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テーマ:最近観た映画。(38858)
カテゴリ:洋画
ニコラス・ケージ主演の冒険アクション。 粗筋: 10世紀前後。中東侵攻の際、大量の財宝を手に入れた十字軍は、後にフリーメーソンとなって財宝を何世紀にもわたって保護してきた。財宝は巡りに巡って新大陸のアメリカに。アメリカ独立に携わった者の多くはフリーメーソンのメンバーだった。 もしアメリカが独立に失敗したらフリーメーソンが保護してきた財宝はイギリスの手に渡ってしまう。 それを阻止したかったフリーメーソンは、財宝をある場所に隠した。いつかまた探し出せるよう、フリーメーソンは手掛かりを様々な場所に残した。 それから200年後の21世紀。 財宝の場所はフリーメーソンですら分からなくなってしまっているどころか、その手掛かりの場所や意味すら分からなくなっていて、単なるお伽話となっていた。 ベン・ゲイツは、この財宝を探し出す為にトレジャー・ハンターとして世界中を飛び回っていた。ようやく手掛かりの一つを見付ける。その手掛かりによると、次の手掛かりは何とアメリカの独立宣言書の裏にある、となっていた。 アメリカの独立宣言書は現存しているが、アメリカの国宝として厳重に保管されている。裏を見せてくれ、と頼んだくらいで見せてもらえるものではない。 そんなところ、ベンと、スポンサーのイアンの間で仲違いが起こる。ベンは違法行為まで犯して独立宣言書に近付くのはまずい、と感じていたが、イアンは違法行為を犯してでも独立宣言書を入手すべきだ、と主張したのだ。 ベンとイアンは、米国首都ワシントン特別区で保管されている独立宣言書を巡って熾烈な競争を始めた……。 感想: この映画を知った時、インディアナ・ジョーンズの現代版かな、と思った。 またフリーメーソンの陰謀かよ、アメリカ人は本当にフリーメーソンが好きなんだな、と呆れはしたものの、インディアナ・ジョーンズみたいなものなら観る価値はあると感じ、観に行くことに。 感想は……。 少なくともインディアナ・ジョーンズの現代版だとは思えなかった。 何より、ベン・ゲイツがインディアナ・ジョーンズほど魅力的なキャラクターに見えなかった。というか、ベン・ゲイツが結局どんな人物なのか、全く分からなかった。 インディアナ・ジョーンズは大学の考古学の教授という肩書きがあり、それと関連して世界中を飛び回る、という設定になっている。 ベン・ゲイツは一応考古学者らしいが、学会からは疎んじられている存在で、どこかの大学に属しているという雰囲気でもない。 ベン・ゲイツは今回あちこちを飛び回るが、その資金をどうやって捻出しているのか、さっぱり分からない。生活感がゼロなのである。 ゼロなのは主人公の生活感に留まらない。 全編の説得力がゼロに限りなく近い 北極圏で見付かった船に残された手掛かりの暗号文を、ベン・ゲイツは僅か数十秒で解読し、次の手掛かりは独立宣言書にあると判明。独立宣言書の裏にあった手掛かりは、フリーメーソンのメンバーだったベンジャミン・フランクリンの手紙にあった。その手紙を使った暗号から、次の手掛かりがある場所が判明。その場所から次の手掛かりを探し出す為の道具が……。 何か都合が良過ぎる。 ここまで簡単に探せるなら、なぜ他の連中がこれまで探せなかったのかね、と思ってしまう。 そもそもフリーメーソンはなぜこんな形で手掛かりを隠したのか。もし独立宣言書が後世に残されることがなかったら? ベンジャミン・フランクリンの手紙が構成に残されることがなかったら? 手掛かりを残した建物が破損していたり、撤去されていたり、取り壊されていたりしたら? 手掛かりはプツリと切れてしまう。 何の為に財宝を保護したのか分からない。 財宝というのも、エジプトなどの古代文明や中世の美術品で、まあ、宝には値するだろうが、量がやけに多いだけで、何となくしょぼく感じた。 本作のもう一つの問題は、悪役が貧弱なこと。ショーン・ビーン(007のゴールデンアイといい、悪役ばかりである)が演じる悪徳トレジャー・ハンターは、結局小悪党の域を出ておらず、迫力に欠けるのだ。作品では金をふんだんに使える切れ者、となってはいたが……。 主人公のベン・ゲイツも、暗号をたちまち解いてしまうなど、天才である筈なのだが、顔や言動がどうも天才らしくない。 ストーリーの構成力は、インディアナ・ジョーンズのストーリー構成をはるかに下回る。本作品はインディアナ・ジョーンズの現代版を目指したものの、その意気込みが空回りしてしまった感じ。インディアナ・ジョーンズの偉大さを改めて感じさせた。 非常に残念である。 あと、フリーメーソンを世界的な陰謀を持つ謎の巨大組織、といった取り扱いするのは、いい加減やめたらどうか。 関連商品: アドベンチャーズ・オブ・インディ・ジョーンズ コンプリートDVD 救命士(DVD) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.06.09 15:38:48
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