|
カテゴリ:カテゴリ未分類
月曜日の朝、「ママー 今朝 ぼく レイジー」とニックはいう。いつものことであって驚くことではない。それからややあって、「ママー ぼく ドゥ ロムしたいなー」と。ナンナさんはびっくりして言った。「ニック ニック! あなた どこでそんな言葉 覚えたの?」
「ドゥ ロム」とは、日本語(東京語かな?)で「ふける」(学校からトンズラする)というタイ語の隠語である。ぼくの方が驚いて言った。「お! 『ドゥ ロム』? 日本語では『ドロン』と言って、忍者が姿を消す時に煙とともに漫画に書き込まれるオノマトペーだよ 学校に行かないでずる休みすることも『ドロンする』という」。ナンナさんはそれを聞いて大笑いしながら、言葉の一致に驚いていた。 その話のついでに、彼女は打ち明けた。 「ヒカルゥは『ドゥロム』したことある?(ぼくは首を横に振る) わたしもないのよ一度も でもノイ(ナンナさんのお姉さん)が15歳の時に、一度だけあるのよ ノイが学校に行かない―とても美人だったからそういうことがあったことは理解できるわ―町をブラブラ歩いていたのよ そしたら ポリスに逮捕されたの 逮捕されて 学校に連れて行かれたの そこで先生に鞭でお尻をペシと叩かれたの ノイの言うにはね お尻をペシっと叩かれたことより 痛かったことがあった 学校に連れ戻された時 大勢の男の子もまた『ドゥロム』した廉で 先生の前に行列を作っていたの みんなお尻をペシペシ鞭でたたかれているの ノイだけ女だったの その恥ずかしさで もう二度と『ドゥロム』しないって 心に誓ったというの」 ぼくはノイの気質と風貌を思い浮かべ、大笑いをした。ノイならやりかねないと思った。同時にナンナさんはできないだろうなとも思った。 「わたしたちの父はそのことを未だに知らないと思うわ とても厳しく怖かったから 母は父にそれを報告していないと思うわ」 ニックの「ドゥロム」は成功したかどうか、未だにその詳細は報告されていない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.09.05 18:00:09
コメント(0) | コメントを書く |