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![]() 下呂の東にそびえる湯ヶ峰という山にな、そりゃぁええ湯が湧き出ておったんだと。 この湯は百年も続いておったというが、あるときでかい地震があって、ぴたりと湯の口がふさがれてしまったんじゃ。 それ以来、湯が出なくなってな。 村人たちは、 「せっかくの楽しみがなくなってしもうた。」 と、肩を落としておった。 しかし、年月が過ぎると、それも遠い昔のことじゃったと忘れておったと。 ところがある時、一羽の白鷺が川原の水溜りに羽を休めておってな、何日も動こうとせんのじゃ。 けがをしておるようで近寄ってもにげていかんでなぁ。 やがて傷が癒えたのか一声鳴くと夕暮れ空に舞い上がり近くの大杉に止まったんじゃ。 不思議に思った村人が水溜りに手を入れてみると、そりゃあ温かい湯がこんこんと湧き出しておってな、村人は白鷺を見上げると大杉まで追いかけて行ったんじゃと。 するとどうじゃ杉の根方に薬師様が立ってござる。 「やれ有難や、この湯はきっと薬師様のおつげにちがいない。」 村人は手を合わせると、皆と相談をしてほこらを造りそこにお祀りすることにしたんじゃ。 今でも、下呂温泉は、人々に安らぎと恵みを与える大事な宝でな、草津・有馬と並んで日本三大銘泉のひとつと言われておるんじゃ。 ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.06.21 12:29:46
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