関係力（相対性）経済学RELATIVITY ECONOMICS

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  ネットワーク社会　追伸追加

  近頃大変稀なことであるが、庭以外一歩も外に出なかった。体調が悪いのではない。まず、暑い。次に本を読みたかった。 現在、Manuel Castells のThe Rise of the Newtwork Society 1996（第2版は2010年。長い序文がついている）を読んでいる。約６００ページほどある。 １９９６年というと、ぼくが本格的に自分のウェブサイトを開設した時期にあたる。そのころ、ＡＫＩＲＡという町のちいさなプロバイダーからサーバーを借りて、１０メガバイトしか無料の割り当てがなかった。それでも、自分が出版社を経由しないで、自由に発言でき、また読者と自由に交流できることを大変喜んだものである。これは、貧者、無名者の大きな武器になるであろうと予見していた。 それまでは、ぼくは個人紙「THE HUSKY VOICE」を発刊し、友人に郵便局を通じて、配布していた。原稿は、ワープロ専用機（ミシンで有名な会社の機種だった）を使い、後にＰＣのワードに当たるソフトを使って書いた。手書きの「ガリ版」（これも死語に近いなあ）ではなかった点が時代を先駆けていた。ただし、「商業電子メール」であるニフティに加盟して、メール交換や、メル友のオフ会（一度も出たことがない）が行われていた。阪神淡路大震災との時、東芝のノートブックＥＺを用いて、ニフティに「電子会議」を立ち上げて、ボランティアとして全国全世界にニュースを発信した。しかし、それはまだインターネットに繋がれる以前の話で、きわめて狭い範囲の発信であった。 それから見ると、同じ年の夏、ウェブサイト（ホームページ）でイラストや写真を貼り付けられた時の感激は一入であった。しかし、友人たちのほとんどは、ウェブサイトを知らなかった。まして検索エンジンというものを知らなかった。まだＧｏｏｇｌｅがこの世に生まれていなかったので、ｙａｈｏｏがその役を務めていた。何度でも恨みがましく書く（彼らの口からいまだに一度も自己批判の言葉がない）が、当時ぼくの身近にいて、現在大学で教鞭をとっている教授たちのインターネットの理解はもうお話にならない貧弱で反感・軽侮・憎悪に満ちたものであった。まして学生では１、２のオタクを除いて、まるでインターネットの知識がなかった。だから、そういう時代の制約で、ぼくのウェブサイトがぼくの身近な人にさえ知られるということはなかった。家族でさえ、ぼくのウェブサイトを嫌っていた。 そうした中で、１９９６年にカステルスがこのような「ネットワーク社会の勃興」という本を書いたこと、その矛盾と未来を洞察していたこと、驚嘆に値する。どうもぼくの尊敬して止まない南克己名誉教授もカステルスから影響を受けているのではないかと思う。 追伸：孫正義氏が、講演で、東日本大震災の被災者の感想で、もっとも困ったことは食料や水・住居のことよりも、携帯が全滅したことである。ここに孫正義氏の会社が使命感をもって、震災復興に力を注いでいる理由があると述べていた。この指摘は、きわめて重要である。もっとも必要なことは、やや孫氏の我田引水を割り引いてみても、「関係」relationshipsであって、この喪失が、死に匹敵することが強調された。そこで、孫氏は、それにしても、携帯が使える物的保証は電気であって、この電気の途絶は人々の死に直結する。そこで彼の減反＝休耕田にかんする「電田」提案、東北の塩水を被った土地を発電ゾーンにして、原発は新たに作らない、発電は全量有償で電力会社（東電）が４０年間買い上げることの提唱を行っている。今回の大災厄の後一所懸命勉強して考えが変わった、ということを何の恥じらいもなくいいのける謙虚な態度である。これはなかなかできることではない。この講演はぜひ一度お聞きになっていただきたい。 【写真：最近購入したうつぼ系の食虫植物二鉢。見にくいとは思うが矢印のあたりにそれがある。熱帯に来て、この植物が欲しかった】

  2011.05.24

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  タクさんとジェイク

  タクさんとタクさんの男友達のジェイクとが、タクさんの車で来訪した。ぼくは二人とも初対面である。 タクさんは、ＢＫＫとは異なる県に住んでいる。名刺によれば「ヘッドハンター」とある。こういう職業がこの国にあるんだ、と少し驚いた。タクさんはＮさんより４歳ほど年上で、もともとＮさんが働いていた外資系の会社の同僚だったという。タクさんの英語は、タフなビジネス・レディらしい感じを受ける。ジェイクとバンバンジョークを言い合うような感じである。その点、Ｎさんは性格もそうであるが、いいとこのお嬢英語で、対照的である。両者とも、ユーモアたっぷりのすばらしい英語の話し手である。 ジェイクは、ＵＫのノフォーク県ノーウリッチに住んでいて、車の修理やコンテナ貸し倉庫業を営んでいる。ＵＫ人に珍しく、非常に陽気で親しみやすい笑顔でウィンクしてジョークばかり飛ばしている。 言うまでもないことだが、ジェイクの英語はＵＫ訛りで、しかもイングランド中部の訛りが顕著であった。ぼくはマンチェスターよりも、中部のウォーリック県あたりの英語（シェークスピアがしゃべっていただろう訛り）で英語を覚えたので、とても懐かしく、聞きやすかった。彼らは、最初から、打ち解けた態度で現れ、彼らとはそうとうどぎついジョークも可能であると直感した。だから、昼食に向かう途中の車の中は爆笑の連続であった。 わが家を案内したら、ジェイクは４つのベッドルームがあるということで「広い広い」と言っていた。客室のベッドルームを見せると、「ファンタスティック＆ビューティフル」と叫んでいた。とくにレストルーム（シャワーとトイレ）が３つあって、一つは外から入るということに、驚きを隠さなかった。 タクさんは、タロット占い師サンさんのところに行こう、とＮさんに言っていた。どうやら、ジェイクも強制的に連れて行かれる模様である。ジェイクは「あんなものおれは信じない」と言っていたが、ぼくは「おれは信じるよ」と言ったので、４人でサンさんを訪れることが確定した。 絹の取引で、少しだけ商売の話が行われた。面白い展開があるかもしれない。 なおジェイクに「さん」をつけないのは、Ｎさんとタクさんは互いに名前の前に「クーン」を使って呼び合っているけど、ジェイクだけは呼び捨てになっていたからである。ちなみに、ぼくは「プロフェッサー・コイチ」と呼ばれていた。

  2011.05.22

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  タリンチャンイチバ

  庭のマンゴーの樹に次々と新緑の葉っぱが生えている。喜んでいたら、どうも虫にやられていると、ラエさんの診断であった。来週の水曜日、ラエさんの休日なので、彼が来て、マンゴーの樹の虫にやられている葉っぱを全部きれいに切り落とすとのこと。また、前庭の雑草も刈り取ってくれるらしい。 近所（といっても車で３０分）に、運河にタリンチャンTalling ChanイチバがあることをNさんが思い出してくれた。そこへ昼飯を食いに行こう、そういう約束で出かけたのだが、それは実に甘かった。この運河は、わが家のすぐ裏にある運河とつながっているという限りで近いのであった。着いてフローティング・レストラン（水上食堂）で食事したまでは順調だったが、その後、Nさんが舟に乗ろうといって、さっさと予約してきた。 舟の運河巡航は３時間かかる。暑さにうだりながらあちこち上陸しているうちに、Nさんが、客の一部の態度が気に入らないといって（この人は決して喧嘩しない）、第３番目の上陸のとき、そこで舟と別れて、タクシーに乗って、タリンチャンイチバにもどってきてしまった。 このイチバで、熱帯の食虫植物であるうつぼ系の花を二鉢買った。ぼくは、疲れきって帰宅して、すぐにベッドに横になって寝てしまった。目が覚めたら、夕食の準備をしておいてくれて、Nさんとニックは帰宅していた。 【写真：レストラン自身浮いているのだが、その側に舟がやってきて調理してくれる。豪快な魚の塩焼き。魚焼きのお姉ちゃんと大きさを比べていただきたい。もちろんこのほかに舟ごとに異なる料理が食べられる；日本語が少し話せるガイド（帽子を被った女性）に焦点を合わせたつもりが、すぐ後ろの日本人のきれえな姉ちゃん二人を撮ってしまった；運河沿いの民家】

  2011.05.21

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  気まぐれクレジットカード

  午後から、月末の諸支払いと食料買出しにザモールThe Mall Bangkaeに行った。 まず、電気料金と水道料金を支払った。ザモールの近くにある公共料金の支払い所に行った。電気代が普段の２倍ほどであった。これは、ニックがわが家に入りびたりだったからである。ニックの部屋と化したリビングで朝から夜まで、ＡＣを付けっぱなし。夜はぼくの寝室でＡＣを付けっぱなし（ぼく一人のときはＡＣを消して扇風機を付けっぱなしにいている）。こういう状態で、電気代が跳ね上がった。 次に、ザモールに行って、トルゥ（True）というインターネットやケーブルTVに関わるＩＴ通信の諸支払いをした。このとき、ＤＣカードが使えなかった。ＤＣカードはいつも調子が不安定でこういうことがしょっちゅう起こる。そのたびに顧客サービスに高い電話料金を払って抗議する。Ｎさんが払ってくれた。これについて後でお返しする。そして、ザモールのスーパーマーケットに行って、写真のようにカートに山盛りに食料を買い込んだ。そして、さっき撥ね付けられたＤＣカードを使ってみた。難なく使えた。ほんとに気まぐれである。 ＤＣに電話すると、たいがい、「お買い物をなさった会社がセキュリティに引っかかって支払い拒否の信号を送ってしまいました　そのセキュリティを外させていただきます」という回答が常である。先例では、ユナイテッド航空の切符の支払いが拒否された。現に世界をまたに駆けて飛んでいる航空会社をセキュリティに引っ掛けるとはいい度胸をしている。今回のトルゥはタイ国最大規模のＩＴ企業である。これをセキュリティに引っ掛けているのである。 怒りがこみ上げてくる。ＤＣはザモールのスーパーの方がトルゥよりも信用できるというのか！しかも、先月は、トルゥでカード支払いができたのである。気まぐれというしかない。 ザモールのＧフロアで、南ＴＨ国の物産展とステージ（子どもたちの踊り）を演っていた。こんなかわいい踊りを見たことがなかった。女の子が闘鶏の２羽の雄鶏に扮し、それぞれ雄鶏の持ち主に当たる小柄な男の子がついている。踊りというか、闘う模様、休む模様、休んでいるときに、男の子が雄鶏（実は美少女）に知恵を授けて風を送っている模様、どれをとってもタイ式ボクシングの様子を見ているようだった。それが顔も姿もとてもかわいいし、色彩が美しい子どもが演るのである。ＭＩＸＩの動画に登録するのでごらんください。 帰国の日が近づいてきた。明後日、イギリス人（男）とＴＨ人（女）の訪問を受ける。どんな話の展開になるやら、楽しみである。

  2011.05.20

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  ある政見

  写真は１７日、ナショナル・スタディアムで歌った日本人歌手である。タイ語で挨拶をしていた。何という名の歌手かご存知の方教えてください。同じく１７日、ナショナル・スタディアムで、熱中症の二人を救った「ジュース」。１８日（水）、歯医者に行って、治療中の歯の総仕上げをしてもらった、次に行くのは３ヶ月先の１０日（or　１１日？）である。これは、定期健診のようなものである。ニックは１８日から、顔をしかめながら学校に通っている。ちなみに、ニックの学校はカソリック系私立で、敷地がものすごく大きい、幼稚園から高校まである。ナムがここの出身である。ニックの家から割合近い。といっても、毎朝夕、親や叔母の車で送り迎えされているのであるが。１９日（木）、６月３日投票日の総選挙の舌戦が切って落とされた。政党番号を引くために、党首が、タイ―日本スタディアムpattanapong hirunard というところに集まって、籤を引いた。第１党のプエタイ（赤シャツ）の代表が引いたのであるが、それはナンバー１であった。サポーターが狂喜乱舞のようすであった。党首の美女インラック・シナワトラ（ちなみに彼女は国外追放中の前首相タクシン・シナワトラの妹）の嬉しそうな顔がTVに映った。次に、第２党の民主党党首美男アプシット・ヴェッチャチラ（黄シャツ）が壇上に上がり籤を引いた。ナンバー１０であった。全部で２０ぐらいある政党が籤をひいた。その中で、第１党が「１」、第２党が「１０」というのは、できすぎた結果であった。ほんとにこれって公正なくじ引きなのだろうか？（写真はBKKポスト２０日付から）ちなみに、Nさんの政見を紹介しておこう。ぼくがどうも赤シャツびいきのようなところがある（ぼくは平等に見ているつもり）のを察知しいるかも知れないが、次のようなスタンスである。「わたしは赤シャツ黄シャツいずれでもないわ　赤シャツは一部では嫌われているけど　わたしは赤シャツ派の多くは喩えようもない貧困に喘いでいることをよく知っているの　とくに農民がすごいの　ヒカルの国とは正反対よ（彼女は日本は　農民の方が豊かであると信じている）　彼らが赤シャツになるのはよく理解できるわ　民主党はおおむね中産階級の政党よ　中産階級こそこの国の経済開発の牽引力だと信じているの　だからわたしの階級と一致しているわ　だからといってわたしはアプシットを支持しているわけではないわ　アプシットは美男よ　でもそれと政治とは別だわ　わたしは政治に何を望むかというと　腐敗根絶よ　政治の腐敗がある限り　この国の真の人間的な開発は不可能と思うの　赤シャツとドクター・タクシン（彼女は国外永久追放になっている前首相タクシンに必ず「ドクター」をつけていろいろなタクシンと区別している）との結びつきがある限り　腐敗はなくならないと思うの」だいたい以上がNさんの政見演説であった。そして付け加えるように「わたしは政治に関心があるわけではないの　深い政治の動きはヒカルの方がよくご存知よ」と。

  2011.05.20

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  テイク・アクション

  Take Action in Thailandと称して、田植え祭りの満月の日、学生の夏休み最後の日、サッカーの日本スターチームとタイ国スターチームとの対戦が、ＢＫＫのナショナル・スタジアムで行われた。 ニックも夏休み最後の日とて、非常に朝早く超上機嫌でわが家にやってきた。「ニポン・スースー」（日本ガンバレ）と叫びながら現れた。 切符を予約していなかったので、６時開始にもかかわらず、２時半にスタジアムに行って、切符を買って、入場した。試合開始までたっぷり３時間あった。この真昼時の猛暑。喩えようもなかった。ＴＨ人のニックとＮさんがまっさきに熱中症になってしまった。ぼくは、平気なのである。この点、いつも思うのだが、現地の人よりも適応能力が高く、暑いとは感じるけど、熱中症にはならない。ニックは甘い冷たい水（ジュースと称されるがジュースではない）を二袋買って、頭に載せていたが、それでも耐えられず、玩具の扇風機を買ってもらっていた。そして、二人はしょっちゅうトイレに行って、頭に水をかけて、水だらけになって帰ってきた。 ぼくらの周囲はみんな日本人家族で、日本語ばかりに取り囲まれた。ニックが「ニポン・スースー」と言うと、目立つぐらいだった。そして、日本の応援席はぎっしり満員になった。 試合？ ばかばかしくて、書く気もしない。２対２の引き分けであった、とだけ書いておこう。ただし、日本チームのために言い訳を書くとすれば、まずＴＨ人が熱中症になるこの暑さである。もう一つ、芝生が深すぎること。この二点で、日本チームのパスは通らず、ことごとにカットされてしまう反面、ＴＨチームの俊敏な動きが目立った。よくまあ、引き分けに持ちこたえたとほめてやりたい。 試合は８時ごろ終わったので、涼しくなっており、ニックも機嫌を回復して帰ってきた。これで、しばらくニックとのお付き合いが遠のく。

  2011.05.18

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  子どもに認知された鯉のぼり

  この国について、すぐに車を運転したのだが、その当初、非常に怖かった。一般道路でも１００キロを人々は平気で出すということに怖かったのか、Ｕターンシステムに慣れないために怖かったのか、やたらにあるマカロニ（スパゲッティ）ジャンクションに入るときどこに入っていいか分からないから怖かったのか・・・考えている。すっかり慣れてしまった現在、余裕で運転できるのだが、ふと思うことは、当初ぼくはこの国の運転手を信用していなかったから怖かったのではないかということである。前を走っている車の運転手、隣のレーンを走っている運転手、信号待ちをしている運転手、ことごとく不信の目で見ていたのではないかと思う。やつらは何をするか分からん、と思うほど怖いものはない。つまるところ、ぼくは、周囲の運転手はすべて日本と同じような法規、マナーで運転していることがよく分かったので、現在余裕なのかと思う。「信頼」が車社会でもその基本である。５月１３日にわが家内外の敷地内に咲いている花を数え上げたら、２６種類あって、翌日、さらに２種類咲いているのを見出したので、２８種類となった。その後、贈り物として蘭の花が３鉢届けられて、その上に、小さな庭のバラが２種類咲き始めたので、合計33種類の花が咲いていることになる。これらは根のある花で、切花ではない。５月５日に、ブーたれニックを連れて、ダイソーに行き、鯉のぼりを買ってきたことはすでにご紹介した。その時、子どもの日を輸出したと書いたのだが、厳密には、自己満足に過ぎなかった。ぼくは危惧していた。鯉のぼりを青空に泳がせるという構想は日本が世界に誇るべき風習であると思うのだが、他国の人から見ると、鯉の干物をぶら下げているように見えないだろうか。とても気味の悪い風習であると。こんなものをぶら下げていると、近所から苦情が来るのではないかなあと心配していたのである。今朝、いつも家の雑用をやってくれているラエさんが、門のブザーを押して来訪した。Ｎさんが、たまたま出てくれた。彼女の報告によると、ラエさんが、鯉のぼりを指差して、これはどこで売っているのかと尋ねに来たという。ラエさんはムラ人に頼まれて来た。このムラの子どもたちに、あんな鯉のぼりKoi-carp flagが欲しいと言われて、親たちが買いに歩き回ったがどうしても見つからない、ぜひ買ってやりたいので、どこで売っているか、と。どうやらこの家にはＴＨ語をしゃべれない日本人が住んでいるので、ムラ人は聞きに行きづらい。日本人宅に出入りしているラエさんにメッセンジャーを頼んだというわけである。もちろんＮさんが得意げに「ダイソー」という店を教えた上げたのは言うまでもない。ぼくは心からほっとした。この国の子どもの目に、欲しいと思わせるものが鯉のぼりにあるのだ！

  2011.05.16

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  my Birthday celebrated last evening

  i am happy, so happy. i have had a new family since my arrival at BKK despite the lack of blood relationships. our most important glue between the new family and me are Nanna san and Nick. i have been like a deaf here coz i cannot speak Thai at all. i thought they might have a heart of pity to me as an old handicap. But it is not an appropriate word. they have had originally a Compassion like Buddha. their Compassion involves me into their warm breasts. i have begun to love them more and more. its true that i have frequently made quarrels with Nanna san and nick. our fights are found later to come mostly from my misunderstandings due to my poor language and my personal faults. thank you thank you so much. i love you all forever and love me forever too.

  2011.05.14

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  バカだった

  バカだった・・・ そうだよ うむ・・・ この１年間、日本に帰国したのは３回で、つぎに帰国は６月１日で第４回目の帰国になる。この間、非常にバカなことをし続けてきた。 日本に帰国の度に、ぼくは往復航空券を買っていた。日本在住人のように・・・ということは、ＴＨ国に「行く」日を決めて、３ヶ月先の日本帰国の往復切符を買っていたということである。ＴＨ国に３ヶ月滞在する・・・そういう感覚である。事実としてこの感覚に間違いがない。しかし、経済的にはバカな感覚なのである。 同じことを逆に考えるべきであった。あたかもＴＨ人のように、日本に渡航して１週間滞在する。ＢＫＫからＮＲＴで１週間後のＮＲＴからＢＫＫの切符を買う。これが圧倒的に安い。チケット代だけならどうかすると２万円台で買える。上記のように、３ヶ月４ヶ月先の復路の切符を往復買うと、バカ高いものになる。どうかすると１０万円を超える。いままでそうしてきた。 これがバカだった。 こちらの懇意にしている旅行社「アエロインターナショナル」に相談したら、とりあえず、日本の旅行社から、ＨＮＤ→ＢＫＫの片道切符を買いなさい、次から、私どもで手配をするＢＫＫ→ＨＮＤ・ＨＮＤ→ＢＫＫの往復（１週間～１ヶ月滞在）チケットをお求めください。 どうして、そういうところに気づかなかったか。 固定観念の恐ろしさ（すこしも恐ろしくないけど）であった。

  2011.05.13

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  いいかげんな　あくまでいいかげんな

  本日は○○才最後の日である。 Nさんの決意は変わらない。ぼくの○○才のうちに、全部できることはやっておこうという決意である。 一昨日は、ビザの延長をこの国に居ながらにして実現した。来年の３月６日までの期限である。ぼくが最後にこの国に入国した日が３月７日であった。入国のとき、空港のイミグレーションが、１年間のビザをくれたのである。それに気がつかなかった。一昨日、こちらの入管に行って、ビザ延長を申し込むと、その空港でのビザを見て、延長の必要がないという。ぼくは、そりゃ困ると訴える、そういう押し問答があって、入管の女性の丁寧な説明で、ぼくが必要なのは、リエントリーの手続きだけで、ビザはそうとう日数残存すると。そういうわけで、３８００B（￥10680）を払って、ﾊﾞﾝッ　と印を押されておしまいであった。この手続きもまったくいいかげんなものであった。 今日、運転免許証の取得のために、しかるべき役所に赴いた。驚いたいい加減さから順に書くと、 １）Nさんが、「えっと　クリニックがどっかにないかなあ」ときょろきょろしながら、運転している。大きな道路の端に小さなクリニックを見つけて、そこに飛び込んだ。健康診断書を書いてもらうためである。 ２）Nさんが事務員にるる説明して、すぐに血圧測定してもらった。正常。すぐに医務室に呼ばれて行った。ぼくのTシャツの上から、乳房の辺り２箇所（乳房は２箇所しかない）聴診器を当てて、書類にサインをしてくれて、はい、おしまい。診断書のお値段は６０B（￥１６８）。もう少しお金を取られないと、１６８円では、偽者かもしれないと疑われないだろうか。 ３）それとNさんがあらかじめぼくのファイルからコピーして準備してあった書類を抱えて、免許証交付所に行った。たくさん人がいた。雰囲気は、日本と大して変わらない。さらに書類書かされ、パスポートや日本発行の国際運転免許証とを添えて、提出。いよいよ実技テストの段取りだった。ぼくはそうとう自信があった。ところが会場に行って、完全にびびった。シミュレーションのペダルが二つと、何に使うか知らないボタンの器具。椅子の前には、原始的な箱が置いてある。ＴＶで外人向けの説明をしてあるのでよく予習しろと言われて、見たのだが、わからない。そういう不安を抱えて、椅子に座らされた。電気椅子に思えた。原始的箱に赤と緑のランプがついた。それにしたがって、ペダルのアクセルかブレーキかを踏む。その反応時間がある限度以上だと不合格である。頭では、これは分かったけど、それに適応できない。一回テストをやったが、不合格。もう一度やりましょう。もう一度やってもぼくには不合格に見えた。でも、次のテストに移された。同じ椅子に座って、原始的な箱を覗く。割り箸が二本立っていて、それがどうなら、ボタンのどれを押せばいいのか分からない。そこで、テストの方法が変わった。ボタン押しでなく右手を上げろという。そしてまたテストが始まったが、いったいどうなったら右手を上げるのか分からない。 この間、わが秘書は何をしていたかというと、一所懸命ぼくのすぐ側で通訳したり、「今よ！（ブレーキ）」と叫んだり、汗だくになっていた。カンニングもいいところである。二本の割り箸を使ったテストに至っては、試験官（女性）が二人もぼくのテストのために、全身のジェスチャーで「今だ」というようなことを言う。ぼくは、何がなにやらわからないまま、右手を上げて見た。 明らかに室内の大勢のＴＨ人全員から安堵のため息がもれた。みんなぼくに好意的に注目していたのである。なんていいやつらなんだろう。 「合格」したのである。うそ～～～～ぜったいに　うそ。ぼくは　不合格である。 こんないい加減な運転免許証で運転していいのだろうか？まだ、日本の国際運転免許証の期限が一ヶ月あるからいいようなものの。 【写真：免許証取得の帰り道、お祝いにママーお気に入りの中華料理店で昼食をした。そのレストランに３人の赤ちゃんがいたが、この男の子が明日１歳の誕生日だそうである。母親がぼくに赤ちゃんを押し付けて、抱かせて、長寿を祈っていた。ハハハ】

  2011.05.12

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  ハッピー

  一昨日５月１０日の話である。パヤタイ病院で受けていたぼくの歯の治療がひとまず終了した。ぼくは、アンクル先生（Dr.Angoon）にたいして、「サンキュ　サンキュ　ソーマッチ　アイム　ハッピー」と礼を言うと、「アイム　ハッピー　トゥ」とにこやかに答えながら、メインテナンスに来週も来ることを約束させられた。この病院が気に入っているので、嫌ではなかった。そうやって、支払いを済まそうと、カウンターにカメラを置いて、鼻歌を歌いながら、計算を待っていた。 日ごろから、笑顔が美しいナースや事務員たちである。計算中の女性が、目でカメラを見やりながら、遠慮がちにもごもご言っている。見ていたＮさんが、よってきて、「写真を撮ってくれ　と言っているのよ」と。ぼくは大きく頷いて、彼女にレンズを向けた。 ところが違うのである。一緒に撮ってくれという。おお　彼女はぼくのファンなんだな、そう自惚れて、「ＯＫ　カム　カム」と言うと、どこで見てたのか、ぞろぞろと男女が集まってきた。そしてＮさんのシャッターで一緒に写真を撮った。 Ｎさんは笑って言った。「ヒカル　トップスターね」。（じつはこの写真の遠巻きに用務員の女性たちが写っているのだが）「火曜日の彼女」とぼくが呼んでいるシロフォニストの美女にレンズを向けると、取って置きの笑顔を見せてくれた。 ハッピーである。

  2011.05.12

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• 大きな親切小さな親切

  ５月９日、都心の入管からタクシーを飛ばして、チェンワッタナにある政府の新庁舎に行った。ここで、書類に記入して、リエントリーの手続きを完了したのは、受付閉庁５分前であった。あっけなく、バンとスタンプを押してもらって、６月１３日まで有効のぼくのビザが来年の３月６日まで延長された。３８００Ｂ支払った。なぜこんな半端な日にちになったか、書くと長くなるので、省略する。しかし、６月１３日までに、日本でタイ王国大使館に通って、ビザの延長を申請しなくてすんだ。約１０ヶ月のビザ延長をこの国で保証されたからである。Ｎさんに、繰り返しお礼を言って、再びタクシーを拾って、都心の「マクロ」（スーパー）に停めてある車にもどろうとした。庁舎の玄関でタクシーを待っていた。ぼくの前でタクシーを拾った比較的高齢に見えたが、白人外人が、乗車拒否されていた。彼は、非常に失望している様子で、「ぼくはもう二度とこの国にもどってこない」とつぶやいた。そこで、ぼくは話しかけた。「どうしたのか？事情を言ってみてくれないか？」彼は、言った。「この国は乗車拒否は違法ではないのか」と。ぼくは、「違法ではあるけど、彼らにも事情がある。渋滞に巻き込まれると、タクシーの運転手の生活に関わる。そうしたばあい、拒否することがある。それより、こんな辺鄙なところにどうしてきたのか？」そうしたら、ヴィヴィアンと後に名乗ったその男は「サムイでパスポート、現金、クレジットカードなど貴重なものすべて盗まれた。だからここでパスポートに代わる書類をもらいに来た」ここから先は、Ｎさんの独壇場になった。Ｎさんは、割って入ってきて、「それはそれはお気の毒　どうかＴＨ国に二度と来ないといわないで下さい。わたしたちがあなたを助けます。ホテルに帰るのですか？どこ？『エイシアンホテル』私、知ってます。わたしたちも都心に行きます。では、私がタクシーを捕まえますから、ご一緒しませんか、よろしかったら？」彼は、地獄に仏に出会ったような顔になった。青い目に涙さえ浮かべていた。Ｎさんは、現地人らしく、巧みにタクシーを捕まえ、都心に行かせるように説得して、３人は乗り込んだ。高速を長々と走った。その間、Ｎさんは、サムイでの出来事、どんなに困ったかをヴィヴィアンから聞きだしていた。そして、彼はＵＫ生まれの弁護士兼会計士で現在オーストラリアに住んでいること、などなど全部聞き出していた。そして、このタクシーは「マクロ」まで行くが、心配しなくてもいい、そこに私の車が待っているので、それに乗って、エイシアンホテルにヴィヴィアンを連れて行ってあげると安心させていた。タクシーの中で、ヴィヴィアンは「さっきの『二度とこの国にもどってこない』という言葉を取り消す。この国が大好きになった。必ず、もどってくる」と繰り返した。そして、Ｎさんの英語のすばらしさを賞賛したのである。タクシーの運ちゃんに、このヴィヴィアンをスワンナブーム国際空港に送り届ける予約をさせて、ぼくの名刺に彼女の携帯番号を記入して、「どうか心配しないで　何かあったらここに電話をしてね」と念を押した。結局、ヴィヴィアンをホテルまで送り届けて、ぼくらも、人から受けた大きな親切、ぼくのビザの事実上の無期限延長、そして人に小さな親切したことを胸に抱きながら、遅い帰路に着いた。別れるとき、ヴィヴィアンは、Ｎさんの両の手を押し抱くようにして手に包み、顔を埋めるようにして、彼女の手にキスを繰り返した。ぼくに向けては「プロフェッサーのグッドラックを祈る」と言ったヴィヴィアンの顔を見ると、はっきりと涙があふれていた。

  2011.05.11

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  捨てる神あれば・・・

  日本にいても、歳の割には多忙な人間だったが、ここに来ても、この１週間、超多忙な日本人に成り下がっている。 ぼくは日記について速筆の方だと思うが、書くことが多く、その日はおろか、２日遅れが多くなっている。つまり書く暇がなくて、事態の進行に追いつけない。 今日も一昨日（５月９日月曜日）の話になる。暇がないので、申し訳ないけど、Nさんの日記をここで翻訳させていただく、他人のふんどしで相撲を取るのは本意ではないが。Nanna, sorry but let me translate your touching diary yesterday here. ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 昨日（９日）、わたしは、悲嘆／パニック／絶望の情を同時に味わいました。こういうわけです。教授がバンコク都心のスアンプルにある入管で新ビザを取得するために車を運転する必要があったのです。そこにはカースペースが十分になかったので、スーパーマーケット「マクロ」に行って、車を駐車しました。んんでもって、そこからタクシーで入管まで行き、まず係官に接触しましたが、残念なことに新ビザ申請は、はるかに遠い（ドンワイ空港＝国内飛行場の近くの）チェンワッタナ支所！！に移転していたのです。空しく家にもどろうとしました。しかし・・・悲　悲　悲・・・車のキーがありません・・・おおおおおおいったいどこに行ったの？？？ コイチ教授は私に言いました・・・ナンナ、どうかあきらめないで、それを探そうよ　いいね？？！！ それから、わたし達は麺食堂にとって返しました。そこで昼食をとったのです。最初のビル、次のビル、でも　ありません！！ まもなく、最初のビルからある女性が私のところまで歩いて出てきました。「どうかあそこの門衛詰め所で尋ねてみたら？」と。　わぉ～～わぉ～～わぉ～～（詰め所の壁に私の車のキーがぶら下がっていたのを見出しました） わたしはだんだん落ち着きを取り戻し始めていました。 わお～～～～～～～～～～～～～～～なんと　タクシー運転手がこの交通混雑のなかにもかかわらずわざわざもどってきたのです・・・私は取り戻せたのです。私は守衛に彼の名前または携帯の番号を尋ねました・・・何も手がかりがありません・・・私はも一度彼に会いたい、そして言いたい。 「ありがとう　心から」 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ この感動的なストーリーに漲る（みなぎる）のは、人々（お役人とタクシーの運転手）の善意なのである。これを引き出したのは、ぼくは、Nさん自身であると信じている。Nさんが、どこに行っても、誰と話しても、ユーモアと誠実さをもって応対するからである。たとえばタクシーに乗ったとする。降りる頃には、運転手と１０年の友だちにだったかのような雰囲気になる。どんな仏頂面の運転手でも２度や３度笑うのである。役所に行っても役人とそういう関係になる。例外がない。ニックにも見られる特技だが、驚くべき天性というしかない。 Nさんが、ぼくについて、こういうことがある。「ヒカルの人に対する態度は　誰にでも同じね　階級・年齢・職種・性別　かかわりがないわ　平等に暖かいの　それ　いつもすごく感じるの」と。 言われると照れるのだが、じつは、ぼくがNさんから、ここで（ＴＨ国で）学んだ最重要点なのである。ぼくがＮさんにこそその指摘をしたいのである。　 車のキーだけでなく、勇気元気をもらったＮさんは、疲れたので自分の車ではなくて、閉庁時間も迫っているのに、チェンワッタナ支所に行って新ビザ申請をしようと、タクシーを拾った。高速道路でタクシーを飛ばさせた。そして、無事、ぼくはリエントリーが来年の３月６日まで保障された。これについては後に書くが、この帰路に、ぼくらはＵＫ人、オーストラリア在住の弁護士・会計士、オックスフォード大出身の白人男性を助けることになる。 【写真：政府のチェンワッタナ支所の広間。驚異的な広さ。何にもない屋内空間】

  2011.05.11

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  どぶ板結婚式　（２）

  結婚披露宴は日本とほとんど同じだなあと感じた。ただぼくの過去出席したことのある披露宴の中では、最大級の人数であった。会場に入った人数は３００名以上。その外に大勢の人々が押しかけていた。 披露宴は、夜の７時から、場所を地域の公民館のようなところに移して行われた。ぼくらは、それぞれ家に帰り、休憩をとった。ぼく自身、持参した一張羅のスーツと黒の革靴に着替えた。 舞台に向かって、右側が新郎の親族、左側が、新婦の親族、後ろの方が友人・ご近所で、席次も厳格に決められているようだった。面白いと思ったのは、親きょうだいはちゃんと末席に座っていた。ぼくら（Ｎ一族：ノイさん、ナムなども加わる）は、舞台から２番目のテーブルで、ぼくの席次はその中でももっとも上席であった（披露宴ではカメラは二の次だから）。こういう位置はとても苦手なのだが、絶っての勧めを断れなかった。つまり、会場列席者の中で、最上席にいた。 披露宴は、プロの歌手（男女）が長々と前座的な歌を歌っていた。いつ始まるのかよくわからなかった。食事がどんどん運ばれていた。ペプシやジュースやジョニ赤ラベルなどがどかんとテーブルの真ん中にどかんと置いてあった。 やがて、入り口近くでお客を迎えていた新郎新婦が司会の男女の歌手に呼び込まれて、舞台に登場し、いろいろな贈呈式があり、ケーキへの入刀式があり、若い未婚の女性（３,４歳ぐらいの少女もいた）が指名されて舞台近くに集まってきて、花嫁のブーケが後ろ向きに投げる式も行われた。 その後、歌手の歌が続き、親族・友人の飛び入り（これは事前に根回しが行われていない様子だった）が２，３あった。 披露宴の途中、新郎新婦が各テーブルに回って、お礼の言葉と写真に納まっていた。ちなみに、新郎の一族は極端に人数が少なく、４０人ぐらいであった。そして、着ている物が格段に上物で、肌が白く上品であった。つまり、階級と人種のちがいを見せ付けていた。この点はプラサーさんが解説してくれたので、別の機会に書くこともあるかと思う。 スピーチやビデオ紹介、友人たちからの出し物などまったくなかった。友人たちは酔っ払って騒いでいるだけであった。ちょっと注意を引いたのは、二人ほどやくざの代表が来たことである。髪の毛が短く刈り込み、スーツを着て、濃いサングラスで、どこから見てもやくざ！という二人であった。きっと新婦のコミュニティを縄張りとするマフィアなのだろう（プラサーさんの解説）。 披露宴については、これだけである。

  2011.05.10

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  どぶ板結婚式　（１）

  心温まる結婚式であった。タッサニー（新郎）とサネルーン（新婦）との結婚式が、一昨日（５月８日）行われた。朝、５時半起き（６時ごろＮさん＋ニックが迎えに来た）、都心のチャオプラヤ川（タイ・スミダ川）のほとりのどぶ板横丁に向かった。ここがサネルーンの実家がある。どぶ板横丁とはぼくの命名だが、文字通り見るのもむかつく真っ黒なごみだらけのどぶ川の上にコンクリートの幅１．５ｍほどの通路があって、その両脇に民家がぎっしり集落を作っている。サネルーンの実家は小さなグロッサリー（食料＝駄菓子店）をやっている。店の奥に行くとこぎれいな２階建ての家屋がある。その一階の広間が結婚式場である。Ｎさん一族というより、ヒアさん一族の一員であるタッサニーくんが新郎である。故ママーが病院からもらってきて育てた子どもで血はつながっていないが、ヒアさんのおじさんに当たる「パパー」さんが親代わりになっている模様である。このパパーさんは、以前、ここでご紹介した超金持ちである。現金（預金）は聞いてみるとたいしたことはないが、１０億円以上。問題は（ぜんぜん問題ないのだが）、不動産である。チャオプラヤー川のほとりにすごいホテルを所有しているのを始め、いたるところに家作と土地をもっている。彼の住まいは、以前紹介した豪邸（どう豪邸か一々書くのがめんどう）で夫人（ママー）が２年前亡くなって以来、ママーの友人の女性が管理しているが、それが相当高齢でよぼよぼで、うまく管理ができないでいるから、やや荒れている感がした。だからか、現在若い女の子（ニックと親しい）が出入りして、家事の補佐をしている。この女の子は、今回結婚するタッサニーくんと同様、故ママー（彼女自身大金持ち）が病院からもらってきて育てた子である。彼女自身、都心に立派なマンションに住んでいる。１８歳という。新郎の係累で長老ということで、プラサーさんが代表格である。ぼくら（Ｎさん、プラサーさん、ニック）は式場に行く前に、いったんこのパパーの豪邸に集結した。ノイさんやナムはちょっと間接的になるので、早朝、パパーの豪邸には来なかった。チャオプラヤ川の西側にあるこのコミュニティを「どぶ板横丁」と呼ぼう。パパー邸からここについたころは、１．５ｍのどぶ板の両脇のすべての民家（なんらかの店）が開放されていた。そして、人々は思い思いに座って、ジュースや酒を飲んでいる。午前９時３０分頃、結婚式が始まった。カメラマンのぼくは、式の進行について予備知識がないので、ただおたおた被写体を後から追いかけるだけなので、日ごろの写真の腕が奮えなかった。どぶ板横丁総出で、エネルギッシュな、コミカルな、心温まる式が行われた。式は、一つのドラマになっているようで、花婿がその一族（われわれＮ一族）を従えて、貴金属と札束を持って（札束は本物であった。ただＮさんの観察では、貴金属の中には銅製のものもあったとか。未確認）花嫁を買いに行く。この一族を家の奥に招きいれ、花嫁の両親が金品を受け取る。父親が札束を公衆の前で数える。金品をピンクの風呂敷に包んで、母親が、それを肩に背負って、他の所に行ってしまう。この時、母親はもっと重そうに背負わなければならないとは、周囲の手厳しい批判があった。その後、新郎新婦は二人並んで、神聖な白い紐で結ばれる。列席者は、二人の腕をそれぞれ白い紐で腕輪を作って結んでいく。この時、列席者はお金を新郎新婦に握らせる。だいたい１００Ｂ（約２８０円）ぐらいが相場である。このお金を渡す行為は、いたるところで行われる。夜、始まった披露宴においても、新郎新婦にお金を渡している人が多数である。どぶ板の連中はむき出しのお金を渡していたが、Ｎ一族はピンクの封筒に入れて渡していた。実は、このお金を渡す行為は、新郎新婦からそれぞれ列席者にも渡されるのであって、ニックやＮさんは２０Ｂ入りの封筒を二つ（新郎新婦）もらっていたが、ぼくは１００Ｂ入りのが二つもらえた。周囲の人から羨望の目で見られた（もちろん囃されたのであるが）。ぼくは、紐結びのときはそれぞれ１００Ｂ、披露宴のときは、１０００Ｂ封筒に入れて二人に渡した。（続）

  2011.05.10

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  ウンタマン　ＴＨ国に生きる

  BKK名物の渋滞を通り抜けて、スワンナブーム空港に近い「ファッション島」（ビッグＣデパートに隣接）に行って、「ウンタマンショー」を観てきた。「ウンタマン」はＴＨ訛りの「ウルトラマン」である。 日本の大震災支援を謳っていることはすでに述べたとおりである。 会場がある「ファッション島」とは高級商店街である。非常に長い商店街が３階（３層）に亘って展開している。真新しいビルだから、どれも明るく美しい。世界のブランド商店がずらりと並んでいる。なんでもある。たとえば、水着の商店。スピード社の水着専門店がある。ぼくが欲しかった上下つなぎの水着（世界記録が出そうな）がなんと８０００円ほどでぶら下がっていた。Ｎさんに物欲しそうに言おうものならば、すぐ「買いましょう」となるので、黙っていた。この頃、彼女の買い物に「うん」と言っていない。「セーブ　ユア　マネー」というだけである。しかし、いずれここで上下つなぎの水着（スノーケル用）を買うぞと心の中で決心をしていた。 ショーの会場には、１０００人ぐらい入る座席が用意されていた。そこへ、主に男の子連れの親がわんさか押し寄せていた。ほんとにナンセンスな規制にぶつかって、ぼくの愛機ニコンＤ９０が入り口で取り上げられた（強制的に預けさせられた）。どうしてナンセンスかというと、より小型のカメラを持ち物に入れて、親たちは堂々と中で、カメラを取り出してバシバシ写真を撮ったりしているからである。なぜカメラを没収するのかとぼくは尋ねたら、「日本のエイジェンとの指導です」と。けちなことを言うな、「日本のエイジェント　ＴＨ人はちゃんと抜け道を知っている」。ほんとに腹が立った。だから、中の写真はほとんど撮っていない（Ｎさんのニコン・クールピックスで撮った以外は・・・へへへ　ざまぁみろ　おいらも抜け目ない）。 狂言回しのきれいなおねえちゃんの美しいＴＨ語で、舞台が進行し、ウルトラマンが怪獣にやっつけられる。とくに、「ヒカリ」が魔術にかかって、ウルトラマンを裏切って怪獣側に立って戦いを挑んでくる。ウルトラマンの失意と悲しみ・・・いかばかりか・・・ 子どもたちも「し～～ん」となる。きれいなおねえちゃんは、「ヌン　ソン　サン（いちにさん）ウンタマン　すー　すー」（いちにさん　ウルトラマン　がんばれ～～～）と子どもたちを煽る。ぼくの周りにいる子どもは必死になって叫んでいる。そうすると、ウルトラマンがだんだん元気が出てくる・・・・最後はどうなるか？　んかと　もうお分かりでしょ。ウルトラマンが８人に増殖して圧勝。ニックも声を限り声援をしている。 会場は熱狂に包まれる。 海外でウルトラマンがこんなに支持を集めているとは知らなかった。ニックのお父さんのヒアさんが、じつはウルトラマンの熱狂的なファンだそうである。彼の携帯の待ちうけ画面がウルトラマンで、着信曲が「ウルトラマンの歌」とのこと。ところがニックは、ディズニーのお姫様の世界にどっぷりつかっていこそすれ、勇壮に闘うなんて一度も夢想したことがないのではないだろうか。ウルトラマンが並んで、子どもと握手や写真に納まっているのに、怖い怖いと逃げ回っていた。ったく　もう。男の腐ったヤツ。こじつけっぽいが、一昨日はタイ古典仮面劇を観て、昨日は現代日本由来の仮面ショーを観た勘定になる。

  2011.05.08

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  コーン（Khon)タイ古典仮面劇を観てきた

  昨夜、７時半から、「サラ・チャレルムンクルン王立劇場」で行われる、コーンKhonことタイ古典仮面劇「ラーマキエン物語」RAMAKIENを見てきた。それはそれは美しくも優しい可笑しい古典劇であった。まるで歌舞伎をコミカルにしたようなものであった。歌舞伎がそうであるように、ケララのカタカリもそうであるように、様式化された仕草にたいして、懐かしさを一入感じた。また物語は、ヒンドゥから来た「ラーマーヤナ」のタイバージョンであって、インドや中国の急調なかつ生の喜怒哀楽を表現するものではなく、あくまで優しく笑いを誘うように編集してあった。 ハヌマン（猿軍団の大将）が、ラーマ（王）に加勢して敵軍団と闘うのが話のポイントだが、どうもそこに焦点が合っていないように思った。最後は、敵軍団も一緒にラーマを中心に和平を祝福しあうあたり、タイ風土がいかんなく発揮されていた。 そして、「猿かに合戦物語」A Tale of the Battle between Monkey and Crab、「桃太郎物語」A Tale of MOMOTARO、「西遊記」The Journey to the West, Monkeyが思い出されてならなかった。とくに、ハヌマンHanumanとラーマRamaの出会いは、まるで孫悟空と三蔵法師との出会いのように思えた。 舞台はやたら煙が立ちこめ、幻想的な極限の美しさを醸し出されるよう工夫されていた。 セリフは舞台の袖に立っている男性が２人（３人？）歌うようにして発声する。その外に、より観客に近いところに、楽団がいて、タイの古典音楽を奏でていた。 そうそう、ぼくの席は、舞台のかぶりつきで、役者と目が合ったりする。どうかすると、役者がぼくのカメラに向けてポーズを取ったりする。そうそう、芝居が始まる頃になっても、客の女性がかなり大声で、タイ語で話をしている。すると、きれいな英語で女声が聞こえた。「ビークワイヤットプリーズ」Be quiet pleaseと。ぼくは、当初、この外人と思われる女性の注意は正当だと思った。でもタイ語の声は止まなかった。また、Nさんも、平気でぼくに話しかける。そのうち、ぼくは悟った。この芝居は、大衆向けのもので、元来がやがや大衆の話し声と息吹の中で行われるものなのだと。それでまたぼくは悟った。場内放送で、「写真や携帯など使用しないで下さい」と言っていたはずなのに、Nさんは、「トラストミー　写真大丈夫よ」といっている。ぼくは、カメラを構えてもだれも何も言わない。役者がポーズを取りさえする。これが、芝居（芝生に居て楽しむ）の原点なのだと思った。 忘れえぬひと時だった。 ラーマキエン物語については下記を参照されたい。 http://www.1046.in/rama1.htm 日本の知識層の観光客（女や男や薬を買いに来るやつらじゃなくて）は、一度は観るべきものとの感を深くした。【写真：白装束の猿がハヌマンである。終始、猿らしい愛らしくもコミカルな動きであった】

  2011.05.07

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  子どもの日を輸出

  ５月５日。子どもの日（children day）。この国に子どもの日がちゃんと別にある。確か今年の１月１４日（一月の第二土曜日）にあったと思う。だから、子どもはこの日両親から祝福され、いろんなところに連れて行ってもらえる。 子どもの日の今日、ニックと面と向かって大喧嘩をした。今まで、母親を仲介して叱っていた。今日は、母親を無視して、直接面と向かって長々と叱った。 ぼくは、今日が日本の子どもの日である。本来は男の子の節句であるが、後に一般に子どもの日となった。男の子の節句に因んで、この日「鯉のぼり」を立てて、餅などを食べる。そうNさんに教えてあった。Nさんは、ニックと日本のあお若のために今日は子どもの日を祝いましょう、と主張した。異存はなかった。「鯉のぼり」はどこに売っているかと彼女は尋ねるので、カーフォアの「ダイソー」が売っているに違いないと答えると、買いに行きましょうと１１時ごろニックと３人で車を運転してでかけた。 もちろんNさんもニックも「鯉のぼり」って何のことか知らない。Nさんにはウェブサイトで写真を見せたので、ある程度見当がついているかもしれない。ここで、ニックは「お祝いの品」買うのなら、ザモールがいいと主張した。しかし、Nさんは、ザモールには「ダイソー」がない、とはねつけた。そこまでは、よかった。しかし、その後、ニックはものすごい形相で「フン　フン」といい続けていた。「カーフォア」のレストランに入っても、彼の怒りは収まらない様子。何を話しかけてもそっぽを向いて、何かＴＨ語で毒づいている。ぼくは、養育問題に直接口を挟まない、という主義をかなぐり捨てて、レストランの真向かいに座っているニックの目をみて、長々と叱った。 nick nick, look at me. listen to me. i must tell you. every time when you go out with us, you are angry. you always fail to enjoy going out with me for shopping. your anger makes us so unhappy. i am not happy to be with you now. you also are unhappy. then KOICHI uncle will drive a car for you to go back to our home. you could be punished by your parents if in japan. as you are already 9 years old, you should stay at our home to watch a lot of cartoons on TV and play the games. you may be happy to be at home. thats why i KOICHI uncle send you back to our home. you have no right to make us unhappy. i dont want to see you angry as usual. go back to our home. you can play with happiness there. do you want to fight with me? OK. i must tell you again..... このような英語を繰り返した。長かった。長かったけど、見る人が見れば、ぼくの目は怒りの目ではなくて、可笑しさをこらえながらの目であったことを了解するであろう。この間、ニックは、ぼくに驚いていたが、「ゴーバック」というあたりから、ぼくの言うことを理解し始めた。そして、目から一粒の涙がポロリとあふれた。でも、絵に描いたような仏頂面で、小声で、ぼくに反抗的なＴＨ語を発し続けているので、「ドゥーユーウォント　トゥ　ファイト？」というぼくの言葉になったのである。最後には、ニックは両の手で耳を塞いで、ひたすら呪いの言葉を発し続けた。 驚いたのは、Ｎさんである。Ｎさんは、ニック以上に深刻にぼくのお説教を聞いていて、今にも泣き出しそうな顔をしていたことであった。こりゃ薬が効きすぎたかな、と思いながら、レストランではペプシを飲んだだけで、外に出て、ニックには目もくれずに「ダイソー」に向かった。ニックは後ろから、ぶつぶつ呪いの言葉を吐き続けてついて来た、と思ったが、Ｎさんが、ぼくにそっと通訳するところによると、「コイチアンクルに謝りたい」とっているらしい。 ぼくは、振り返って、大げさに両手を広げて、思いっきり大きな笑顔を作って（もともと笑顔で叱っていたつもりなんだが）、「ニック　ニック　ハグ　ハグ　リコンサイル！　アクチュアリー　アイ　ラブ　ユー　ソー　マッチ」と叫ぶと、しぶしぶ寄ってきて、ぼくの腕の中に納まった。 「ダイソー」はニックが気に入らないわけがない。ニックは知らないだけなのだ。それも読めていた。店に入ったニックは、大喜びで一杯籠の中に入れていた。もちろん、二さおの鯉のぼり、４匹の布の鯉を買った。約２６点の品物を買った。 自宅にもどって、「鯉のぼり」を門扉に飾り、ぼくは、ニックのお祝いのため、ニックの希望でポークステーキを焼いてやり、食事が終わったら、そのまま居間のＴＶで、ニックのお好みの「なんとかかんとか姫物語」の３Ｄマンガビデオを終わりまで、見続けた。 今までに、見たこともないニックのご機嫌で、彼は車の人となって帰っていった。 ちょっとサビの効いた子どもの日を輸出した。

  2011.05.05

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  レーバーデー

  ＴＨ国では、５月１日は「レーバーデー」（メーデー）なので、国民祝日日である。もっとも、これはアセアン１０か国中８カ国も「レーバーデー」となっており、ＴＨ国特有のことではない。今年は、５月１日が日曜日とあって、翌日５月２日（つまり昨日）が代休となった。今年は思わず長い連休となった。５月１日、たてまえとして公務員以外の会社労働者は休まなければならない。どうしても休日出勤サせざるを得ない業種の場合、平日の３倍の給料を出さなければならないとされている。 しかし、個人商店、農業やインフォーマル部門では、ごくごく普通に営業されており、街を車で走っていると、随所で商店が閉まっているが、日常生活に差支えがあるわけではない。また、大きな集会が開かれたという報道もない。病院は営業している。そもそも、病院は土日など休日でも営業している。 Ｎさんの報告では、お手伝いさんのキアオに、５００Ｂ（約１４００円）の「レーバーデー」お祝い金を上げたということである。来年から、ぼくも気をつけよう。 ぼくの印象では、ここの「メーデー」は、勤労感謝の日に相当するのではないかと思う。

  2011.05.03

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  エイノードィ・ピアノ・ソロ・コンサート

  歯医者の後、午後７時から、近くのマヒドン大学音楽学部のホールで、ルードヴィコ・エイノードィの「ピアノソロ・コンサート」に行ってきた。 初めて聞く人だが、ぼくはエイノードィを「ピアノ吟遊詩人」a piano minstrel とでも名づけたいと思った。派手さはないが、非常に地味なプロ好みの味のある演奏であった。ぼくは深く感動して、眠らずに目をつぶって（Nさんは眠っているのか心配していた）聞きほれていたが、問題は、問題を抱えているニックであった。最初の曲で、早くも身体をぐにゃぐにゃし始め、小声で母親に話しかけるなどした。母親がどういう指導をしたのか隣にいながら分からなかったが、驚くべきことに、それから１時間半彼は「もった」のである！！！身体をぐにゃぐにゃさせながら・・・ ぼくは、そのことにむしろ大感激をしてしまった。このような叙情的で心象的な演奏が、子どもに分かるはずがないと思っていたぼくが浅はかであった。「ぼくのピアニスト」と呼ばせていただいている荒川えり子さんがいつか言っていたが、クラシックコンサートは、赤ちゃんでも聞きほれることがあると言っていたのが、ほんとであった。 ぼくは、ニックを最大限賞賛した。ニックはＴＨ語で「たいくつ」などとごねていたんだそうだが、ぼくは、そういいながら、彼は全身で聞いていたのだと主張した。ぼくに賞賛されたニックは大変自ら誇らしく思ったようで、その後ずっと上機嫌で母親としゃべくり続けていた。とてもいい思い出になった。 帰途、サラヤ・イチバでおかゆさんを食べてそれぞれ帰宅した。 【写真：真ん中の写真について。ＴＨ国では、他人の駐車のまん前も駐車場である。その代わりルールがあって、駐車のときサイドブレーキを外しておくということである。ニックは心得たもので、まん前に停められた大きな車を一人で押して、スペースを空けているところである】

  2011.05.02

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  おおらかさEXPANSIVENESS

  パヤタイ病院の歯科に行ってきた。ドクターはアンクル先生である。１週間前、左上の奥歯が虫歯になっていて、義歯のばねをかけることができないことがわかって、抜歯はせず神経を殺す治療にとりかかった。そのことはすでに記した。 虫歯の治療は基本はどこも同じで、この国独特の方法が採用されて興味深かった。機械器具類はまったく日本と遜色がない。麻酔のとき以外に、苦痛はなかった。 言語は英語である。彼の英語は流暢で、非常にわかりやすい。ＵＳＡに留学していたと思われる。ただし、患者のぼくが英語で歯科の治療を受けたのは、２０年前のＵＫを除いて、経験がなかったので、簡単な単語に「ああこういうときにもこんな動詞を使うんだ」と感動してしまった。たとえば「バイト　プリーズ」（噛め）「グラインド　プリーズ」（すりつぶせ）「クレンズ　プリーズ」（ぶくぶくしろ）「ペイン？」（痛いか？）など。説明は、明瞭であった。ただ一度だけ、神経を殺す方針を述べるところで、専門用語で話されたので、ぼくの方から「キリング　ナーブス？」と日常用語で尋ねると、彼がほっとした表情で「ザッツライト」と言ったことあった。説明の後、必ず、「エニークエスチョン？」と念を押す。 今日の治療は時間がかかった。治療代は約９８００円であった。この国の基準ではバカ高い。 あと３回ほど通わなければならないという。 Nさんが、アンクル先生に、ブログに載せるため、一緒に写真を撮らせてくれないかと頼んだところ、とても快くカメラに収まった。こういうところが実におおらかなのである。 インドのケララでも感じたことだが、ケララもBKKも医療水準は高い。ただし、ケララでは、誰でも高水準の医療を受けられるが、このBKKのパヤタイ病院のような高級病院に誰でも来られるという保険があるかというと、それは１００％近くむりだろう。 Today, i have been to the dental department of Phayathai Hospital at Phetkasem Rd. in BKK. my doc is Dr. AUNGKUL as usual. one week ago, he found my most inner and upper tooth caries which was supposed to be bridged with a spring of my new fake teeth. the strong pain of a tooth was found come from it. this story was written here already. while the way of treatment of the caries is fundamentally same with in any country, i am so interested in the particular curative employed in this hospital or Thailand. the machinery and appliances are at nearly same level of japanese ones. and i did not feel it painful except the injection of local anesthesia during the entire treatment. the language used each other is English. his english is so eloquent that i guess he studied in USA or somewhere. i who is a patient have visited the dentist in the foreign country the second time with speaking english since i went to the dentist of the Wawrick University UK 20 years ago. consequently, i felt emotional all the more because they are so simple verbs, when he told me in english that "bite pls", "grind pls", "cleanse pls" or "pain?". however, when he wanted to express his intention of the treatment as "denervate" in a technical term and i asked him back " you mean killing the nerves?", he said to aloud "that's right" with a big smile. and whenever he finishes his statement of curative, he always asks "any question?". such an accountability is so nice. today, it took so long to treat my tooth. the treatment cost today was 98,000yen which seemed very expensive from thai standard. he told me i should visit him three times more. ms nanna asked Dr. AUNGKKUL to have taken a pic with me as i wanted to write a blog in japanese. then, he was kindly pleased to accept her plea. i have always been thinking that such manner is so so expansive in this country. THANKS A LOT DR.AUNGKUL

  2011.05.02

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  経済文化

  昨夕、プラサーさん（Nさんの実父、ニックの祖父）の誕生日会が、わが家の近くの「Ｊキッチン」という中華料理店で行われた。ここが選ばれたのは、プラサーさんの亡妻のお気に入りのレストランだからということであった。 いつもの通り、予定者がまだ集まっていないのに、出てくる先から、食べ始め、延々と食べ続け、プレゼントの贈呈があって終わる。これまでの経験では、最高級料理が１０種類以上出てくる。ぼくは、少しずつ食べても、最初の５種類まででお腹一杯になって、写真撮影班に回る。 たまたまであるが、昨日４．３０は、出席したニックの女従姉妹にあたる女の子の誕生日でもあったので、Ｎさんが、急遽、封筒に１０００Ｂ（約２８００円）包んで上げた。どうやら、ぼくから、ということだったので、ぼくに合掌された。ちなみに、食料・日用品の安さから比べると、１０００Ｂはかなりの金額になる。ぼくが唯一いかなる血のつながりもない人間なのに、ずっと親戚の上位の一員（年齢がプラサーさん次いで上だから）として遇されている。感謝はぼくのほうからしなくてなならない。 このパーティでも、Ｎさんは、「日本通」ぶりを披瀝していて、自分の義兄の妹に当たる人、その娘（姪）に、日本の津波の模様と日本のすばらしさとしゃべりまくっていた。二人は、興味深げにぼくの顔をちらちらと見ながら、聞いていた。何度も書くようだが、日本は決して捨てたものではない。ぼくは当初、車やエレクトロニクスに関するテクノロジーがすばらしい国として、この国の人々に意識されているものとばかりおもっていた。そうではない。それはあることはたしかであるが、１）マンガ・アニメ・それに付随する玩具　２）食事・食品　３）ひらがな・カタカナなどなどの大洪水を目の当たりにすると、経済の先端として見られている「車・エレクトロニクス製品」ですら、この国の人々にそこはかとないブランド「文化」として受容されているように見える。 ＴＶでも、大震災のこともあるが、それとは無関係のお笑い番組でも、「ニポン」という音が頻繁に耳に飛び込んでくる。 日本の経済関係をなにも理想化しているのではない。大きな矛盾（差別・抑圧・搾取・格差など）を抱えていることは、経済学者の端くれとして熟知しているつもりである。しかし、この国に住んでみて、この国伝統の食事やこの国に馴化した中華料理を食べ続けていると、ぼくだけの感想かもしれないが、日本人が容易に受容できる文化土壌があるのではないかと感じる。だからこそ、これほどまで、日本の経済文化をこの国の人々が受け入れているのではないだろうか。ＴＨ国だけから、日本経済を見るのは危険であるが、文化にまで発展した日本の経済、すなわち日本経済文化をつぶしてはならないと思う。 【最後の写真：生まれて初めて食べたダックの舌には、骨があった。おいしいともなんとも感じないものを人間はどうして食べるのだろうか？そんなギモンを抱きつつ、ぼくは「ダックの舌にこんな骨があるんじゃしゃべれないね　グァグァグァぐらいが精々だね」と人々を笑わた】

  2011.05.01

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  「ウンタマン」

  この国は、買い手市場でインフレ気味である。とりわけ資産価格の高騰が著しい。そりゃ日本と比べれば「割安」感があるけど、その「感」程度であって、日本人でも簡単に買えるお値段ではない。わがムラは中級のムラである。空き家がたくさんあって、新装されて、最近つぎつぎ売りに出されている。その代わり、中古家屋でも軽く２０００万３０００万するので覚悟が必要である。車に至っては、２００万３００万する新車がどんどん売れていく。ベンツ車なんてざらに走っている。もっとも、トヨタ車もホンダ車も外車なのであって、その意味ではベンツ車は外車の一つに過ぎず、日本のように特殊車（やっちゃんが乗る車としてステータスシンボル）の感はない。 ただし、食料とくに果物や水は明らかに安い。どうかするとただのように安い。したがって賃金も安い。たとえばキアオのようなお手伝いさんは月給４万２千円もらっているかどうか。その意味で、家賃さえきちんと払うことができれば、経済的には暮らしやすい。 買い手市場だから、販促（プロモまたはプロモーション）がすごい。昨日、プラサーさんに誕生祝のシャツを買ったとき、アローというブランドもので、二つ買えば、三つ買える（buy two get three）。｛以前ここで報告したとおり、最新もので国産の美しい扇風機を買おうという時、「buy one get two」であった。だから、２台買った上に、女店員がわが家まで来て、二つとも組み立ててくれた。｝昨日、ウルトラマン・フェスタが行われるというので、日本漫画の熱狂的なファンであるNさんが、ぜひ行って見たいと言い出し、ザモールのチケット売り場に行った。この国の英語の発音の訛りの一つとして、ｌ（L)の発音が面白い。Ultra manの発音において、「ウンタマン」と聞こえるのである。ｌ（L）の発音が「ン」になる。これ、例外がない。「ビューティフン」（ビューティフル）、「セントラン」（セントラル）といった具合である。ウルトラマンを「ウンタマン」と言われて、ぼくがなんども聞き返した。「パードンミー？」「ウンタマン」「オー　アイ　ベッグ　ユア　パードン？」「ウンタマン」「ア～～アイ　キャンノット　チャッチ　ユー　ソリー　スペル　プリーズ」「ウェル　ニポンマンガ　ウンタマン」「あー　オーケー　『やったーまん』？」「ノー！　シュワッチー　♪（「ウルトラマンの歌」らしい歌を歌う）♪」「オーケー　イズ　イット　ウルトラマン？」「？？？ワッツ　ザット？」というわけで、いつもは即座に意思疎通ができる二人だが、今回だけは長引いた。 チケット売り場で「ウルトラマン祭り」のチケットを買ったときに驚いた。５００B（約１３００円）のチケット３枚にプロモがついた（写真参照）。なんとＤＶＤ３本（ウルトラマンと無関係の映画）と、バッジ３個。そのバッジに「がんばれ日本」と書いてあるではないか。説明によると、収益の一部を震災救援寄金に当てるとのことだった。 Ｎさんは「ハッピー　ハッピー」を繰り返していた。【補遺：さっきＮさんに電話で尋ねたところ、キアオの給料はなんと２万円であって、ぼくの世話の分５２００円（これはＮさんが払っている）。なんとたった合計２５２００円だそうである。ひどく驚いた。おれの金銭感覚も甘かったなあと思った。６月からＮさんからの分に上乗せして、ぼくが６０００円ほど払ってあげなくてはと決心した。どおりで、昨日ザモールのスーパーでぼくが、大きなカートに山盛りの「食料代はぼくが払う」と無理やり７５００円払ったところ、Ｎさんは、ひどく感謝してくれたが、その後の買い物が荒っぽくなった。彼女はこれでも自制して倹約していてくれたのだと思った。】

  2011.04.30

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  ニックの愛のテーマ

  ニックの造形の才にしばしば驚嘆するのであるが、そのテーマは常に「愛」（love）である。 ぼくがこの国に来て程ない頃、ニックが一人お泊りした時のことである。母親の出勤が遅くなって、朝食はぼくが出してやったけど昼食に腹が減ってしまった。何かを作らなければ、ニックが可哀想と思って、腰を上げて階下の台所に立とうとした。そうしたら、ニックがビスケットにじっさいの花を庭から摘んできて、それをあしらったスナックを、ジュースを添えて持って二階に上がってきてくれたことがある。 このときほど驚いたことは（何度も同じことを書くが）なかった。その頃彼はまだ８歳であった。 毎日、ニックが来ている。そして、幸せそうに家の中で遊んでいる。 一昨日、ニックの作品のスナックを「自分用に」作った。これも贅を尽くしカラフルなものであった。昨日、夕食後、ニックは居間の電気を全部消してTVだけの灯りにした。彼は「ロマンティック」を演出するとき、電気を消してろうそくをつけるのである。そうして、比較的大きな箱をどこからか運んできて、母親に贈呈する。母親は中を開けてみると、そこにはたった1枚の二つ折りの紙が入っているだけだった。そこには稚拙な、ニックとNさんらしいふたりの人物の絵が4ページにわたって描かれており、どの絵にも「ママー愛してる」とＴＨ語で書かれていた。Ｎさんの目には涙があふれたことは言うまでもない。 今日、午後2時半ごろ（つい先ごろ）、ニックが「コイチアンクルゥ」とトレイでコーヒーとスナックを持ってぼくの部屋に上がってきてくれた。そこにはハートマークに似顔が描かれていた。ぼくはベッドでＴＶをつけていたところである。 シンプルなものだが、その造形の才に改めて驚嘆した。

  2011.04.28

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  「敵性言語」

  大変珍しいことに、今日は一日中、雲ひとつない青空が広がった。夏だから、外は暑いが、この美しい日に、家の中で、美しいものを見、音楽を聴き、美しくはないがハーモニカを演奏して楽しんだ。グノーの「アベマリア」、バッハの「Ｇ線上のアリア」、サンサーンスの「白鳥」など、ゆっくりした曲で、一音一音美しく、テンポ（ぼくの最大の弱点）を正しく練習している。 そして、Manuel CastellsのThe Rise of the Network Society Second edition 2010（『ネット社会の勃興』500ページ)に取り組んでいる。この世界を理解するには、線形思考では絶対不可能であるばかりではなく、有害であり、非線形動学的思考でなければならない。その人類史的な試みがやっと始まったばかりで、まだその全貌を現していない。だから、線形思考を信奉する多くの学者（ぼくの友だちの多くがそうである）が、しばしば「非線形動学というが　ちっとも成果が上がっていないではないか」と批判するが、それは悔しいけど当たっている。しかし、産声を上げたばかりだから、また同時に当然でもある。ただ言えることは、線形思考は止めなければならないこと、これである。 かつて、ぼくが教授在職時代、ぼくが非線形動学を唱導し、「インターネット」や「複雑系」に関する発言（論文）や授業テーマに取り組んだとき、ぼくが年上だから遠慮して表立っては言わなかったかつての同僚が、陰でぼくのことを「新しがり屋」と揶揄し、あえて「単純系｣を対置して嗤っていたことを知っていた。彼らは、ぼくには面と向かって、そう言わなかったが、彼らの授業中、学生に向かって「インターネット」をくそみそに批判していたことを、学生から聞いて知っていた。今、彼らはどう思っているのだろうか？いつもの伝で、こっそり軌道修正して、「おれは昔からこのような世の中が来ることを知っていた」と学生に言っているにちがいない。きちんと英語が話せる元同僚（同じデパートメント）を知らない。「英語」については、「米英帝国主義の言語」（＝「敵性言語」）という左翼理論を振りかざして、フランス語、ドイツ語、中国語、ロシア語、中国語なら許せるかのような言説を唱えて、結局英語がしゃべれないための弁明を行っていた。ぼくが、こうして日本語でブログを書いているが、ぼくは日本語を選んだわけではない。旧日本帝国主義の言語を嫌うからといって、ぼくはこれをかなぐり捨てる気はしない。仮に敵性言語なら、よけいぼくはそれをマスターしたいと思う。よくも悪くもグローバリゼイションの時代に、英語が話せなくては生きていけない。それと同時に、ぼくは日本語にも磨きをかけたいと思う。実は、二つの言語を習得することは、頭脳の機能の深部では同じ作業＝トレーニングなのだ。 ニックが来ている。階下から駆け上がって来て「コイチアンクルゥ　スキヤキ　フォー　ディナー　ＯＫ？」と言う。「オー　ザット　ウッド　ビー　ファイン！　ワイナット？」と答えると、両手を挙げて喜んで、階下に駆け下りていった。そいえば、おやつに、彼は母親の指導の下に、豪華なケーキ（フルーツとゼリーとシロップとコンデンスミルクで）を作って、ご機嫌で食べていた。 今夜は、タイスキのご馳走だ！ 【写真：うちの細々した雑用（買い物まで）やってくれるラェさんが、庭（西ヤード）に植えてくれたバナナの樹。ラェさんは時々ムラに自然に生えている果物を収穫しては届けてくれる。昨日はジャックフルーツを剥いて届けてくれた；階段の踊り場に置いたランたち】

  2011.04.27

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  虫歯が見つかった

  ここのところ、ニックフェチになっている。それはしょうがない。ニックは、「天使が帰っていった」とここに記した翌日、再び、両手を合わせて、笑顔を無理に作って固定させ、上目遣いに瞬きをする（この国の子どもがおねだりをするときの特有のポーズ。これはＴＶのコマーシャルでも女の子が母親にしてみせていたからわかった）。そして、「スリープ　　ヒア　トナイト」と。そして、次に日（昨夜）も、同じことをする。その度に、「パパーはＯＫしたの？」と尋ねると、きっぱりうなずく。そして、２連泊しているのである。 彼が、ぼくのキングサイズのベッドに寝ると、以前は一緒に寝ていたが、どかんどかん蹴られたりするので、ぼくは、悲しくも床にシングルのマットレスを敷いて、避難のためそこに寝ている。これでぼくの安眠が保障されていたのであるが、昨夜から情勢は緊迫してきた。真夜中に、ニックがぼくのシングルのマットレスにもぐりこんできたのである。そして、足を絡めてそのままずっと寝入ってしまった。ぼくは必然的に、彼を抱きしめて朝まで寝ていた。 予約していた歯医者（パヤタイ病院）に行った。歯が痛いので、そのことを詳しく訴えた。ドクターアンクルは、仔細に調べて、奥歯に虫歯があることを新たに発見した。治療が難航し、長引くことになった。今日は虫歯の神経を殺す治療をやった。日本だといきなり麻酔注射などしないで、削っては薬を詰めて時間をかける。しかし、いきなり麻酔注射されて、そのときは痛いのであるが、その後は、無痛の治療が行われた。ともかくも、この国で殺されてもいいと思っているので、医者に生かすも殺すもまかせて、徹底的にやってもらうつもりである。医師とぼくとは英語で会話をして不自由がないが、Ｎさんが、さらにＴＨ語でより正確に補足してくれてとても安心できる。一通りのディスカッションが終わって、ドクターアンクルが「エニー　クエッスチョン？」「ナッスィング　タンキュ」とにっこり笑顔を交し合っておしまい。あと２,３回通うことになりそうである。 今日は、ニックが母親に捕まって、九九を言わされた。その模様をヴィデオに収めた。どうか鑑賞していただきたい。母親のほめ方にも注目していただきたい。 http://video.mixi.jp/view_video.pl?flash_id=506888-10642748

  2011.04.26

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  悪い予知能力

  ぼくは命に関わる悪いことがらの予知能力がある。 これまでも何回もそのような予言をしてきて、当たってしまった。いちいち記すことは怖いしためらわれる。２２日、この国全域で、ＴＶの全面的なブラックアウトが生じた。そのとき、この日記で、「戦争が起きたのかと思った」と記した。他の人（赤シャツら）は「クーデターが起きた」と思ったらしい。ぼくの直感が当たっていた。このブラックアウトはサテライトの故障が原因だったが、ぼくが予言をした頃、タイランド＝カンボジア国境でじっさいに戦争が起きていた。 何事についても予言できるのではない。何気なく書いたり口にしたりすることが、命に関わる悪いことであると、当たってしまうのである。だから、頼まれてもできるものではない。もしできれば、金儲けできるのに・・・ 昨日、午後、ニックをつれてNさんが出勤してきた。ふと車の中を見ると、大きな箱が置いてあった。また何か「買った」な？と運び入れて、箱を解体してみると、バーベキュー・セットであった。以前、「カーフォア」というスーパーで、安売りしていたもので、これを買おうというNさんを制して、「セイブ　ユア　マニー」ときつく言っておいたものである。とうとう買ってきた。 プールに入っている間に、スコールが降り始めたので、気温が下がり、鍋物をやるのにぴったりではあった。結構、上手にBQとタイスキの合成した料理を彼女は作った。３人で楽しんだ。

  2011.04.25

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  ママー愛してる

  昨日、Ｎさんが出勤してきて、ぼくがもらした言葉に彼女の興奮の火がついた。「ジャズマンのハービー・ハンコックがＢＫＫに来るよ」と。彼女は、セントラル・プラザ・ピンクラドのチケット売り場に行ってすぐ座席を買いましょうと言い出した。高いよ。とても手が出ない。お願い　ひかるぅ　お願い　一生に２度ないかもしれないのよと粘る。ぼくも、誕生日が近いので、プレゼントをされるのではなくて、たまには逆バージョンをしてあげようと思って、思い切った。よし　セントラル・プラザに行こう！ 天使ニックを乗せて、♪ルン♪と３人で出かけた。車の中で、Ｎさんはガ～～ンというような声を発して、「ひかるぅ　５月８日は凸凹たちの結婚式に招待されているわよ！」ぼくも思い出した。内心ほっとしたのではあるが、Ｎさんもなかなかしたたかである。「その代わりに　ＴＨの古典舞踊と音楽の劇場の券を買いましょう　お値段は３分の１よ」という。ぼくは、即座にＯＫした。セントラルの地階（一階）に民芸玩具屋が屋台を出していた（写真は４つの屋台を合成）。これ、片端から仕入れて、日本で売れないかなと思うものばかりであった。素朴で美しく安全である。ちなみに、Ｎさんがチェンライの山岳民族からたくさん玩具や袋物を買って、それを妹が帰国するとき、あおやかぐや姫や歌姫のために持たせてやった。娘の礼状メールによると、決して喧嘩にはならないが、取り合いになるくらい子どもたちは興奮したということであった。この日、ぼくは木製のコマを買った。ニックはヨーヨーを買っていた。 ニックがぐずらないで（あれ買えこれ買えと）、ショッピングしたのは初めての経験で、ほんとに楽しかった。たいがいニックとの熾烈な闘争になる。ぼくは、ニックは日ごろさびしいのだと思った。満たされると、あれ買えこれ買えとは言わないものだと悟った。 そのニックは、帰宅すると何かやっていたが、すぐに「ママー　色を塗りたい」と言った。残念ながら家にはクレヨンや絵の具の類がなかった。うかつだった。Ｎさんが何をするのかと、探ってみて、一枚の二つ折りの紙をぼくにそっと見せた。裏表４ページに絵が描いてあって、ハートの絵、どうやらニックの絵、最後にどうやらママーの絵らしきものが書いてある。そして、ＴＨ文字で簡単な文字が書かれていた。Ｎさんの翻訳によると、「ママー　愛してる」と。 Ｎさんは幸せそうだった。その紙をニックに気づかれないように、元に戻したということである。昨日遅く（９時半）、帰宅するとき、ニックは「チャン　ラク　ルンコイチ」と言った。「コイチおじさん　愛してるよ」と。

  2011.04.24

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  天使が帰っていった

  結局、ニックは２連泊して３連日わが家で過ごして、今９時３０分帰宅した。 第３日目（本日）のニックほど幸せそうなニックを見たことがなかった。普段見るニックは、しょっちゅう閻魔様か仁王様のような顔をして大人を睨みつける。 今日は朝から、上機嫌で上機嫌で、最後には１階でＴＶ漫画を観るのではなく、ＷＩＩをやるのでもなく、ぼくの寝室に来て、紙製のゲームを取り出して、一人遊んでいた。もっとも健全な子どもの姿であった。 母親が、ちょっと台所仕事をしているとき、そっとぼくのところにやってきて、ＴＨ語で、ニコーと笑顔を作り、「コイチアンクルゥ・・・・プリーズ」と手を合わせて、何か願い事を言いに来た。ＴＨ語が分からなくとも、「今夜も泊まりたい」に決まっている。ぼくは、ママーに頼みなさい、と言うにとどまった。ニックは母親に切り出す勇気がなかったらしく、母親は、ニックを連れて帰っていった。ぼくはヒアさんがニックを待っていると思ったので、母親にはニックの願いを言わなかった。 以下のことは我田引水になるけど、ぼくは断乎として一緒に漫画を観たり、一緒にゲームをやったりはしない。泳ぎたいといえば、即座にＯＫ　ヒアウィゴーと答えて、プールに水着のままで歩き出す。ぼくが疲れているときはそういってプールサイドのレストランにいて、彼一人で暗くなっても泳がしておく（もちろん照明はある）。文字通り「泳がしておく」。彼が漫画やゲームをやりたいときは、やらせっぱなしで一切干渉しない。「お腹が空いた」というとき、餅を焼いてやったり、妹が持ってきてくれた焼き芋を食べさせたりするだけである。こんな時間が彼にはなかったのではないだろうか？その意味で、彼は満ち足りた第３日目だった。 ほんとにほんとに、幸せそうなニックだった。天使とはこの子のことをいうのだろうと思った。 この子が母親を見る目は、どういったらいいのか、やはり天使だ。格別だ。敵わないと思った。

  2011.04.23

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  セクシーボーイ

  昨日は、ヒア（ニックの父親）さんから電話があって、ニックを今夜預かってくれと。ニックをプールに連れて行って、プールサイドに立派なレストランがあるので、そこにジュースの出前を頼んで、プールサイドでジュースなどをいただきながら、ニックは飽きもせず長時間、プールで遊んでいた。夕食はこのレストランで取った。 彼は立ち泳ぎができると書いたが、もちろん犬掻きのような推進力は持っている。しかし、彼の水泳能力は、背の立たないところで長時間水の中に浸かっていられるということである。平気で深いところに飛び込むことができるということである。こういう水泳教育をどうしてぼくは気づかなかったのだろう。 子どもたちと鬼ごっこをやった。この日白人の女の子もいた。いつもの通り盛り上がった。ニックは、ぼくに追い詰められると丘に上がってしまう。そして、プールサイドを走り回る。指導員の兄ちゃんが、どうやら「それは違反だよ　水の中でのハイド・アンド・ランだよ」とニックに注意したらしい。適切な指導である。ニックは「ランだから　ランランラン」と口答えしたが、素直に、納得して水の中にもどる頃、コイチアンクルゥの腕の中にぱくりと飲み込まれてしまった。 夕方、突然テレビがいっさい映らなくなった。遠雷が鳴っていたのでそのせいかと思ったが、一向に回復しない。夜になって回復した。この国はカンボジアと武力衝突を繰り返している。戦争でもおっぱじまったかなと無責任な考えを弄んでいたが、今朝の新聞では、人工衛星が故障したとあった。ぼくは「戦争」と思ったが、新聞によれば、とくに「赤シャツ派」によれば、「軍のクーデター」が起きたという風評が流れたという。おやおや「軍のクーデター」とは・・・この国では前からそのうわさがあるのだが。Nさんは、その風評を一笑に付している。「わが国には民主主義がある」と。 わが家はニックによって半分占拠されている。今朝から、彼は階下の居間の大TVで漫画を付けっぱなしのまま、2階の客室のＴＶでＷＩＩでＴＶゲームを楽しんでいる。そうかと思うと、すべてつけっぱなしにしたまま、ぼくに「風呂に入っていいか？」というので、ワイナット？というと、自分勝手に風呂の中で大騒ぎしている。撮影してやった。肥ったセクシーボーイが一匹撮れた。

  2011.04.22

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  ゆったりと・・・

  昨日（１９日）門のチャイムがなって、覗くとラェさんがビニール袋を振って、ニコニコしている。タマリンの干したものを持ってきてくれた。たぶん自分の家で造ったものに違いない。Nさんの人徳だなあと思う。 この国の住民は空間をゆったり使っている。だから、逆に自然が作り出したものもまたゆったり包み込んで暮らしている。なんという虫か忘れたが、蟻塚anthillかと思ったが、土地の人はちがうという。羽蟻に似た昆虫の巣らしい。約２０年をかけて建築されたもので、優に２．５メートルの高さに達する。ラチャブリ県メコン川のほとりの写真である。（その後ＮさんにＴＨ語の虫の名前を英語で調べさせたらwhite antシロアリという。日本人の感覚ではそれは蟻である。だからこれは最初の予想通り蟻塚anthillだったのである） わが家に至近のデパートのザモールに、屋内に大きな池がある。５階の天井から流れ落ちている滝を受け止めている。相当深い池らしく、水は澄んでいるが、むしろ黒い色をしている。ここに、錦鯉はもちろんだが、以前にも紹介したピラルクーが１０匹ほど棲んでいる。ご承知の通り、真水で最大の魚である。説明がないので正確には分からないが、３メートル以上のものもいる。この魚の舌はおろし金のようにざらざらした骨でできているそうだ。１億年？程前の姿から進化していない。まことに雄大な光景である。ザモールはゆったりとした憩いの場でもある。 海賊版やコピーは、製作者の激しい敵意に遭遇する。ソフト開発者の必ずしも豊かではない生活を思うとこの敵意には理解できる点がある。この国でもそれは違法である。しかし、ＡＤＯＢＥやマイクロソフトの製品が、簡単に発展途上国の人々が買えるものだろうか？まったく無償でダウンロードできるリナックスやオープン・オフィスが現存している折から、商業巨大ソフトの海賊版が簡単に手に入るということは、めぐりめぐってＡＤＯＢＥやＭＩＣＲＯＳＯＦＴにも将来の市場拡張にもつながるのではないだろうか？甘いかなあ。このザモールのような一定の格式のあるデパートにも、何軒かＣＤやＤＶＤを媒体とするソフトや音楽・映画を専門に売っている階がある。ここでＤＶＤ映画を注文すると、ふつうに１０分待たされる。つまり、コピーする時間をぶらぶら待つのである。チャプリンの映画集を約２８０円で買える。高級ソフト（最新版）をこういうところで買って、インストールするにはある種の知恵が必要であるが、それを口ではなかなか教えてはくれない。でも、ＰＣ本体（ＣＰＵ）を持ち込んで、インストールせよというと、５６０円ほどのソフトをただでその場でインストールしてくれる。時間がかかるがその様子を後ろでじっと見ていると、インストールの方法を盗むことができる。もちろんぼくはそういうことをしたことがない。これをおおらかなものだというには、異論も強いだろうが、海賊版がこの国の急速なＰＣ普及あるいはビッグワードで言うと情報革命を支えていることはまちがいない。 わが家は、未使用の空間がたくさんある。以前腐るほどあるとディスクライブしていた。その一つに、階段の踊り場が二つある。階段のところは吹き抜けになっている。だからこの空間は、ぼくのハーモニカの練習にもってこいである。夜遅く１２時ごろ、ここで思い切りハーモニカを吹いて寝る。今、簡単な曲だけど美しい曲「Ｇ線上のアリア」（バッハ）を極力美しい音で吹く練習に余念がない。長い長いブランクとクロマチック１２穴という新種のインスツルメントを克服するには、「アベマリア」（グノー）もそうだが、この曲はもってこいである。いくら練習しても難しいのであって、しかも飽きない。さて、この踊り場という空間をランの花の鉢を置くということを思いつくには１０ヶ月かかった。美しい空間を美しい音色で満たす・・・

  2011.04.20

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  天に唾する

  昨日（１８日）夕方、ニックが来た。 一緒にクラブのプールに行った。昨日も行ったのであるが、臨時休業で空しく帰ってきた。今日は確かめてあったので、ＯＫであった。先に少年少女たちが数人、水泳コーチ（クラブ専属）のお兄ちゃんにトレーニングを受けていた。 ニックの泳ぎは、ただ立ち泳ぎができるというだけで、推進力など何にも意識していない。その代わり、どぶんどぶんと飛び込み、何時間でも水中で浮かんで遊んでいる。ぼくは、あえていう。これが本来の水泳なのだと。いままでぼくは娘や息子に施していたいかに速くいかに省力するかのコーチはまちがいであった。 そのニックが、鬼ごっこをやろうという。そういうゲームの存在は人類世界共通であると報告されている。ぼくとＮさんがＯＫを出すと、心からうれしそうに跳ね回る。実を言うと、ニックとはこの１、２週間険悪の仲であった。まず、朝、会っても「サワディー・クラ」と合掌して挨拶する場面で、ぼくがしているのに彼はしなくなっていた。ぼくは挨拶もしないやつとは口をきかない主義である。必然的に険悪になっていた。 一昨日、彼は、ぼくの書斎＝寝室に駆け上がって来て、いきなり、ぼくのケーブルテレビで漫画を見始めた。ぼくは怒った。誰の許しもなくそれをやったからである。彼に大きな身振り手振りで英語で言った。「ニック　きみのために大きなＴＶを買ってあげた　お互いチャンネル争いをしないように　両方にケーブルＴＶを引いてあげた　客用寝室にもＴＶをつけてテレビゲームをできるようにしてあげている　つまりきみがこの家で好きなだけ遊べるようにしてある　この部屋に来て　断りなしに漫画をつけるとはなにごとだ　出て行け」と言って、実力行使でＴＶをきってしまった。ぼくの声に驚いて母親が駆け上がってきた。ぼくは怒りの趣旨を彼女に語った。そして、「そもそもこの家の家主にあいさつもしないヤツは　この家で遊ぶ権利がない」と。 （ちなみに　ティーカップの「みんなのチャット」などで、入室するとき「こん」などというヤツとは口もきかないことにしている。そんな権利がないから、出て行けとも言わないが。「こん」を挨拶とは認めない。最初ぐらい「こんにちわ」「こんばんは」と言えといいたい）彼女は「あいさつをしない」ことに驚いて、ニックに問いただしていた。ニックはしぶしぶうなずいていた。彼もそれを自覚していたのである。それで母親の怒りも爆発した。しばらく階下で話し合ったらしく、母親が上がってきて、「下で一人でいるのが急に寂しくなって　上がってきてコイチアンクルの部屋でＴＶを見たくなったというの　あいさつをしないことは　ぜったいに許してはならないし　本人はこれからきちんと挨拶をすると言っているから許してあげて」と両手を合わせる。本人から謝らせろとぼくが言うと、彼女は「もちろん　そうさせるわ　今ね　彼　気持ちの整理（adjust）をしてるので　そのうち上がってくると思うわ　そうでなければわたしが許さない」たしかに、ニックのかわいい足音がした。そしてあいまいに両手を合わせて、タイ語で口の中でもごもご何かいっている。通訳によると「ごめんなさい　これからあいさつします」と。 ぼくは、彼をしっかり何度も抱きしめて頭にキスをした。そばでNさんは涙ぐんでいた。そして二人に宣告した。「この際　言っておく　ぼくはニックと遊ぶのは大好きだ　しかし　ゲームや漫画は大嫌いだ　ニックがゲームで遊び漫画をみるのは自由だ　その権利は常に保障する　コイチアンクルがニックと遊ぶのは　スポーツや身体を動かすゲームのみである　この１０ヶ月を思い出してもらいたい　ニックがバドミントンをやろうと言ったとき　コイチアンクルは拒否したことがあるか？　ニックが泳ごうと言ったとき　コイチアンクルは拒否したことがあるか？　ニックが宝探しゲームをしたいと言ったとき　コイチアンクルは拒否したことがあるか？旅先で　朝まだ暗いのにニックが泳ごうと言っったとき　いやだと言ったか？一緒に薄暗いホテルのプールで泳いで楽しかったね　コイチアンクルはニックと遊ぶのが大好きなんだよ」と。二人は熱心にうなずいた。 その後である。泳ごうとニックが言い出した。自縄自縛ってこのことで、このコイチアンクルは拒否できなくなった。えらそうにお説教するものではない。かならず自分に帰ってくる。天に唾してしまった。 しかしながら、鬼ごっこは実に楽しかった。夜の８時までプールの子どもたちも巻き込んで、遊び興じた。ぼくが鬼になるときは、子どもたちは大パニックで恐怖に顔が引き攣っていた。とくにニックは怖がった。ぼくは、「アイム　アリゲータ　ガオーーーー」と言いながら、目だけ出して追い詰めると、ギャーギャー悲鳴をあげていた。すぐには捕まえずにぼくの大きな腕の輪の中でジタバタあがきさせてから、ゆっくり捕まえるのがコツである。そして、ニックたちが帰宅するとき、実に実にかわいい顔と声をして「コックンクラ　サワディークラ　コイチアンクル」と車で遠くにいっても、窓を開けて叫んでいた。 補遺：（ニックより年下らしい女の子が、初対面のぼくに「サワディカー」と挨拶したのに大変感銘をうけた。その後、彼女が何かＴＨ語で言いに来たとき、ぼくは「ソリー　バット　アイキャンノット　スピーク　タイ　イングリッシュ　オンリー」と言ってあった。実は彼女は鬼ごっこに入れてくれと言いに来たのである。Ｎさんが通訳してくれたので、もちろん一緒に鬼ごっこを楽しんだ。ニックを捕まえて餌食にして鬼の彼女に供して逃げたこともある。彼女はプールが終了する際に、ぼくのところにわざわざやってきて、「サンキュー　サー　アイワズ　ソー　ハッピー　サー」と合掌したのには、心から驚いた）【写真：見にくいが、コイチアリゲがニックを捕まえたところである】

  2011.04.19

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  オノマトペーがない言葉

  いつもの雑記であるが、今日はとりわけ雑記。 先日、BKKにある豚の胃袋島をあしらったTシャツを買ったので、その写真を掲載する。大きく蛇行しているのが豚の胃袋なのだそうだが、果たして日本人でどれだけの人がそれと同定できるだろか。日本人（ぼくがその最たるもの）は基本的に草食動物で、同じ仏教国のＴＨ国は基本的に肉食動物である。だから、豚であろうが、牛であろうが、アリゲータであろうが、魚のであろうが、その胃袋の形状を識別できる人は少ないと思う。ＴＨ人はできるのである。 言葉に、基本的にオノマトペー（擬音語onomatopoeia）がない国に住むと―英語もそうなのだが―不自由を感じる。せんべをパリパリ食べる、しーんと静まる、ぺちゃぺちゃしゃべくる、こんなことが言えないのは大変不自由ではないだろうか？日本語はこのオノマトペーの宝庫である。そこで妙なことがおきる。 妹も参加したフアヒン旅行の折である。夕食をした海浜の「レッツシー」というレストランの近くに「チャカチャン・マーケット」があるので、食後行きましょうとＮさんが言った。「チャカチャンとは？」というと、虫の一種のことだと。「フリー・マーケット」は「蚤の市」である。そういうものだろうと見当をつけた。そのとき、突然（７時３０分ぴったり）いっせいに、日本のワシワシ蝉に似た虫が鳴きだした。妹と「これは蝉だよね」と顔を見合わせてうなずき合った（帰宅してＴＨ語辞書を引くとたしかにチャカチャンとは蝉と出ていた）。ＴＨ人は、この虫を「チャカチャン」というのよと言っていた。ぼくは「チャカチャン」がＴＨの蝉に当たるとは知らなかったので、鳴き声で「チャカチャン」といっているのかと思って、早口で「チャカチャカチャカチャカ・・・」と鳴くからチャカチャンというのか？と真顔で尋ねた。そうしたら、まことに意外な光景に出会った。ＴＨ人が大笑いをしたのである。やつらは「ゲラゲラ」笑ったのである。その後、Ｎさんはことあるごとに「あれをやって」という。ぼくは「チャカチャカチャカ・・・」というと、新しいメンバーも手を叩いて「ゲラゲラ」笑う。こいつらオノマトペーというものを知らないのだ・・・とこのとき初めて気づいた。（なおチャカチャン・マーケットは公園に設置された大規模な臨時のイチバであった。結構楽しめた） ぼくは今も日々英語の勉強をしているが、一向に上達しない。才能がないのからしょうがない。でも、外国語を学ぶことはとても楽しい。初めて、一人で車に乗って、Ｎさんの家を訪れたときのことである。ソイ８１のプータンムラにＮさんの家がある。まず、車にガソリンが無くなっていることに気づいた。ガソリンスタンドに車を乗り入れて、「フィル・ペトロリウム　ファー　ワンサウザンド・バーツ　オケー？」と言ったが通じない。彼は同僚と困った笑顔を交し合っていた。そこでドアを開けて、ドアのガラスに１０００Ｂと書いたら「オケー」と言った。次に、彼らは４種類のガソリンのうちどのガソリンかと聞いてくる。これは想定内なので、指で一番端っこのメニュー（高い）を指差して、オケー？と尋ねた。彼は「オケー」と答えた。１０００バーツのお金を手渡してオケーと尋ねたら、「オケー」と答えたので、「コックンクラ（プ）」と両手を合わせると、彼もそうした。完全に意思疎通ができたが、使った英語は「オケー」一つであり、しかもＴＨ国では「オケー」はＴＨ語になっている。 次に、幹線道路からソイ（路地という意味）８１に入って、不安になったので、人を見つけて窓を開けて尋ねた。「アーウィー　アット　ソイ　エイティワン？」。初老の男性ははっきりと「エイティワン？」と聞き返したので、「イェス　エイティワン」と重ねて訊いた。彼も「イェス　エイティワン」と確認してくれた。安心して、ムラのゲートに入って、門衛に「イズ　ズィス　プータン　ヴィレッジ？」と「プータン」というところにアクセントを置いて、尋ねた。彼はうなずいて「プータン・・・」と答えた。そして、見覚えの道をくねくね行ってノイさんの家に到着した。ここで使った英語は「エイティワン」だけであった。後は現地語である。 ぼくの英語がまだまだだというのは、相手が英語ができない人であるなと思ったとたんに英語が出てこなくなることである。Ｎさんのように、相手が英語が分かろうが分からなかろうが、お構いなしに速射砲のように英語が出てくるには、まだまだ修行が足りないと悟る今日この頃である。 本日は、ニックもつれて３人でマッサージ院に行った。ニックの髪の毛が伸びた（ぼくはちょうどいいと思うが）ので、ここで併設されている美容院（オーナーのセクシーな女性）で髪の毛を切ってもらった。ニックは子どもコースのマッサージで、別の部屋に行った。ぼくとＮさんはマットレスを並べて、それぞれのマッサージ師に２時間コースを施してもらった。ぼくの担当の女性はたしか妹もしてもらった女性であって、相当痛かった。しかし、最後には心地よい身の軽さを味わった。

  2011.04.17

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  １周忌

  昨日１６日。 Ｎさんノイさんの実母の１周忌に当たる。お母さんは、その生まれ故郷ラチャブリの古いお寺に眠っている。Ｎさんたちもそこで生まれた懐かしい県である。その寺でお坊さんと親族を呼んで、法要が行われる。当初、ぼくは行くつもりがなかった。１００ｶ日の法要のとき、プラサー（Ｎさんの実父、故人の夫）さんが、いきなり、賓客扱いをしてくれて、お坊さんにお布施を渡すとき、ぼくだけを選んで、一緒に手渡す行為をさせられた。ぼくは、こちらに来たばかりの頃だった。そして、ぼくは写真でしか故人のことを知らないし、故人はぼくを知る由もなかったのである。ぼくは、やわらかくそのことをＮさんに言って、ぼくはその任に非ず、と列席しないことを伝えた。彼女は、了承したが、「父がヒカルを家族として見ているし　ヒア（夫）もノイも家族として考えているので　ヒカルが列席しないということは　大事件になるのよ　顔だけ出して」というので、それを了承した。 ぼくは、じつは治療した歯が痛く眠れなかったので、誘眠剤半錠だけ服用して寝た。これが大きな誤りであった。この半年も飲んだことがないもので、こんなに効果が持続するものとは知らなかった。以前、これを全錠毎夜飲んでいたとは信じられなかった。一日中眠かったし、昨夜も持続した。 朝、５時起きで、車でＮ一族のプータンムラに向かった。Ｎさん宅で車を乗り換えて、大勢で、ラチャブリに向かった。３時間かかった。もう歯が痛く眠く、ほんとに自分が自分を、「おめえ　使い物にならねえなあ」となじった一日であった。だいたいものが食べられない。Ｎさんがプラサーさんに、ちゃんとぼくの「その任に非ず」を伝えてくれたようで、まん前の中央の椅子に座らされたが、何も役を与えられなかった。思いのままに写真を撮ったり、会場の片隅で居眠りをしたりさせてくれた。 式典が終わり、一族の発祥の地に行った。メコン川のほとりの村（これはほんとの村）に一族が住んでいた。どこの家もぼくらが来ると開け放してくれて、迎え入れてくれた。どこの家にも不意に入っても、ものすごく広く、清潔で美しかった。ここでも「なんという豊かな」と感嘆しないわけにいかなかった。そして、ノイさんが率先して、どこへ行ってもぼくを「新しい家族コイチ」として紹介していた。 【写真：式の始まりとして、プラサーさんが一緒に住んでいる最直近の家族を従えて、お経を唱えている。ぼくは「その任に非ず」と言わなければ、ここに一緒に（おそらくプラサーさんと並んで）座らされたという；故人の眠る古いお墓に特殊な香料を降ふりかけているところ；Ｎ一族の発祥の地に流れる悠久なるメコン川】

  2011.04.17

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  生きている世間　（その２）―ラブゲーム

  一昨日、こう毎日ご馳走では胃袋が疲れる。ここいらで一休みしたい、という意味のことを書いたら、昨日そのとおりになった。ノイさんが乗りつけたのは、タラ商店街で幼い頃からの友だちで、現在、ケチな（質素な）おかゆ屋の屋台を経営している女性の店である。そこで、質素だが栄養豊富で、美味なおかゆ一杯ご馳走になった。彼女は、つい最近まで保険会社に勤務していて、それを退職してこの店を開店したという。写真には、ご主人と息子さんも写っている。屋台の母屋に当たる店がセブンイレブンで、この土地はこの女性の母親の持ち物で、月々相当金額地代として転がり込んでくるという。いつでも、お金持たないで食べに来てくれと、ぼくにまで言ってくれた。これでこの国で食いっぱぐれることがなくなった。そこから、車でわずかな時間走って、新ソンカノンまで行って、適当なところで車を駐車して降りて、旧ソンカノンまで細い路地を歩いた。ほんとに細い路地で、人が４人並んでぎりぎり歩ける道である。ノイさんは、道端の民家に首を突っ込んでは挨拶している。もちろんNさんも同様で、どこでもこの二人は歓迎されていた。いかにも古巣にもどったという感じである。ここで気づいたことがある。ノイさんが挨拶をした旧友や知人に子どもがいたら、すぐにお金１００バーツ（２８０円）を渡すのであるが、３,４日前の日記で、ノイさんが札束を２,３個用意するのが不思議であると書いたが、実は子どもにお年玉を手渡す目的があったのだった。この３人は、ずっと前からぼくを自分たちの古巣に連れて行く計画だったのである。にぎやかな音楽が聞こえる路地に来たとき、ノイさんNさんは、ここで大勢の知人たちの笑顔と歓声に迎えられ、抱擁が繰り返された。年配の一団が、バンドを結成して、「生オケ」大会を催しているのである。ノイさんが、ぼくを紹介して、日本から来たプロフェッサーで現在BKKに住み、わが家族の一員となっている、言うと、村人は口々に震災の見舞いの挨拶をしてくれた。実に美声をとどろかせていた大学教授（植物学）が英語で挨拶して、何か歌えという。ぼくは、こういうことならハーモニカを持ってくるのだったと後悔した。断ると、彼は「スキヤキソング」を歌い始めた。バンドも見事なものである。この一団の世話焼きをやっているのが、音楽の先生で、もっとも酔っているが、なにくれとなく手振りで話しかけて世話を焼いてくれた。見ず知らずの飛び入りのぼくを「家族の一員」と紹介するノイさんもそうだが、それを快く迎え入れて抱きしめるようにして歓迎してくれる村人の心に、ぼくはしばらく触れたことがないなあと思わされた。子どもたちに目を転ずると、数えると５つのグループが、ルールはそれぞれ異なるが、同じ趣旨の遊びをしていた。民族衣装を着て、男女に別れ、たぶん男組は求愛の行動を取り、それがうまく行くと、どうなるのかぼくには結末まで分からなかったが、女組から拍手を受けていた。５つのグループのうち、６歳までの幼年グループもあり、ここでは、ルールがうまく働かず、泣いたり走り回ったりしていた。概して、少女組は美しかった。そして、男組に対して威張っているように見えた。年上なのかなあと思ったり、お化粧のせいで年上に見えるのかなあと思ったりした。この「ラブゲーム」（？）の最中に、年長のグループが楽器を持ってきて騒がしく歌ったり踊ったりして、ゲームにストームをかけていた。ゲームの模様をビデオ撮りしてあるので、後日アップしてここに貼り付ける予定である。この「豚の胃袋」島のソンカノン村の催し物は政府からの財政的な援助を受けているそうであるが、狭い狭い路地の村に濃い濃い人間関係が息づいているのを感動をもって気づかないわけには行かなかった。そして、村のどこへ行っても、仰ぎ見ると、プミポーン橋がライトアップされて、色とりどりの輝きを見せている。ノイさんとNさんが、夫や子どもを家に置いて、外国人家族のぼくをここに連れてきて、見せたのは、自らの家族のルーツの共有を図ったのだと思う。ぼくは、幻か夢でも観ているかのような光景に陶然となっていた。

  2011.04.16

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  生きている世間（その１）―豚の胃袋島

  ソンクラン（水掛祭り　ＴＨ国の正月・・・「ソンクラン」の語源はサンスクリット語であり、「変化、移動」の意味がある。もともとＴＨ語はサンスクリット語の影響が強い）は今日まで続く。 一昨日13日、車で移動していたら、やってるやってる。辻辻でジャージャー車に向かって水をかけている。トラックの荷台に乗っている人々も負けてはいない。ちゃんと水を用意していて、かけ返している。道具は手酌、ばけつ、ウォーター・ガンなどさまざまである。その光景は、たまらなく楽しそうで可愛い。 ぼくは、自分で見たこと直接経験したこと考えたことしか書かない。ＴＶや新聞などの間接伝聞も参考にはするが、ここには書かない。 １３日夜、ぼくは行き先も知らされず、ノイさんとＮさんの姉妹に連れられて、都心に向かった。この面子に、最初とまどった。なぜお父さんがいないのか？なぜ夫さんたちがいないのか、そして子どもたちがなぜいないのか？それぞれ「都合の悪い」理由があったのだろうぐらいにしか考えていなかった。偶然、暇なこの３人の面子で行くことになったと思っていた。しかし、ちゃんと深い計算があってのことだった。 この国に来て、最初から日々興奮すること、驚くこと、感動することの連続であった。それが現在も続いている。それは、一にも、二にも、Ｎ一族の計り知れない暖かい愛情によるものである。ソンクランに驚くのであるが、この夜の感動はぼくにしか味わえないものである。ぼくがこのことに感動しやすい人間であるとどうしてこの姉妹は知っているのだろうか？ つまらない言葉で言えば、「コミュニティが生きている」ことの発見、再発見であった。バタ臭い「コミュニティ」よりも、より伝統的な言葉で言えば、「世間」「世の中」「隣近所」が生きていて、現時点でどこで生きていようとも、それが良くも悪くも人を拘束する光景をまざまざと見た。ノイさん、Ｎさんは、彼女たちが少女だった時代、住んでいた地域ソンカノン（新旧二つある）というディープな村に、ぼくを連れて行ったのである。ぼくにとっては、富山県の城端にあたる。 それは、もうびっくりするような地域であった。何もかもびっくりしたのであるが、まず地図的な場所からご紹介しよう。 ＢＫＫの地図（写真参照）を広げると、左の縦（西の南北）にうねった川が流れている。これをぼくは自分の住んでいたところから連想して、スミダ川とここでは紹介してきたが、チャオプラヤという川である。その下（南）の方に目を移すと、大きく蛇行したところがある。この蛇行が過去水害を呼び起こした。蛇行が始まるところをちょん切って運河（ラットポー運河）を建設して、水害防止と何よりも交通の便を図ったのはつい半年ほど前のことである。そこに運河と平行して二つの吊橋（建築工学的につりばしではなくて何とかという名前がある工法で建設され、昼も夜も非常に目立つ美しい橋である）で、本土から本土を繋いでいる。プミポン橋no.1　no.2と呼ばれている。この蛇行した地域を「島」と呼ばれており、その形状がちょうど「豚の胃袋」の形をしているので、「豚の胃袋島」Pig Stomachとよばれている。ぼくは豚の胃袋の全体像を見たことがないので真偽は分からない。 ここはれっきとしたBKKであり、ラーマ３という一級国道が走っている中心街区に近い。にもかかわらず、島であることによって、一種の隔離された場所らしく、村の雰囲気にあふれている。 ノイさんNさんは、もともと南のラチゃブリ県で生まれたが、6歳のときに、この島の（旧）ソンカノン村（地図ではラットポー運河のすぐ右側）移転してきて、11歳までここに住み、その後、さらに東（右）の同名の（新）ソンカノン村に移転して高校に通った。もちろんその頃には、プミポン橋は存在しなかった。この橋の建設のとき地域住民は激しく抵抗したそうであるが、「王さまのプロジェクト」という錦の御旗に屈して、撤退を余儀なくされている。現在でも、艀（渡し）と漁業の権利を保持している。 夜、まずノイさんの車で連れてこられたのは、タラ（写真左下）と呼ばれるアメ横を大きくしたような商店街であった。

  2011.04.15

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  典型的な中産階級

  昨日。 ヒアさん（ニックの父親）の誕生日であった。ヒアさんの家の近くのＭＫ（タイスキ専門店）に繰り込んで、食事をしてお祝いをした。 ノイさんの家に帰って、ぼくが贈ったＢＤケーキをみんなで食べた。とてもおいしいケーキで驚いた。この日は日ごろ目立たないヒアさんがほんとうに幸せそうで、多弁だった。 Ｎ一族は典型的な中産階級（この国のブルジョアジー。貴族以下プロレタリア以上。ビジネスのリーダー。しばしば貴族以上に金持ち）に属している。ノイさんは、こんなパーティのとき、いつも写真のような札束を２，３個持ってくる。そんなに使うわけではないのに、どうしてかなあと思う。 写真は、日本円と札束とを比べているところである。妹がニックへのプレゼントの割り勘分として置いて行った１万円札。ニックに、どちらが欲しいか？と訊くと、１万円札を指差して、一族の笑いを誘っているところである。 本日は１３日。本日から１７日まで、ＴＨ国は「ソンクラーン」????????といって、グレゴリー暦の正月、中国の正月以上に、ＴＨ国独特の暦の正月である。「水かけ祭り」とも呼称される。ポクさんもチェンマイの任地から帰宅する。ＢＫＫの人々は逆に、地方（郷里に）帰る。民族の大移動がある。 またまた、ご馳走の連続。いい加減に、胃袋を休めたい。

  2011.04.13

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  ＴＨ美女

  一昨日（１０日）、ニックの誕生パーティが、この国の王子さまが楽しんでいるようなレストランで開かれた。その面子の中に、ふつうにお手伝いさんのキアオが含まれていた（写真のかわいい女の子）。この一族の尊敬すべき点はこの点にある。「貧富の差があるが人間みな平等」の原理で徹底している。しかも、キアオは、大酒のみで、パーティの一行はノイさんやヒアさんも飲むことは飲むのだが、ビールは一切口にしない。だからこの日は一滴も飲んでいない。ただ一人お手伝いさんのキアオだけが大きなジョッキを２個も前に置いて、一人飲んで上機嫌であった。このパーティに妹も出席していたのだが、彼女もこのキアオが同席していることに好意的に注目していた。このキアオはぼくの衣類やシーツはすべて洗濯してくれる。彼女は料理が得意で、しばしばぼくに飛び切りおいしいおかゆを届けてくれる。いつも飲み水をＮさんに持たせてくれる。キアオはプロフェッサー・コイチを心から愛しているとのことである。Ｎ一族はキアオのことを「大君キアオ」と呼んでいる。 昨日、うちの近くのとある交差点の塀に目をやった。２，３日前に同じ塀を見たとき、一人の若い男がスプレーで落書きしているのを見ていた。Ｎさんはこの落書きという行為に怒りをあらわにしていた。今回見ると、なんと落書きの真ん中に日の丸に「日本に希望を」と書いてあったので、車の中から写真を撮って、帰宅して大きくしてみた。この落書きはメッセージにあふれていて、日の丸と文字だけではなく、日の丸の周囲に折鶴が配されており、津波を撥ね退ける人の姿らしい絵が描かれていた。ＰＣの画面に頭を下げた。 本日、歯医者に行った。美しい病院である。新しい義歯ができてきた。１階のロビーで、伝統シロフォンの演奏が行われていた。快適なソファーに座って、その演奏を聴きながら、奏者の女性をビデオ撮りした。この国は美女美男にあふれている。美ゲイにも・・・。その中でも、ぼくは１，２を争うものとして、この奏者を挙げておきたい。写真でも美しさが分かるが、演奏の途中ぼくがビデオ撮りしてることを知った彼女は笑顔を作っている。美しい。 ＭＩＸＩにそのビデオをアップした。

  2011.04.12

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  震災慰労プロジェクト

  今朝、５時４０分発のデルタ航空２８４便で、妹は成田に飛び立った。 ３月３１日から４月１１日までの約１０日間の滞在であった。ぎっしり詰まった日程を組んでしまったので、自慢の美しいわが家でののんびり生活を堪能させることができなかった。しかし、きっと、満足してもらえたと思う。 昨日（１０日）は、妹とＮさん３人が、まず、マヒドン大学の近くの「マナ蘭店」に行って、蘭と鉢をたくさん買った。妹の気に入った真っ白の欄が一株５６円ほどでこれを６株買った。その他、Ｎさんのお気に入りも含めて、合計１０株以上買ったのではないだろうか？かわいい鶏の鉢などに、花屋の職人にアレンジしてもらった。金を払うとき、店のオーナーの女性が、ぼくらが日本人であることを確認して、こう言った。「（大震災の被災者に）深いお見舞いとお悔やみを申し上げる　わたしもチャンネル３の「女　女　女」という人気番組の求めに応じて　いくらかのお金を送った　この番組で飾られる蘭は当店であつらえたものだ　また日本にもたくさん蘭を輸出しており　日本は当店のＶＩＰ客である　わたしは日本人を尊敬している　日本人なら　ぜったいに５年以内に復興を遂げると確信している」と。妹とぼくは、この女主人に合掌して丁寧にお礼を言ったことはいうまでもない。この後、ハンブルな（粗末な）、しかしおいしいうどん屋に行ったときも、二人の店員が「お見舞い」の言葉を言いに来た。 この後、妹がジャックフルーツを手土産にしたいと言ったので、Ｎさんは、われわれをドンワイ・マーケットに連れて行って、目の前で巨大なジャックフルーツを解体させて、小分けして一山買った。そこでも、店の兄ちゃんからお見舞いを言われた。そして、そのイチバの近くのハーブの専門店に行って栄養剤やバームBalm（風邪の症状に抜群に効く）をしこたま買った。ここでも、女店主にお見舞いを言われた。 そこを出て、妹滞在の最後のマッサージに行った。「ローズマッサージ」という行きつけの店である。妹は、滞在中、３度目のマッサージである。妹のマッサージャーは前回と同様、近くにレストランを構え、ご主人がシェフというお金持ちのマッサージャーであった。妹は最初、頭のマッサージを美容師のオーナー女性に施してもらって、そのバトンタッチで、全身のマッサージを受けていた。ぼくのマッサージャーは、前回と同様、かなり若い（２０代）美人であった。顔に似合わず、低い声を出すので、最初レディーボーイかと思ったが、じっさいはそうではない。妹は、「タイ・マッサージにはまってしまった。自分の生涯　ケララでのアユルベーダの経験を除けば　本格的なマッサージを受けたのが　タイ・マッサージが最初」とその感想を述べていた。 これが終わって、休む間もなく、バーンナム・キエンディンBannam Kiengdinという高級レストランに向かった。ここでニックの誕生パーティが開かれる。ここはオランダ風レストランで、広大な敷地に池があり、黒鳥や白鳥が泳ぎ島にはうさぎが飛び跳ねている。舞台には、欧米からバンドや歌手がきて生演奏をしている。 今晩は、着いたら、先にプラサーさん、ノイさん、ヒアさん、ヴィジ（ヒアさんの実兄マヒドン大学の獣医学助教授）さん、ナムにニックが来ていた。その上、お手伝いさんのキアオも来ていた。レストランはたくさんの警官によってものものしい警戒が敷かれていた。ちょっとびっくりしたのだが、Nさんが、ちらっと警官をみただけで、「王子さまがきている」と分かったことであった。Nさんの直感どおり、王子さまが来ていて、一般客は外にあふれていた。Nさんは、王党派であるけど、この王子さまにはいい感じをもっていないらしく、ぷんぷん怒っていた。「一般国民の外に排除して何が夕食よ」というわけである。じっさいには排除されたわけでなく、まもなく屋内の席に案内された。この王子さまは、ぼくらがたっぷりご馳走を食べた後も、い続けたらしく、警官の数に変わりがなかった。 この一族のパーティなのか、この国の習慣なのか、いっさいのセレモニーもなく、出てくる飲食物を片端から食べるだけである。なんにもスピーチもない。ぼくは、写真班なので、写真を撮った。ただ、今回もだが、出る食事の種類と分量の多いことにあきれた。後で聞いてみると、今回は、ノイさんが注文し、ヒアさんが注文し、Nさんが注文し、注文がてんでんばらばらに行われたから、果てしない料理となったというのである。基本的に全部食べられてしまった。 ニックは、昨日をもって９歳になった。今日はぶーたれていなかった。夕餉も終わり近くになった、ニックにプレゼント贈呈を行おうということになり、用意されたケーキに９本のろうそくが立てられた。そして、その後とてもとても高価なWIIというゲーム専用機が贈られた。ろうそくのとき、「パッピーバースディ　トゥ　ユー」を歌おうという段で、ぼくはNさんに小声で「ハーモニカで伴奏していいか？」と隠し持ったハーモニカを取り出した。みんなびっくりしていた。ぼくの即席の演奏で、ニックのろうそく吹き消しが行われた。店内の注目を浴びた。 今日２時起き、妹を空港まで送り届けて、妹の震災慰労のプロジェクトがすべてめでたく終了した。

  2011.04.11

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  偶然　あるものだ

  朝６時半ごろ、独り歩いて海辺に出て散歩をした。朝日が朝もやの中に立ち上り、猟師が網を投げていた。 朝食のとき、近くにいた親子４人（１歳と３歳ジェイムズと両親）とNさんが仲良くなって、妹がジェイムズの臨時のベビーシッターになったりした。プールでニックとNさんの３人で泳いでいたら、その親子に再会した。ジェイムズの母親の英語の訛りから、イギリスの中部の出身だと見当がついた。彼女（写真の母親）がぼくに話しかけてきたので、ＵＫ中部から来たのか？と尋ねると、図星だった。さらにどこから来たのか尋ねると、ちょっと言いよどんで、彼女は（たぶんぼくが知らないだろうという表情で）　ウォーリックシャーから来たと答えた。オー　ぼくは昔、ウォーリック大学で働いていたことがあるというと、この時点ですでに彼女は非常に興奮していた。ぼくはさらに、ウォーリックシャーのどこから来たのかと尋ねると、彼女は「ケニルワース」Kenilworthと小声で言う。ぼくの方がびっくりした。ケニルワースって外国人にはとても発音しにくいし、小さな村の毛の生えたような町である。大きな声で、オー　ケニルワース？　ほんとか？ぼくは　２５番地　アーチャーロード　ケニルワースに住んでいたoh really? i used to live in 25 Archer Rd. Kenilworth。と叫ぶようにして言うと、彼女はもっと大きな声で（もともと大きな声の人であるが）、アメージングAmazing!! Impossible!を連発していた。アーチャーロードという通りを彼女は知っているというのである。彼女は夫にも、またロンドンから来た親子にも自分の驚きを知らせていた。しばらくケニルワースはいかに美しいかを語り合った。ついでに、隣の温泉都市レミントン・スパLeaminton Spaの美しさに話が及んで、ぼくはそこにも住んでいたことがあることを告げ、いつかレミントン・スパにエリザベス女王が来たことがあるのを見物に言ったというと、彼女は、わたしは１０歳ぐらいのときで、わたしも見に行ったと言ってしまって、彼女の年がばれてしまった。 ちなみに、ぼくはイギリス英語なら、だいたいの出身地を当てることができる。何の自慢にもならないが。 １時過ぎに、ホテルを出て、途中食事をし、午後５時ごろ、わが家に到着した。Nさんをはじめ、ナムとニックはぼくらをドロップしてそのまま帰っていった。 最後の写真は、シェラトンホテル・フアヒンの売店にある募金ビン。「がんばれ日本　われらはともにあり」と書いてある。

  2011.04.09

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  アリゲが出た　シェラトンに

  写真はアップできません。後刻昨日午前、わがチーム全員泳いだ。ふと、プールサイドの仕切の上を見ると、黒いものがへばりついている。大きな木の葉っぱかとおもったのだが、近づくとさっと逃げた。直感的にアリゲータと思った。ぼくは、Ｎさんや妹にアリゲがいたよといったが、二人とも笑って信じなかった。いつもの「ひかるのキディング」と言った。しばらくすると、その黒いものが同じ場所に再び現れた。ぼくは、ほらあそこにいるじゃないかと　指さしたが、てんから信じてない人間には見えないらしい。神様もきっと信じていないものには見えないのだろう。あまりにも悔しいので、ぼくはプールサイドにあるカメラを引っ担いで、近づき、撮影に成功した。そして、Ｎさんにその写真を見せた。ようやく彼女の顔色が変わった。ぼくは、橋に白人女性が数人通りかかったので、教えてやった。すると彼女たちは「オー　イグアナ！ヘイ　ガイ　ドント　タッチ　イット」といって騒いでいる。ぼくはそれはイグアナではない　アリゲだといっても彼女たちは自分の経験からしか、判断できない。妹もぼくを信じないものの一人である。ぼくが「ほら　おまえの　すぐそばにいるじゃないか」と熱心に指さしたら、ようやく彼女の目には見えたらしい。妹もアリゲの実物を見たことがなかった。Ｎさんは、ぼくの写真を見せたとき、例によってさっと顔色を変え（ほんとうに青くなる）、そして「アリゲは安全だ」と同じセリフをいう。でも青ざめるのである。そして、イグアナかアリゲかの論争に決着をつけるために、ぼくのカメラをひったくって、プールの島の中央にあるレストランに走っていった。職員に、写真を見せると、天下のシェラトンのプールにアリゲが出たのでは気まずいのだろう、職員は困った顔をして「ベイビー・アリゲータ」だと太鼓判を押した。ざまあみろ！おれを信じないと、こういうことになる・・・？　どういうことにもならなかった。午後から、フアヒンのクラシックな集合店舗に出かけた。夜、レッツシーＬｅｔ’sＳｅａという海浜のレストランで、豪華な食事をした。ホテルのベッド上にフルーツの駕籠があった。ホテルからのＶＩＰへのプレゼントである。

  2011.04.09

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  フアヒン・シェラトン・ホテル

  ７日正午過ぎフアヒン・シェラトン・ホテルに、ナムの美しい車でナムの落ち着いた運転で、到着。車中で聞いたら、ナムはまだ１９才だそうで、ずっと２０才と思っていた。１年ぐらい、どうと言うこともないのだが、なぜかこの１年は大きい気がする。 つい先頃１１時３２分、宮城沖で震度７．４の地震が起き、津波が発生したという報道を、ホテルのテレビのＮＨＫが流している。どうか、お気をつけください。お見舞い申し上げます。 それまで、ニックは小仁王様のような顔をしてぶーたれていたのだが、急に「コイチアンクルゥ　プリーズ　スィム　プール　ウィズ　ママー　アンド　イクヨ　アンティー」と目をぱちくりして、お願いに来た。ちゃんと英語でである。よほど、泳ぎたかったのだろう。 彼がぶーたれているときは、母親でもスパンク（ひっぱたく）したくなるそうだ（やったことがない）。しかし、手のひらを返すかのように、天使のような笑顔になるとき、もう、誰も彼に抵抗できない。 フアヒン・シェラトンは、すべての客室棟がプールで繋がれている。海が広々と見える大きなプールと食堂などがある大きなプールとを通路のようなうねうね曲がったプールが繋いでいる。 まずは、シェラトンのロビー付近、プールで泳ぐ一行（ナムだけは写真班）、夕食。

  2011.04.07

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  ハッピーボーイ

  昨日（５日）６時４５分、妹、Nさんとニックとともに、チャオプラヤー（スミダ川）の船着場から、船に乗船した。ぼくは、これで４度目の乗船かなあと思う。船上のバンケbanquetを楽しむためである。 車が早く着きすぎて、ピアの側のリバー・シティで乗船まで待つ時間がたっぷりあったので、ニックはホールで凧祭りを楽しみ、女たちは宝石と袋物を買う時間があった。ぼくは、ふくろうowlの塗り物・彫り物を買った。もっともピアに近い袋物の店はNさんの友人の店である。Nさんは妹を日ごろうるさいくらい「おねえちゃん」と呼んでいるので、店員も妹を「おねえちゃん」と呼んだので笑ってしまった。 定刻どおり乗船した。ニックの興奮は高まった。今回は、切符の予約が遅かったので、甲板の前のステージの近くではなく、後ろのほうの座席が指定されていた。しかし、それはビュッフェ式の食べ物の至近距離であるので、ニックのお誂えの席でもあった。 船出とほぼ同時に、ステージでは歓迎のＴＨ式ダンスが披露された。やがてサックスとボーカルの演奏が始まり、船が往路（帰路）に入る頃、ダンス音楽となり、ＹＭＣＡが演奏される頃はダンスが最高潮に達した。 ニックは好きなものを持ってきては食べる。ケーキを食べたかと思うとすしを持ってくる。全乗客に光る腕輪が配られた。そうかと思うとニックにだけ指輪が配給された。そうかと思うとニックだけに光る冠が配られた。帰り際に、ニックにサックス奏者のＣＤが配られた挙句、大きなサングラスまで配られた。ニックは「えええ　ぼくだけ　どうして」と絶句していたことは確かである。 その前に、妹、Ｎさんと３人で前の方の甲板で、踊りを踊った。やがてニックも参加し始めた。いったん休憩に入って座席にもどったとき、ニックはＮさんに「こんどダンスが始まったら踊ろうね」と言っていた。始まったが、女たちは慣れない靴を履いてきて、ちょっと足を痛めたので、座っていた。ぼくは、ニックの手を取って、甲板のステージの前に行って、二人で踊った。ちょうどＹＭＣＡの曲のところで、ニックは激しく身体をゆすっていた。 船はゆっくりと岸壁に繋がれた。いつものことだが、従業員全員のお別れの踊りがあり、船室から従業員が手を振って、ニックも手を振って別れを惜しんだ。 ほんとうにハッピー・ボーイである。そのニックは４月１０日に９歳になる。その前祝となった。しかし、前祝はまだ続く、明日から南の海浜リゾート地のフアヒンHuahinに２泊３日の旅に出る。フアヒン・シェラトンホテルで思う存分泳いでくる。

  2011.04.06

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  水族館とマダムタッソー

  時間は嵐のように過ぎていく。要するに妹とニックとNさんとともに4人は遊びまくっているからである。 一昨日、都心の「サイアム・パラゴン・デパート」の地下にある「オーシャン・ワールド水族館」に行った。前回とはちがって、高いコースのチケットを買って入った。また今回の水族館のテーマはシェラドン祭りであった。前回とは展示物が違っていた。「パラゴン」の隣の「ディスカバリー」館に行くと、昨年開館したばかりの「マダム・タッソー」に入ったりした。そういうわけで、盛りだくさん過ぎるほどで大人でも楽しめた。ニックはもう興奮の連続であった。書ききれないので、写真説明だけにしておく。 コースの一つに、フィッシュ・マッサージがあった。池に足を突っ込んでいると、小魚がよってきて、足の老廃物（わが足に寄生虫が棲んでいないと信ずるが）を突っつく。最初のうちは魚に無視されていて面白くなかったが、次第にその数が増え、しまいにはびりびり電気が走るような小さな痛みが走った。声を上げないでいることが難しかった。 シェラドンの一つと記念撮影。 最後に、ＵＳＡ大統領オバマ氏とその妻と親交を深めた。とくに、オバマ氏に、ノーベル平和賞を返上するよう進言してきた。Say: Conscientiouly accepting my advice, Mr. Mubarack Hussein Muhammad Obama, who is a Laureate of Nobel Prize for Peace '09, would like to return the said Prize to the Norwegian Nobel Committee. At the same time, i am forced to blame you the Committee of a great thoughtless mistake.

  2011.04.06

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  アユタヤー

  アユタヤーを日帰りの旅をしてきた。 妹の歓迎のため、Ｎさんとぼくの３人でいってくる予定にしていた。ところが、一昨日のサムット・サコーン県のディナーパーティで、妹は一族の心をぎゅっと掴んでしまったらしく、この日帰りアユタヤーの旅は、プラサーとヒアさんを除く一族の旅となった。昨日の午前１１時ごろ、ポクさんの運転で、Ｎさん、ノイさん、ナムそしてニックが妹とぼくを拾いにやってきた。 約１時間半で、着いたのはアユタヤーのとあるレストランで、チャオプラヤー上流の畔にある。豪華な川魚の料理を食べた後、ボートに乗って、川の島の周囲をぐるっと回る周回コースで、心地よい川風を楽しんだ。その後、水上劇場に行って、伝統喜劇を水上で行われる珍しいパフォーマンスを観た。美女、美男、子ども、おかまがふんだんに出演して活躍する。次に、アユタヤー水上イチバに行った。ここで、買い物と買い食いを楽しんだ。妹は、この一族の粗っぽいともいえる、忙しい財布の出し入れに「すごい！」の連発だった。目に付くもの手当たりしだい買うし、ぼくらに買い与えるのである。右肩上がりの経済の最中にあるＴＨ国の旺盛な購買力をまたまた認識させられた。そもそも、ポクさんが、自分の任地であるチェンマーイやチェンラーイで、一族とぼくを招待して２泊３日の旅の大盤振る舞いをしたばかりなのである。それなのに、アユタヤーの急の旅である。 いろいろ、思わぬ行き違いがあって、アユタヤーイチバの後、歴史上の日本人街には行けず、そのままＢＫＫに帰って、ぼくのうちの近くのイチバで夕食をして別れた。 心温まる旅をいただいて、心からポクさん、ノイさん、そして子どもたちに感謝の言葉を繰り返してお別れした。ポクさんは、本日、法事が終わったらすぐに任地に向かう。あ、この法事にも招待されたのであるが、ぼくは丁重に断った。とてもとても、法事にまで行ったら死んでしまう。一族はプラサーさんを除けばとても若いのである。 【写真：２台の車を出すのはもったいないので、後ろに子ども二人を詰め込んで出発。この国は乗員の定員はない；豪華な川魚の料理の一例；子どもも美女もオカマも活躍する水上喜劇】

  2011.04.03

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  罪滅ぼし

  一作昨日、深夜妹が来た。２３時４８分着陸で、到着ロビーに彼女が現れたのが、０時３０分を回っていた。出迎えはＮさん、ニックとぼくである。 あ、その前に。ぼくには歳の離れた妹が二人いる。弟も二人いたが幼くして死んだ。妹二人が小さい頃の話である。おやつの時間に、ぼくは、天井を指差して、ほら　あれ　あれ　という。妹は天井を見ている隙に、おやつの一部をさっと取って、食べてしまう。全部ではない。仏のひかるといわれているぼくにも慈悲心がある。ぼくはこの慈悲心を何度も発揮した。下の妹はおやつが少なくなっていることに気づかない。上の妹は気づく。当然、心の狭い上の妹が怒る。しかし、何度も同じことを仏のひかるにやられる。心の狭い上の妹が下の妹を味方に引き込んで、二人でぼくを攻める。 このことが、以来５０年も経った現在も、二人がそろうと、この話を持ち出してきては二人が怒る。下の妹がいう。 「おにいちゃんのばあい　ひどすぎる　ふつう　取り上げて　口に入れるふりをして　それから　返すものでしょ？おにいちゃんはわたしたちが『あ~~~~』って取り返そうと手を伸ばしているのに　ほんとに　食べちゃうんだから　兄の風上にも置けないわ」 兄に風上や風下があるのかどうか、ついにぼくは知らないのであるが、ぼくはいう。最大の罪は　お前たちが　間抜けにも　おれよりも　あまりにも遅く生まれすぎたのがいけねえ　とうそぶく。この場面は何度繰り返されたか知れない。あまりにもしつこいので、仏のひかるも、心の隅では、いつか罪滅ぼしをしたいと思っていた。 ついにその機会が訪れた。Ｎさんが、チェンマーイのワロロイチバで仕入れてきた非常においしいが辛いソーセージをぶつ切りにして、二つの皿に盛り付けて、食べる場面が、一昨日あった。ぼくは、あまりお腹が空いていないのと、抜歯の後遺症で、辛いものを食べるのが怖かった。Ｎさんが、テレビドラマに夢中になっていて、ぼくのいることもいうことも聞こえないで、ただもぐもぐとソーセージを食べていた。そこで、ぼくの一切れをＮさんの皿に移動した。Ｎさんは、振り向いて、ソーセージをちょっと見たが、そまま口に入れてＴＶに目を移した。その隙に、またソーセージを一切れ移動した。振り向いたＮさんが、今度は箸をうろたえるしぐさをして、考え込んでいたが、すぐに口に一切れ放り込んで、またＴＶにもどった。また、一切れ入れて、ぼくの皿はすっからかんになってしまった。振り向いたＮさんは、自分の皿とぼくの皿とを見比べて、「フィニッシュ？」と言った。うなずくと、「サムモア？」と自分のを食べろというしぐさをした。ぼくはニヤニヤしていた。彼女は「ホワット　アーユー　ラッフィング　アット？」と言いながら、はっと気づいたらしい。そして、「オイ！（この国の叫び）ヒカルゥ～～～ユーアー　ソー　ノーティ？」　こうして罪滅ぼしをした。天はきっとひかるを許して、極楽へのドアを大きく開けてくれるにちがいない。　 その上の妹がわが家にやってきた。二度目の訪問である。 昨日、ノイさんが、妹を夕食に招待すると言って来た。ＢＫＫのすぐ南隣のサムットサコーン県Samut Sakhon Provinceの入り江にある海鮮レストランに車で向かった。約４０分ほどである。このレストランには２度目である。新鮮で、非常においしい。ただし、日本では海鮮料理というのは刺身の山盛りと相場が決まっているが、それは断じてない！せいぜい小エビの酢漬けが、生に近いかなと思わされる。 ポクさんが帰宅していたので、ポクさんも交えての楽しいパーティである。ヒアさんは、仕事が忙しく、来れないとの連絡があった。 妹は、この一族にもてもてであった。年齢を４８歳だろう？と言われて、妹も大いに気持ちよくしていた。フアヒン（日本の葉山を大規模化したところ）への２泊３日旅行にも、ナムが車つきでついて来るという。そして、アユタヤー観光も、ノイがガイドを買ってくれて、しかも、今日、これから出かけるという有様である。

  2011.04.02

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• 小さな変化

  北ＴＨ国の旅から帰ってきて、生活の変化があった。一つはぼくの寝室＝書斎にケーブルＴＶが入って、８８チャンネルが楽しめるようになったこと（それ以前は一般ＴＶでＴＨ語で１０ｃｈだけであった）。また、抜歯して義歯を装着したこと。これらは、すでに述べた。朝の植物・魚たちの世話の日課をこなしていたら、西側ヤードに身の丈１メートル５０ｃｍもあろうかというバナナのき樹が生えていた。非常に気持ち悪かった。しかし、ふと思い出した。ムラのメインテの労働者ラェさんが、ぼくらの留守中、バナナをもってきてやる、と言っていたこと。ああ、バナナの実ではなくて、バナナの樹だったのか！そう思いなおして、胸をなでおろした。土を深く掘ってしっかり植えてある。これが成長してバナナの実を生らせるのが楽しみである。 も一つ変化があった。Ｎさんが、いつも行くプータモン２イチバの魚屋で、背も腹も１００％真っ黒の鯉を見つけて買ってきた（非常に珍しい種である）。一匹だけである。この鯉は大きな壷に入れると間もなく、ジャンプして飛び出し、御影石（グラナイト）の床に飛び跳ねていた。それをＮさんがあわてて手づかみで掴んで、壷に戻した折、真っ黒な背中に白い瑕をつけてしまった。Ｎさんは気に病んでいる。しかし、以前飼っていた黒い鯉も一度はアリゲータにやられて、背中に白い瑕を受けたことがあったが、結局、それは治って見えなくなったので、気に病むことはないとしきりに慰めているところである。 間もなく、妹が尋ねてくる。深夜（１２時ちかく）、スワンナブーム空港に着陸する予定である。２度目の来訪である。震災で何かと気に病むことが多かっただろうから、丁重にもてなすつもりである。ぼくらは、Ｎさんとニックの３人で出迎えに行く予定である。当初ナムも行くと言っていたが、何かの都合で、行けなくなったとの報が入った。 妹が滞在する部屋を、より快適に美しくするよう、Ｎさんは心を細かく砕いてくれた。テレビが入って、一般のチャンネルだけだが、楽しめるようになり、チークの床にカーペットを敷き、これは男のぼくには気づかなかった点であるが、丸い鏡を買って来て設置した。

  2011.03.31

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  抜歯した

  旅行から帰ってから、多少生活に変化があった。 一つは、二階のぼくの寝室（書斎）に３２型の液晶ＴＶが一階リビングから移動してきたことは、すでに述べた。２９日に、トルゥーの職員がやってきて、二階の書斎にケーブルＴＶの配線とモデムを設置した。これで、リビングと同じＴＶ環境が整った。 二つ目は、同じく２９日に、すでに右上奥歯が折れてしまって使い物にならなくなったことも、すでに述べた。ぼくは心臓の難病のためたくさんの薬を飲んでいるのだが、そのうち血液の粘度を押さえるワーファリンを１週間服用停止しなければ、抜歯ができない。パヤチャイ病院の歯科に行って、アンクル先生に抜いてもらった。この国の歯科医は、すべてその日のうちにやってしまうとうわさでは聞いていたが、まさにその通りで、抜いた上に義歯を被せるところまで、すべて１時間もかからなかった。しかも、義歯はぴたりと嵌っている。手品みたいだ。もっとも抜糸は１週間後に行われるので、二回行かなければならないのだが。この国の医療技術はうわさどおりすばらしい。その上、この病院は高いぞ～とＮ一族に脅かされていたのだが、請求書（保険なし）を見て拍子抜けした。１２００Ｂ（約３３６０円）であった。 来週、抜糸とともに、歯の清掃と漂白をすることになっている。それは時間がかかるぞ～と医師がいうので、何日通うのか尋ねると、２時間ぐらいかかるという。拍子抜けすることばかりである。 この歯科のナースたち、事務員たち、そして医師は全員、東日本大震災のお見舞いを言ってくれた。ちなみに、医師はすばらしい英語を、その他は片言だが英語を話す。 今日は、この旅で出会った山岳民族の写真と、北タイ民俗舞踊の写真をお送りする。

  2011.03.30

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  Cheer Up Nipon!

  この旅は、愛と花と喧嘩の旅と前回記した。 日本の東日本大震災への熱い支援の思いも、在泰日本人とＴＨ人の胸に宿る。これも大きな愛であろう。 ２７日、チェンラーイ県（ＴＨ国最北端の県　ビルマと接する）からはるばる南下して、チェンマーイに着いた。夕食は、１キロ以上におよぶ大規模な縁日を歩いた。すると、至る所で、募金活動が行われていた。 日本人でチェンラーイ、チェンマーイの名を聞いたことがある方がどれだけいらっしゃるだろうか？　ぼくもろくに知らなかった。インドのタミールナドゥにあるチェンナイと間違えていたくらいである。しかし、娘から時折耳にした街の名前である。ここは、ＴＨ国第２の大都市。かつての首都である。非常に非常に美しく涼しい街である。日本人が好んでこの地に住む。街中、欧米系の外国人があふれている。中国語もよく聞いた。 文化も言語も、ＢＫＫとは異なる。 チェンマーイ空港の小さな本屋に入った。ここで、各国のガイドブックを並べているコーナーを見た。日本＋東京案内書が　７種類並んでいた。次に多かったのはラオス２種類、他の国はすべて１種類ずつである。こんなところにも日本への関心がいかに高いか伺える。 【写真：トップは地元の女子高生らしい一隊が笑顔をふりまいていた】

  2011.03.30

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  ただいま

  下記の旅程で２泊３日の旅をしてきた。相当強行軍である。チェンラーイ空港には、ポクさんが二人の運転手と２台の車（トヨタ・Hilux 3000cc 4D）を引き連れて、われわれ一行を待ち受けてくれた。そのまま、３日間、北タイ国の山岳地帯をを走り回った。 この旅で、ぼくは多くを学んだ。愛－花－喧嘩である。喧嘩とは、Nさんとぼくが旅の途中、一族の目の前で大喧嘩を演じてしまったことである。もちろん、その日のうちに仲直りをしたのだが。 この豪華で高価な旅で、恥ずかしいけど書いておかねばならない。ぼくはびた一文支払っていない。３月２６日　ドン・ムアン空港　Don Muang Airport（BKK） 　オリエント航空にて　５５分 Orient Airlines 　チェンライ 空港Chiang R ai Airport チェンラーイChiang Rai着 メーサイのイチバと国境の見物　TH国最北端の町 　ドイ・トゥン・パレスDoi Tung Palace皇太后離宮 同植物園　Botanic Garden 　ドイ・アンカーン　リゾート（王室プロジェクト）　Doi Ang Khang　泊 ３月２７日　ドイ・アンカーン　ガーデンを散策 ドイ・アンカーン植物園散策 ドイ・ステープ寺院　Doi Suthep チェンマーイChiang Mai着 スアンドク　ホテルSuan Dok Hotel　泊 ３月２８日 TH国１番の高山2595mドイ・インタノンDoi Inthanongの頂上にあるノパドンメテー・パゴ　　　ダNoppadolmethee Pagoda & ….. Pagoda　 ボアスラン傘のムラ（サンカンペーン）Borsrang Umbrella Village (Sankampaeng) ワロロ・イチバWaroros Market チェンマイChiangmai Airport発 ドン・ムアン空港　Don Muang Airport（BKK）２１時３０分着

  2011.03.29

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