カテゴリ:仕事
07年度の講習が始まり,あっという間に2講目が終了。この辺りで授業では差し障りがあって自粛したエピソードその他の注釈をとふと思い立ち。
ひょっとして魔がさしたかな。でも,乗りかかった船。 下ネタに属する内容があるので,関心のない方,不快に思う方はスルーしてください。ってそういや,2年前にも哲人皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスの『自省録』で,同様のネタをやったな。まあいいや。 ヘロドトスの「歴史」におけるエジプト人に関する記述です。 私の初回のオリエント史の講習にて。ヘロドトスは,ナイル川がギリシアの河川とは逆の性格を持つ,夏になるとギリシアの河川は水量が減るのに,ナイル川は増えると不思議がっているという導入から,ヘロドトスは知らなかったけれど,ナイルの上流におけるサバンナ地域の雨期の雨が,ナイルの定期的氾濫の原因であり,これによってエジプトに肥沃な土壌がもたらされるんだと話を展開。うん。ここまでは真面目だ。でもその時一部の教室で 以下,その部分の引用。 エジプト人はこの国独特の風土と他の河川と性格を異にする河とに相応じたかのごとく,ほとんどあらゆる点で他民族とは正反対の風俗習慣を持つようになった。例えば女は市場へ出て商いをするのに,男は家にいて機織りをする。機を織るにも他国では緯糸を下から上へ押し上げて織るのに,エジプト人は上から下へ押す。また荷物を運ぶのに男は頭に載せ,女は肩に担う。小便を女は立ってし,男はしゃがんでする。(ヘロドトス『歴史』岩波文庫版,上巻p.182) 誤解なきよう重ねて自己弁護しておくと,授業では自粛してます。紹介したのは,「男はしゃがんでする」のとこだけっす。にしても,女は立ってしないだろう,ヘロドトス。さすがに「物語的記述」と評される(の裏の意は,おもしろければよしと誇張もはいってんだよ,どこまで信用していいか難しいんだよヘロドトス。困った奴だよヘロドトス。)だけのことはあり。でも,さりげなく機織りと荷物の話をして油断させておいて,いきなりこの話に落とすなんて,効果を計算して書いてるとしか思えない。してやったりとほくそ笑むヘロドトスの姿がまぶたに浮かびませんか。ちょっと好きかも。ヘロドトス。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.04.28 06:59:50
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