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bunakishike
折に触れて聞いた音楽の感想をだらだらと書いています。
音源は主に海外サイトからダウンロードしたハイレゾで、その他観たコンサートや映画などの感想を綴っています。
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桑原あいというピアニストがJAZZ JAPANのグラビアで大きく取り上げられていた。
新作の記事で、レビューでも比較的好意的に書かれていた。
それを読んで、何か感じたのか楽天のポイントが貯まっていたので、速攻で購入してしまった。
かなり硬派なピアニストで、昔だったら大西順子、最近だったら片倉真由子を思い出させる。
それに、松永貴士(フレージング)や上原ひろみ(実験精神旺盛なところ)に似たところも感じられる。
ネットで見ると、ポスト上原ひろみと言われているようなので、私の感想もまんざら違っていないようだ。
特に「Of mist, to envelope something」は曲想からプレイぶりから松永貴士との近似性を感じる。
グイグイと突き進む様は男勝りといったら、怒られるだろうか。
テクニックも凄くあるが、ひけらかすような素振りのかけらもなく、とても好感が持てるピアニストだ。
女性的なナンバーもあるが本領はハードドライビングな演奏だろう。
「Innocent Reality」はその代表的な演奏の一つだ。
クロマティック・スケールで攻撃な音楽は、最近の軟派な音楽ばかり聴いている身にとって、かなり刺激的だ。
「Into the Future or the Past?”」やタイトル・チューンの「Time window」もアグレッシブだ。
ピアノ・ソロで演奏される叙情的な「Cradle」のような曲やハンドクラップを交えた「Empty-Widow」みたいなユーモラスな曲もあり、なかなか守備範囲が広い。
その他「A Little Weired」のような叙情的な曲や内に秘めた情熱の発露が何とも狂おしいメルドー風な「Loveletters」もある。
このアルバムを聴いた限りにおいては、作曲能力が高く、ばらつきも少ない。
ただ、最初の「Prelude」が入っている理由は全くわからない。
演奏者の予想したような効果が上がっていないのが「Whether or not」。
ピアノのサウンドを加工して歪っぽくしている。
ある種の実験作なのだろうが、エンディングの凄まじい盛り上がりの割には、私には狙いが理解できなかった。
今年の誕生日が来ると23歳だそうだが、若くしてこれだけの演奏ができるなんて、なんとも凄い才能だ。
過去の経歴も輝かしいもので、単に私が知らなかっただけみたいだ。
こういうのを不明を恥じるというのだろう。。。
他のメンバーも素晴らしいサポートぶりで、特に森田悠介のエレキ・ベースは印象に残った。
エレキベースの活躍する曲を聴いていると、上原ひろみとスタンリー・クラークのグラミー賞受賞アルバムを聴いていた時のような気分になった。
このアルバムが3作目ということだが、これほどの出来なら旧譜も聴かなくてはならなくなってしまった。
それにしても、今まで知らなかった優れたミュージシャンの音楽を聴くことは何ものにも代え難い喜びだ。
なお、OTOTOY にインタビューが載っている。
それによると、昨年のアメリカ・ツアーが今回のアルバムに大きく影響していると語っている。
the Window:ai kuwabara trio propject (ewe records EWCD 0195)
1. Prelude
2. “Into the Future or the Past?”
3. Time window
4. A little weird
5. Innocent reality
6. Empty-window
7. Whether or not
8. Of mist, to envelope something
9. Loveletters
10. Cradle
ai kuwabara trio project
桑原あい(p)
森田悠介(e-b)
今村慎太郎(Ds 2、3、8、9)
石若駿(Ds 4、5、7)
Recorded DEC. 19-21,2013
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Last updated
2014年05月02日 22時17分53秒
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