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![]() ニックはつくづく不思議な子である。 今日日曜日、ニックは昼過ぎに来た。車から降りてきたニックは、半べそをかいている。あまりご機嫌がうるわしくない。わけを尋ねると、原因はぼくにあるらしい。昨晩、ぼくはししゃもをニックに焼いてやるつもりが、ぐじゅぐじゅに崩れてしまって、ししゃもの姿をなしていない。食べてみて、不味くはないので、ニックも食べてくれたのであるが、ニックにとって、ちゃんとしたししゃもを食いたいという。そんなことを一夜明けて、昼頃になっても引きずっている。 ナンナさんは、午後から「セントラル」という大デパートに行って、そこで「Fuji」という大きな日本食堂に行き、そこでししゃもを注文しましょう、と折り合いをつけた。そうしたら、手のひらを返すように機嫌がよくなる。「手のひらを返す」ということをぼくが文字通りそうやって、表現したら、それが一族で大流行した。この子の機嫌がいい時の笑顔と鼻歌は喩えようもなく可愛いから困るのである。 ![]() 昼は簡単にした。4時ごろ、車で都心近くの「セントラル」に行った。「Fuji」は、いつ行っても人々は長だの列を作っている。ニック、ナンナさんとぼくの3人は番号札をもらって、じっと待った。中に入って注文した料理を思い出す限り列挙してみる。 海鮮スキヤキ(キャセロール=寄せ鍋)1個、すし5かん、ラーメン1個、餃子1皿、ししゃも2皿(6匹)、たこ焼き一皿(8個)、暖かい緑茶2本(シロップつき)、ご飯1個、キムチ1個・・・などである。あとは思い出せない。 ニックは、ししゃもを平らげた。一匹は「ダイソー」で買ったばかりの弁当箱に入れて持ち帰りとしたが、実は、外に出てホッカイドー牛乳を飲みながら、一匹のししゃもを食べてしまった。驚くべきししゃも好きであった。 不思議な子のニックが最近描いた絵を紹介しよう。彼はお姫様の絵しかかかない。不思議な絵である。どうやら「CINDERELLA」を描いたようである。背の高さまでケーキがある。英語で「お姫様ケーキ」と描いてある。シンデレラは15歳になったのだろうか?ぼくは不思議だと思ったのは、お姫様の顔である。どことなくファニーフェイスでおかしい。とくに目がおかしい。赤目で吊り上っている。実はこの絵、大作で、ケーキに細かい絵が描き込まれている。人々ばかりでなく細かい樹木や青空まで描かれている。あたかも一個の自然系がケーキの中に描き込まれている。ニック曼荼羅かなと思われる。写真ではカットされているが、左の隅に、ネズミの魔法使いのおばあさんが見上げてシンデレラに何か言っている。 ![]() ぼくは、ニックの手紙や創作物語で母親を愛していると書いてあるものはみた。ほんとに偶然だったが、ぼくがカメラを構えていると、ニックは確かに「ラク ママー」(ママ愛してる)と言ってキスをしているのを初めて見た。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.09.04 23:34:55
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