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bunakishike
折に触れて聞いた音楽の感想をだらだらと書いています。
音源は主に海外サイトからダウンロードしたハイレゾで、その他観たコンサートや映画などの感想を綴っています。
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ミンガスとドルフィーの1964年のヨーロッパツアーの中で4月16日に行われたドイツのブレーメンで行われたコンサート・ライブのコンプリート盤です。
Jazz Lipsとい見慣れないレーベルからの発売。
昔のジャズのライブをデジタルリマスターで発売しているイギリスの海賊盤レーベルのようです。 |
『グレート・コンサート・オブ・チャールズ・ミンガス』はその2日後(1964.4.18/19)の深夜、パリのシャンゼリゼ劇場で行われたコンサートの模様を収録したアルバムです。
このコンサートでは、前日のパリのサル・ワグラムのコンサートに出演中、トランペットのジョニー・コールズが胃潰瘍で倒れたため、彼は出演していません。
これは、アメリカ30というフランスのマイナーレーベルから3枚組のLPで出ていました。
私も、LP時代にこれを聴いていましたが、その後、殆ど聞くこともなく、今日に至っています。
このときの演奏は名演と謳われていますが、今回の3日前の演奏も同じツアーの演奏ですから悪いはずはありません。
というかフレディー・コールが入っているので、色彩的にはこちらの方が豊かです。
曲目に若干の違いがあります。
アメリカ30に入っている曲で、バーブからリリースされたCDに入っていない曲もあります。
「ブッドバイ・パイ・ポーク・ハット」、「オレンジは彼女のドレスの色」の2曲で、逆にLPにはジャッキーバイヤードのソロ「A.T.F.W」が入っていないという変な現象が起きています。
この時の演奏に関しては、ミンガス夫人のスーが完全版を目指して制作した「Revenge!』というのもありますが、完全ではないようです。
というか、違う日の録音らしいです。
出典:http://www.ne.jp/asahi/village/good/CharlesMingus.htm
最初の2曲目のミンガスのベースをフィーチャーした「ソフィストケイテッド・レディ」はいつ聞いても面白くないです。
ミンガスが何故こんなつまらない演奏をするのかと、聞くたびに思ってしまいます。
以上が前座で、次の「So Long Eric」からの4曲がいずれも20分を超す長尺の演奏でミンガスの本領が発揮されています。
ただ、ミンガスのソロで意味のないフレーズが出たりして、緊張感が持続されない嫌いがあります。
どの曲でもドルフィーの目覚ましいアドリブが、他を圧しています。
これが、心臓発作によりベルリンで客死する2か月前の演奏です。
ドルフィーのアヴァンギャルド性がこの録音から50年近く経っても全く変わらないのは、全く恐るべきことです。
他のホーン奏者は出番が少ないこともありますが、存在感が薄いのは、少し気の毒です。
二人とも、後半になるにつれて、出番が多くなりますが、いかんせん軽過ぎて、ドルフィーの敵ではありません。
あとはジャッキー・バイヤードの特異なピアノ・ソロも目立っているというか、やりたい放題という感じがします。
大作「メディテイションズ・オン・インテグレイション」は個人的には最初の抹香臭いテーマが好きになれません。
第2テーマがリズミックで、ミンガスらしいテーマなので、そこの落差をいつも感じてしまいます。
最初のテーマでのサウンドが陳腐で、お化けでも出てきそうなうら寂しい雰囲気なのは、意図的なものでしょうか。
テンポが速まるトランペットソロからは激しいソロの応酬が楽しいです。
また、バイヤードの人を食ったようなプレイが異彩を放っています。
最後の「フォーバース知事の寓話」はパンチ不足です。
というか、こういったプロテストを目的とする曲は最初はインパクトがあるのですが、次第にそれが薄れていくのはこの曲も例外ではありませんでした。
ユーモア感覚も薄れているようで、聞いていてあまり面白くありません。
アレンジのせいか、どうもごちゃごちゃしすぎています。
ドルフィーのバス・クラがかなり異質で、ブラックユーモアかと思ってしまいます。
バイヤー度のソロはここでも、キラキラ星、アルプス一万尺などを引用した茶目っ気たっぷりなプレイで、笑えます。
後半にはミンガスお得意のカオスが待っています。
この録音は、エアチェックのテープを起こしたもののようですが、少しこもりぎみで、マスターテープの損傷による音の乱れがあります。
それらを除けば、ノイズがなく、聞きやすい音ですが、ステレオのスタジオ録音とは比較になりません。
同等の録音であれば、印象もだいぶ変わってくるとは思うのですが。。。
このアルバム、万人向けとはいきませんが、ミンガスの音楽を愛する人たちにとっては、見つからなかったパズルの一片がひょっこり現れたような感覚を覚えるかもしれません。
THE COMPLETE BEREMEN CONCERT(Jazz Lips JL774)
CD1:
1.A.T.F.W
2.SOPHISTICATED LADY
3.SO LONG ERIC
4.PARKERIANA
CD2:
1.MEDITATIONS ON INTEGRATION
2.FABLES OF FABUS
CHARLES MINGUS(b)
JOHNNY COLES(Tp)
ERIC DOLPHY(as,fl,bcl)
CLIFFORD JORDAN(tn)
JAKI BYARD(p)
DANNIE RICHMOND(Ds)
Recorded Aprl 16,1964,Bremen Germany |
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Last updated
2012年02月16日 22時49分34秒
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