カテゴリ:各地のうまいもん
沖縄の珍味「スクガラス」。アイゴ(スク)という魚の2~3cm程度の稚魚
を塩漬けにしたものです。平たい楕円形をしており、全体に銀色で顔が小ぶり な小魚です。このスクガラスだけで食べると、塩辛く、えらやひれなどが口に コツコツします。これを食べるときに、豆腐をやはり2~3cm角に切ったも のの上に1匹ずつ乗せ、豆腐と魚を一緒に食べると、お互いを引き立て合って とても美味しいハーモニーが生まれます。この料理を、スク豆腐と呼びます。 島豆腐と呼ばれる沖縄の豆腐は、本土の木綿豆腐以上にしっかりしていて、歯 ごたえとともに滋味もたっぷりあります。スクガラスに合うのは、このしっか りした豆腐で、われわれが食べるなら、木綿豆腐か、または木綿豆腐を水切り して使ってもいいかもしれません。絹ごし豆腐は、コツコツしたスクガラスの 食感と合わず、豆腐だけがまずのどを通り、あとから魚を味わうことになりま す。焼き豆腐も、焼いた面が口の中でほぐれきらず、今度は魚を味わった上で 豆腐が口の中に残ることになりかねず、やはりいま一つではないでしょうか。 「モノはモノモノ」と言って、スクガラスを味わうのにぴったりした豆腐は、 やはり沖縄の島豆腐なのですね。沖縄の味を求めて沖縄物産店などをうろつく 本土人には、スクガラスは瓶詰めのが手に入ります。島豆腐もあるものの、長 期間の保存が利きませんから、勢い、なるべく固い本土の豆腐でスク豆腐にす る、ということになります。そうそう、スク豆腐は通常、おかずというよりは お酒のアテです。となると、その「お酒」はもちろん……ということになりま すが、食べる人が美味しいと思えば、別に泡盛でなくても、と思うのですが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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