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午前10時ごろ、スワンナブーム(バンコク)空港から、大きなタクシーをチャーターして、バンコク都西端のナンタワン村に帰宅した。昌、ナンナさんそしてぼくの3人はぶじ。
昨夜10時40分トリバンドラム発なので、チャンギ空港(シンガポール)の乗り換え時間を含めて、9時間の旅であった。 昌もぼくも風邪を引いてしまった。昌は全体として、元気であったが、ぼくは下痢と風邪と捻挫に苦しんだケララ旅行だった。これだけの障害があれば、たいがい疲れる。しかし、ムラに到着した瞬間から、元気が出てきた。 留守中は、ムラの労働者とナンナさんの姉のノイさんが来て、植物と動物たちをケアしてくれていた。残念ながら、コイカープが一匹死んだそうだ。やむをえない犠牲であった。ノイさんにどれだけ感謝してもしきれない。 ところで、この旅の間じゅう、ナンナさんが秘書として、偉大な才能を発揮してくれて、望外の成果を収めたといえるのであるが、最後の最後になって、ナンナさんの才能の空恐ろしいくらいのものすごさを見せ付けてくれた。 トリバンドラム空港で、チェックインしていたとき、彼女は、空港の係員に何事か交渉を始めた。その内容は、昌の好き嫌いの件である。交渉の要点は、肉はだめ、たまねぎはだめ、にんにくはだめ、スパイシーなものはだめ、という好き嫌いである。昌に恥をかかせるようで申し訳ないが、これが事実である。彼女は、そのことを空港の係員に詳しく述べて、機内食は魚料理にしろ、それができなければ、せめてプレインのパンとバターを出せと言っているのである。彼女がくどくど係員に説明しているのは、昌にとっては、迷惑なことにちがいない。彼はハナからあきらめて機内食は食べないという作戦だったからである。 ナンナさんの優れているところは、トリバンドラムから乗り込む小さな航空会社「シルクエア」だけでなく、乗り換えた大きな航空会社「シンガポールエアウェイ」にも、同じことを伝えて、便宜を図れとトリバンドラム空港の職員に要求しているのである。なんだかひどく時間がかかってしまった。しかし、トリバンドラム空港の職員はこのときばかりは頭が下がった。ナンナさんの要求を根気強く聞き、努力してみますと請合った。 もう一つ問題があった。インドからタイ国に入国するには、ビザが必要であった。昌は日本からインドに入国するビザは取得済みなのだが、インドからタイ国に入国するのにビザを必要とすることを知らなかった。ぼくは日本の旅行社の配慮の足りなさを思った。そのことをトリバンドラムの職員が指摘した。そこで、彼女は、スワンナブーム空港で、「交渉」しようと決心をし、トリバンドラム空港職員も同意した。 結果はどうかというと、機内食については、「シルクエア」の機内食は、融通が利かなかったので、ベジタリアン食だけを出して、プレインなパンを出してくれた。昌はベジタリアン食は手をつけなかった。チャンギからスワンナブームへのシンガポール航空機の機内食は、男性乗務員がわざわざやってきて、昌にこうこうこういう食でいいかと尋ねた。一応うなずくと、昌の後からの報告によると、全部食えた!ということだった。北海道生まれの昌のツボを心得たメニューで、鮭のオムレツとご飯・・・オオオ!こういうことができるんだ!! ビザの件。スワンナブーム空港に着くと、まだイミグレーションを出る前に、ナンナさんはそこいらに立っている女性職員に事情を説明して尋ねた。2人目の職員が、笑顔で、1ヶ月のビザなら出せると答えた。その上、ナンナさんのパスポートはタイ国パスポートなので内国人のイミグレーション(一人もお客がいなかった)に行けと職員に言われて、3人がすぐにイミグレーションの前に立った。ナンナさんが母語のタイ語であるし、格別弁舌を振るったわけではないのだが、あっけなくイミグレーションを出て、カスタムも通って外にでた。 ああ、もう一つあった。昌がスパイスなど頼まれ品を比較的たくさん買い込んで紙袋に入れて、機内の持ち込もうとした。これは、関税上いささか微妙な行為であった。ナンナさんは、かなり重いその紙袋をトリバンドラムの職員に差し出して、正直に内容物を通告し相談した。そうしたら、職員たちが若干話し合った後、これを100ルピー(180円)を払って、ビニールで厳重に梱包して、何食わぬ顔をして関税を通れというアドバイスをしてくれた。スワンナブーム空港のカスタムはまったくフリーパスであった。 ナンナさんの言うには、航空会社は、どんな人が乗っても快適なフライトを保証しなければならない、食べ物の好き嫌いは誰でもあるのはとうぜんある、好き嫌いがあるからといって、乗客を飢えさせてはならない、金を払っているのだから、とうぜんこちらの要求を聞き入れるべきであると。 恐るべしナンナさん。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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