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カテゴリ:洋画
ジョエル・シルバーが制作したB級ホラー映画。 粗筋 マーフィーは、沈没船を引き上げては金目の物を回収して売りさばく回収屋。そんなところ、ある若者が話を持ちかけてくる。海上で漂流している客船を発見した。金目の物があるかも知れない。客船の座標を教えてやるから、金目の物が回収された際はその分け前がほしい、と。マーフィーは話に乗った。仲間を連れて、その客船のある場所に向かう。 その客船は、40 年前に突然音信不通となり、乗員乗客と共に行方が分からなくなった豪華客船だった。客船は、40年間も誰にも発見されることなく漂流していたことになる。マーフィーらは、不審に思いながらも、内部を調査した。すると、大量の金塊が発見された。これで充分元は取れる、と喜んでいたのだが……。 感想 タイトルの書体や、軽やかな音楽から、映画は非常に優雅に、そして美しく始まる。 が、それも最初の一、二分だけ。そこから一気に殺戮へと転じる。このコントラストは面白かったのだが……。 客船の話をマーフィーらに持ちかけてきた若者は、実は死に神で、金塊を餌に客船に人を集めては殺させ、一定数の魂をあの世へ運ぶ「仕事」をしていた……。 この真相はどうかね、と思ってしまう。これだと「何でもあり」の展開になってしまい、緊張感が切れてしまう。前半はホラーあり、サスペンスありでドキドキしたのだが。 「実は死に神の仕業でした」となってしまうと、不都合な部分が噴出してくる。第一は、なぜ超人的な力を持っている筈の死に神が、人間の手を借りて船を修理しなければならなかったのか、だろう。そもそもなぜ死に神は、わざわざ殺戮までお膳立てして魂を回収する必要があるのか。人なんてそこら中で死んでいるのだから、勝手に回収すれば済むことだと思うが。 40 年前に客船が音信不通となったのは、金塊に目がくらんだ犯罪組織が客船内の者を殺戮したからだ、という真相が明らかにされるが、これも意味不明。客船には 900人乗っていた。これだけの数を事前に殺して(毒殺や、銃殺や、ワイヤーで殺すなど)金塊を回収していたら手間がかかり過ぎる。それだったら金塊を秘密裏に強奪して、口封じとして客船を爆沈でもした方が合理的に思えるが(ホラーじゃなくなるか)。 鍵を握る少女(実は幽霊)、というのも蛇足。いや、蛇足ではなかったのだが、回収屋の女性にベラベラと喋り始めた時点で、アホらしくなった。 客船の船長の幽霊が登場して、マーフィーに当たり前のように語りかけるのも安易と言うか、???的な展開だし。 演出で真相を明かす手を使うと手間がかかり過ぎるし、馬鹿な鑑賞者だと訳が分からなくなる恐れがあるから、という制作者側の手抜きのように感じる。少女や船長が何も喋らずにいた方が、最初から最後まで不気味な存在として活かすことができたと思う(しかも少女はあまり可愛くないし。いや、はっきり言って、かなり不細工)。 事前知識が殆どないまま(全くなかったら映画の存在すら知らなかっただろう)観に行ったから、それなりに楽しめたが、事前知識があったら腹を立てていたかも。 悪魔や死に神とかのような超自然的な話ではなく、もう少し現実的な解決法が出されていたら良かったと思われる。 あと、軽やかな音楽で始まる冒頭とは対照的に、エンディングは最近のハリウッド映画ではお決まりと成りつつあるガンガンしたヘビメタ系の音楽(というか騒音)。 自分は大抵エンドクレジットも観るが、この時は途中で出た。 選曲にもう少し気を配ったらどうか。 関連商品: ゴーストシップ サントラ/オリジナル・サウンドトラック「ゴーストシップ」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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