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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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2024年05月18日
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カテゴリ:クラシック音楽

フランスの作曲家フローラン・シュミットの黙劇「サロメの悲劇」付随音楽をルティノグル指揮フランクフルト放送交響楽団の演奏で聴く。
フランス人指揮者が録音することが多いと思うが、ドイツの楽団にアルメニア人の指揮者というのも変わった組み合わせだ。
フローラン・シュミットといえば吹奏楽業界では「ディオニソスの祭り」で有名だが、クラシック界ではあまり知られていないと思う。
ただ、この曲何故か吹奏楽用に森田一浩が編曲したセレクションがあり、結構演奏されているようだ。
まあ、日本の吹奏楽業界に特有の現象だろが、吹奏楽に編曲されて、原曲も広まることは悪いことではない。
筆者も「サロメの悲劇」の名前は知っていたが、曲を聴いたのはこれが初めて。
因みにストラヴィンスキーに献呈されているそうだ。
サロメと聞くとR・シュトラウスのオペラを思い出すが、あちらがオスカー・ワイルドの戯曲を基にしているのたいし、同年にパリ初演が行われたリヒャルト・シュトラウスの楽劇『サロメ』はオスカー・ワイルドの戯曲に基づいているが、シュミットの作品はロベール・デュミエールの詩に基づく2幕7場の黙劇。
『新約聖書』の「サロメ」や『旧約聖書』の「ソドムとゴモラ」のエピソードが取り混ぜられ、神の怒りによる天変地異で幕を閉じるというもの。(wiki)
R・シュトラウスのオペラに比べると規模が小さく、こじんまりまとまっている感じで、オリエンタルムードこそ感じられるものの凄惨さは感じられないところがフランス音楽らしい。
アラン・アルティノグル(1975-)の名前は知らなかったが、コンサートやオペラで世界的に高い評価を得ているアルメニア系フランス人とのこと。
「サロメの悲劇」は1907年のオリジナル版を使っている。
編成はFl&Picc、Cl、Ob、Eh、Fg、Tp、2Hr、2Tbと打楽器3名、弦五部とハープというもの。
弦のみ30人以上に増員しているそうだ。
ジュリアン・マスモンデ​指揮アンサンブル・レザパッシュ が同じ版を使っているが、彼らは22名で音はかなり細身だ。
ただ、小回りが利いている。
それに対しアルティノグルの演奏は恰幅こそいいものの、少し鈍重に感じてしまう。
また、殺伐とした雰囲気はマスモンデ盤のほうがよく出ている。
曲はフランスの香りがする音楽で、メロディックで親しみやすいが、ちんまりとまとまっていて、最後もあっさり終ってしまうのが物足りない。
また、例えば第11曲の「Tres Lent」後半の急速調の上下降する細かいフレーズなどに「ディオニソスの祭り」を感じさせる。
第12曲「AIeaの歌」ではソプラノが加わっている。
遠くから聞こえてくるような感じで、気になったので、マスモンデ盤もチェックしたが同じような感じだった。
おそらく遠くから聞こえるように指定されているのかもしれない。
フランクフルト放送交響楽団は上手いが、もう少し軽くても良かった。
最後にチェロをフィーチャーした「エレジー」という曲が入っている。
原曲はチェロとピアノのために書かれているが2011年に作曲者自身がチェロと管弦楽に編曲している。
哀しみを湛えたチェロが美しく、バックも濃厚で色彩豊か。
後半の劇的な盛り上がり方も半端でない。
フィリップ・シュテムラーはヤルヴィのフランツ・シュミットの交響曲全集でもフィーチャーされていた。
フランクフルトの首席だろうか、朗々としたサウンドで好演。

アルティノグル フローラン・シュミット:劇付随音楽「サロメの悲劇」(Alpha ALPHA941)24bit 48kHz Flac

フローラン・シュミット(1870-1958):
1.劇付随音楽『サロメの悲劇』 Op. 50(1907年オリジナル版)
23. 悲歌 Op. 24(チェロと管弦楽版)

アンバー・ブライド(s track19)
フィリップ・シュテムラー(vc track23)

フランクフルト放送交響楽団
アラン・アルティノグル(指揮)

録音:2021年1月22(サロメの悲劇)、2022年6月23
フランクフルト放送ゼンデザール





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Last updated  2024年05月18日 18時46分24秒
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