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入試の採点の休憩時間中に、教授どうしの雑談を盗み聞きしました。
教授Aが言った。「学生とスキー場に行って、一緒に滑るんですよ。昔、こんな学生がいました。COという 女子学生が・・・」 教授B「ああ、知ってます」 A「COはひときわ上手なんですね。一滑りしたら、みんなに『じゃあ、これからめいめい自由に滑ろう』と言 いましたら、COが『自由に滑るとはどういう滑り方ですか?』と質問するんですよ」 B「はあ?意味がわかりませんが」 A「お分かりならないのは当然です。COはスキーをスクールでしか滑ったことがなかったんです。」 B「まだ、分かりませんが・・・」 A「はい。指導員がお手本を示して滑ります。下から指導員が同じように滑るよう生徒に合図するんです。 COはお手本なしには滑れないんです」 B「はあはあ、なるほど」 A「みんなと一緒の時は、上手な人の真似をして滑るんですが、さあ、自由にすべろ、と言われると滑れな いのです。」 B「う~~~ん。深刻な問題ですねぇ~。型どおりのことしかできないということですか?」 A「いえ。ちょっとちがうんです。スキーそのものを楽しんだことがないのじゃないかと思うんです。」 B「命令でしか何事もやれない?そういうことですか?自分で問題発見ができない・・・?」 A「そうとも言えますが・・・ほんとうは、楽しんではいると思うんです。ですが、彼女のばあい、先生に誉め られるのがうれしいんです。それが楽しいんです。スキーそれ自体が楽しいんじゃないんです。」 B「え~っ。非常に深刻ですね。つまり、どうやって自分でやる気を起こさせるか、そこの所の指導のこつ のようなものが指導員に必要なんですね?」 A「いいえ。指導員の指導技術ではなくて、指導員自身がスキーを楽しんでいないのじゃないかと思うん です。自分が人に評価されるためとか競技を目的にスキーをやっていると、スキーの楽しみの価値を外 部者に決定されるようなスキーをやっていると、そういう生徒が生れるんです。きっと。」 B「ああ、そこへ来ましたか。つまりわれわれ自身の研究と教育の姿勢が問われるというわけですね。楽 しんで研究・教育をやっているかどうか・・・」 「はい。そう思います」 面白い雑談でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.04.29 21:58:27
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