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紅影勇輝の~遥かなる地平へ~

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紅影勇輝

紅影勇輝

2005/06/09
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<前編>をまだ読まれていない方は、以下をクリック!!

<前編はコチラをクリック!!>





次の日、学校の帰りに、三人は意気揚々とその川へと向かった。

仕掛けを引き上げてみる。

するとそこには、





●食いちぎられたミミズの残骸





が針にぶら下がっていた。

三人は確信した。










「奴は、間違いなくここにいる!!」





今日は、学校であらかじめミミズを捕まえてきていた。

それを針に括り付けて、

いざ勝負。



その時、

後ろをチャリンコで通りかかった、一人のオッサンが言った。












「兄ちゃんら。
そんな仕掛けじゃ魚は釣れんな」






その目は、明らかに三人を嘲笑っているように思えた。

3人の子供たちにとって、大人の言うことは絶対だった・・・。




マーボは、歯を食いしばった。

ユッキーは、涙をこらえた。

ケロは、厳しい目つきで、

通りがかった女子高生を凝視していた。



3人は思った。








「ダメかもしれない・・・」













<紅影勇輝による当時の回想>

「正直、諦めかけていました。

あの頃は、大人はみんな偉いんだと思ってましたから。

大人に言われたんだからもうダメなんだろうと、何となく直感していました。

え、ケロ?ああ、あいつは女子高生を見て興奮していただけです」






















「ぽちゃん・・・」











「ぽちゃん・・・」










目の前を、大きな魚が飛び跳ねる。

確かに魚はいるようだ。

だが、一向に竿に当たりが来ない。






小一時間が経過した。

竿は未だ微動だにしない。

オッサンの言っていたことが、いよいよ現実味を帯びてくる。

マーボが、ぶっきらぼうに言った。






























「飽きてきた」












子供の集中力などたかが知れている。

何も起こらない一時間をこのまま続けるほど、彼らにとって苦痛なことはなかった。












<マーボによる当時の回想>

「そもそも『川の主』って・・・。

ガキの発想でしょ?僕はその頃からマセたガキでしたから、

冷静に考えて、それはないなと思ってました。

もうこの時は、家帰ってファミコンがやりたかったですね」

















誰もが諦めかけていたその時、










ケロの持っていた竿が大きく上下にしなった!!









「きたぞ!!」





ケロが、映画版の「のび太」のような表情で叫んだ。

ユッキーとマーボは、ケロの後ろで胸を高鳴らせた。


5分間、いや、もっと長かっただろうか、魚とケロとの格闘は続いた。


しばらくして、ユッキーはあることに気が付いた。

どうやらマーボも気が付いているようだった。

ユッキーはケロに言った。



























「お前、もしかして釣れた演技してる?」






ケロはユッキーの方を振り返り、言った。

























「テヘヘ(笑)」




一切、かわいくなかった。

むしろ、その笑顔が憎らしくもあった。



「お前みたいな奴は・・・」



















「お前みたいな奴は、
アラレちゃんにウンコと間違えられてツンツンされてしまえ!!」








と言おうとした僕よりも先に、マーボがサッカー部仕込みのキックで、

ケロの乗っているイカダを蹴り込んだ。




岸から離れていくイカダ。

ケロは岸に上半身、イカダに下半身を残した状態になった。

ケロは言った。



「オイ・・・、落ち・・・」



ケロが、今にも川に落ちそうになって助けを求めている姿を見て、

ユッキーとマーボは、すかさず、
























手を叩いて大爆笑した。



二人は、面白そうだからしばらくこのまま眺めていた。



(中島みゆき「ヘッドライトテールライト」が流れ始める)



語り継ぐ、人もなく~♪ふきすさぶ風の中へ~♪

紛れ散らばる、星の名は~♪忘れられても~♪






プルプルしだしたケロの下半身。

彼の筋力よりも、川の流れの方が強く、

イカダは無情にも岸から大きく離れていった。

ケロの体は、くの字から徐々に水平へと変わっていった。







ヘッドライトテールライト~♪旅はまだ終わらない~♪

ヘッドライトテールライト~♪旅はまだ終わらない~♪






必死でこらえる力尽きそうなケロの手を、

ユッキーとマーボは、ためらうことなく、せーので






























蹴った・・・。






















<ケロによる当時の回想>

「絶対、殺してやると思いましたね、この時は」










そして、ケロは、



「うぴょぴょん!!」



とだけ奇声を発し、

川の中に落ちていった・・・。


















その姿が、やがて見えなくなる。

数秒して、浮いてきたケロ。

ケロは言った。

























「チンコが・・・
俺のチンコがヤバイんだ」















ユッキーとマーボは、一週間前にケロがチンコの手術をしていたことを思い出した。

ケロは、自転車でコケ、チンコをメガヒットしたことにより病院に運び込まれていた。


その時、マーボが叫んだ。














「おい!!見ろ!!」




ユッキーはマーボが指差す方向を見た。

誰も持っていない竿がしなっている。

ユッキーは叫んだ。




























「川の主だ!!」





「ケロはどうする?」


マーボが尋ねた。

ユッキーは、言った。










「関係ねぇ!!今は『川の主』が優先だ!!」



















<紅影勇輝による当時の回想>

「あの頃の僕は、井上陽水の「傘がない」的なタイプの人間でしたね。

つまり、都会では自殺者が増えていたりと深刻な中で、

でも今、自分にとって重要なのはむしろ、

この雨の中を恋人に会いに行くための傘なんだ、と。

そんな感じでしたね。アッハハハ・・・」











足跡は、降る雨と~♪ 降る時の中へ消えて~♪

称える歌は~♪英雄のために過ぎても~♪



ヘッドライトテールライト~♪旅はまだ終わらない~♪

ヘッドライトテールライト~♪旅はまだ終わらない~♪







ユッキーとマーボは、手を取り合って竿を引き上げた。

思いのほか、引きが強かった。





















「でかいぞ!!」






2人は、これが「川の主」であることを完全に確信していた。

「やった!!やった!!」と、それしか頭になかった。無我夢中だった。





その頃、ケロが陸に上がってきた。

ケロは泣きそうな顔で、言った。



























「おめでとう。
俺が釣れたな・・・」












ケロのTシャツの背中には、この「プロジェクトF」始動のきっかけとなった




●針金




が、しっかりと喰いついていた・・・。









行く先を照らすのは~♪まだ咲かぬ見果てぬ夢~♪

はるか後ろを照らすのは~♪あどけない夢~♪



ヘッドライトテールライ~♪旅はまだ終わらない~♪

ヘッドライトテールライ~♪旅はまだ終わらない~♪















「川の主」はケロだった。

そして、ケロのチンコは、奇跡的に無事であった。

ケロは言った。






















「チンコの神は、
俺に味方した・・・」














司会者:「さて、スタジオには、伝説を築き上げたお三方に来て頂きました。
      どうぞ!!」


(三人が、席に着く)


司会者:「ではまず、ケロさん。この時の正直な気持ちはどうでした?」


ケロ:「その前に、ユッキーさんはどうだったんでしょう?」


司会者:「いや、まずはケロさんにお聞きしているんですが・・・」


ケロ:「ところで、マーボさんはどう思います?」


司会者:「いや、だからまずケロさんに・・・」


マーボ:「あの、それは何時何分何秒、地球が何回周った時の話ですか?」


司会者:「はい?・・・」


ユッキー:「うーん、2回でしょうね」


司会者:「いや、答えないで下さい」


マーボ:「マジで?絶対ぇか?命賭けるか?」


ユッキー:「おう、命賭けてやろうじゃんか!!」


マーボ:「ちなみに俺は、ウナギ屋の匂いで、ご飯3杯はいけるから!!」


ケロ:「あ、弱ぇ。俺なんか4杯いけるし」


司会者:「・・・・ハイ、もういいです」




















ここにまた、新たな
「遥かなるバカ伝説」が誕生した。









というわけで、小説っぽい感じでお送りいたしました♪

本作への感想などありましたら、是非コメント欄へ!!

(今後の参考にさせて頂きます☆
書いててグダグダだったけど、読んでてグダグダだった?(笑)
それが狙いなんだけどね)


(※本作は、実話を元に登場人物の会話などを多少アレンジしております)


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Last updated  2005/06/10 01:38:46 AM
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