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カテゴリ:村の方言
日中は昨日に続いてのあめ・あめ・・雨・。 そのうち春の訪れを知らせてくれる 「春雷」も遠くに 聞こえてくる事でしょう・。 さぁ~てさて・・。 そういえば昨日の「ゆるい」 についてでしたよね。 「ゆるい」・・ それは「囲炉裏」のことなのですよ。 今では殆ど目にしなくなりましたよね・。 昔はどの家にもあったそうです。 今で言うコタツですよね・・。 暖を、そして団をとる場所なんですよね。 「ゆるい端」などと使います。 そしてその「ゆるい」には 銅でできた箸に輪っかを付けたのが いつもおいてあった・・。 囲炉裏で有名な話では 千円札にも描かれている 野口英世博士が小さい頃に やけどを手におった場所も あのひし形に変形した「ゆるい」ですよね。 昔の「ゆるい端」を 思い出してみよう・・。 「居やった~がよぉ~(居ましたか?)」と 村の客人が家に訪ねて来た。 「あ~い、寄らっしぇ~ (はい、どうぞ寄ってください)」と父は言う・・。 訪ねてきた村人は「はぎのいば」に何の ためらいもなく現れ 「ふ~ひでぇ~ゆぎ(雪)だあ~」 などと呟きながら体に積もった雪なぞを 手でサッサッっと払いのけている・・。 様子を察するに外は たいそうな吹雪なのだろう・・。 父は「ゆるい端」で蓑作りの手も休めずに 「さっ、げすぶっつげでくんつぇ」と 客人に勧めるのであった。 多分、その客の訪れを 父は知っていたのだろう・・・。 手も休めずに別段驚いた様子も 感じられず、そう言うのだった。 はて何の事でしょう?? この「げすをぶっつげる」とは・・・。 「尻をぶつける」と言うことであるが 何かに尻をぶつけたのでは さぞや客人は痛い目に遭う事であろうに・。 そうなのです、村ではこの場合の ぶつけるとは「座る」ということ なのです・。 暫くすると客人は「ゆるい端」から ほんの少し離れたところに 正座なぞしてジレイの言葉を 言いはじめます・。 「いや~はぁ~まぁ~かだで、 だってぇ~やっぴし、しなだには しぇわになって・・」などと まるでお経か呪文かと思われる 言葉を延々と語り始めるのです・・。 父はその言葉が終わるか 終わらないかのスキを見て 「さ、ていら(平ら)に居てくんつぇ (正座を崩して楽に居てください)」と 言い、作成途中の蓑を奥に押しやり 「ゆるい端」に向き合うのが いつもの慣例であった・・・。 そんな会話を私は「ゆるい端」で見ていた。 以上を訳すと 客人言うに「いや、お陰さまで、いつもいつも あなたにはお世話になりっぱなしで・・」ということなのであろう・・。 これは「こんにちは、よい天気ですね」とかの 後段に続く決まり文句の一つなのであろう・。 その後客人と父は「ゆるい」で 「ズスッ~ズスッ~」とお茶飲みをしながら 話を始めるのであった。 そして暫くお茶のみをしてお湯が 切れてきたのだろう 私に「おう、この「てどり」に水入れて来てくろ」 などと頼まれるものでした・。 さてさて・・なんじゃ? 「はぎのいば」って・。 それに「てどり」って・・・ それは次回ですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年02月16日 21時07分27秒
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