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飛騨の中心部高山盆地の朝は、一年を通じて冷涼な空気に包まれます。 特に、8月から12月の晴れた日は、この気候により朝霧が盆地を覆う日が多いようです。 遠景をさえぎって、街並みを幻想的に演出するこの朝霧も、午前10時頃には明るい陽射しに席を譲り、飛騨山脈の山並みが姿を現します。 眺望のきく場所からは、右端の大きな乗鞍岳が、穂高連峰や槍ヶ岳、笠ヶ岳といった並みいる名峰を従えるように堂々とした姿を見せています。 晴れた日には見逃すことの出来ない飛騨高山からの絶景です 山容が馬の鞍に似ているところから名付けられた乗鞍岳は、古くには鞍ヶ嶺と呼ばれていました。 飛騨山脈の南端に位置し、南北15キロメートル、東西20キロメートルに広がる大きな山域には、標高3026メートルの剣ヶ峰を筆頭に、森林限界を超えた2500メートル以上の峰が二十三座も連なっています。 実は、乗鞍岳といわれる峰はなく、この広大な山域全体を乗鞍岳と呼んでいるのです。 乗鞍連峰と呼んだほうが正しいのかもしれませんが、飛騨に住む人たちにとっては、この大きな山容全体が乗鞍岳なのです。 山の姿は見る位置によって大きく表情を変えます。 飛騨の中央部から見て馬の鞍の形に見える乗鞍岳もまた、見る場所によってまったく異なった姿を見せてくれます。 乗鞍岳のなだらかな稜線はしばしば女性的といわれますが、どこから望んでもその優しい山容は損なわれることはありません。 観音様が横に寝ているように見えるため、寝観音とも呼ばれています。 日本列島には多くの寝観音型の山があり、その代表が乗鞍岳です。 また、古来より、天の神様に祈りを捧げてきた場であることから「乗鞍」の意は「神に祈る座」「祈座(のりくら)」との説もあります。 乗鞍岳の優れたところは、どんな姿にも、その秀麗さを失わないところではないでしょうか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.24 12:05:41
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