかな田園ならではの光景で、 くだんの菓子の由来によると、黄色が田んぼ、表面のぶつぶつが実った稲穂、 あんを包んだ半円形が羽を広げたすずめ、という見立てだそうです。一般的に 和菓子は見立てで命名するものでしょうから、その点は良しとしましょうか。 このお菓子自体は甘すぎず、上品な味わいですが、原材料や見立てが素朴です から、あまり高級感は感じられません。本当は、ごく普通のありふれたお菓子 だと思うのですが、元・倉敷市民の身びいきというか、ついつい人に奨めてし まうのですね(^_^;)。すずめのような形にするために、あんこが少なめにして あるのか、という冷静な分析もできますが、お土産品ですから、それも仕方が ないかな、と。実質本位の方は、倉敷では「焼きままかりの酢漬け」や「たこ の姿干し」や「地酒」をお買い求めください。倉敷名産はいっぱいあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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