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非常に適当な本と映画のページ

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2008.09.27
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カテゴリ:洋画

 イオンプロダクションによる007シリーズ第三弾。
 第一弾、第二弾に引き続き、ショーン・コネリーがイギリス情報局員ジェームス・ボンド007を演じる。
 ファンの中では最も評価の高い作品。
 隠し兵器満載のボンドカー・アストンマーティンが登場したり、敵味方の軍が対戦したりするなど、現在の007シリーズを方向付けた作品でもある。
 原題は「GOLDFINGER」。


粗筋

 イギリスから大量の金が流出していることを、イギリス情報局は掴んだ。
 容疑者とされたのは、富豪オーリック・ゴールドフィンガー。ゴールドフィンガーは、何らかの手を使ってイギリスから金を運び出しているらしい。しかし、どうやって運び出しているのか、なぜ運び出しているのか、情報局は分からないでいた。
 情報局は、007にそれについて調べろ、と命じる。
 007は、直ちにゴールドフィンガーと接触。明らかに怪しいのだが、やはり金の密輸法が掴めない。
 ゴールドフィンガーが所有する関連会社を調べたところ、007は密輸法を掴んだ。金を溶かして自家用車のボディに貼り付け、その自家用車を空輸で国外に運び出していたのだ。
 ゴールドフィンガーの悪事を掴んだが、ゴールドフィンガーはより大規模な悪事を企んでいるのが分かった。「グランドスラム計画」である。
「グランドスラム計画」とは何なのか、と007は調査を開始。しかし、捕まってしまう。
 007は、ゴールドフィンガーに始末されそうになる。が、自分を殺せば「グランドスラム計画」は絶対に実施できないぞ、と007はゴールドフィンガーを脅す。
 ゴールドフィンガーは、007が「グランドスラム計画」についてその名称以外に何も掴んでいないのは知っていた。が、何か掴んでいるかも知れない、という可能性も捨て切れない。また、007の行動は、アメリカにも監視されていた。下手に始末すると、アメリカが介入してくる恐れがある。「グランドスラム計画」は、アメリカが舞台。アメリカに入国できなくなってしまったら、「グランドスラム計画」は実施不可能になる……。
 ゴールドフィンガーは、007を殺さず、一緒にアメリカに連れて行くことにした。
 囚われの身となった007だが、ゴールドフィンガーの施設を徘徊する内に、「グランドスラム計画」の全貌を掴んだ。
 アメリカ中の金塊が貯蔵されるフォートノックスを放射能で汚染させる。フォートノックスの金塊は全て無価値になり、ゴールドフィンガーが保有する金の価値は爆発的に上がる。ゴールドフィンガーは、フォートノックスから金塊を運び出すことなく、巨万の富を得られるのだ。
「グランドスラム計画」の全貌を掴んだ007は、計画を阻止する為に動くのだが、囚われの身のまま。
「グランドスラム計画」が着々と進められていくのを、黙って見守るしかなかった……。


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感想

 シリーズ中最も人気が高く、評価も高いとされる本作。
 公開当時は斬新で、スケールが大きく、特撮満載の超大作だったのは理解できなくもないが……。
 CG満載の、下手な国家の予算に匹敵する制作費を投じた現在の超大作を見慣れている現在の視点で鑑賞すると、ただただ古さを感じざるを得ない。

 現在は、ロケをするなら俳優をロケ先に連れて行き、そこで撮影するのが当たり前。フィルムコミション制度が充実しているので、「こうしたロケ地を用意してくれないか」と製作者側が希望すれば、その希望に沿ったロケ地を探してくれ、そこで存分に撮影できる。しかし、当時はそうはいかなかったらしい。希望通りのロケ地を確保できない、もしくは希望通りのロケ地を確保できたが俳優をそこまで行かせる予算を捻出できない……。そんな訳で、セットを組んで俳優に演技させ、ロケ地の背景映像とスーパーインポーズ(合成)する手法を取らざるを得なかったようだ。本作では、007とゴールドフィンガーが初対面するマイアミのホテルの場面や、007がゴールドフィンガーをスイスで追跡する場面など、「なぜこんなのを合成シーンにしたの?」と思われるような場面でもスーパーインポーズが使用されている。当時は、撮影側からすれば俳優をわざわざその場に連れて行かなくてもよく、鑑賞者からすれば世界中が舞台になっているのを観ることができるなど、メリットばかりだったようだ。が、当時としては最高レベルのスーパーインポーズ技術も、現在の視点ではテレビの特撮番組レベル以下。安っぽさが際立ってしまっている。
 アクションシーンの演出や、撮影技術も、当時としては最高レベルのを使ったのだろうが、現在の視点からすると発展途上レベル。分かり易いといえば分かり易いのだが、臨場感に欠ける。アストンマーティンによるカーチェースシーンは、車が若干速く走っている程度にしか見えず、特殊装備を満載したボンドカーの凄さがあまり伝わってこない(助手席に座っていた敵兵をイジェクトする場面も、やけに呆気なかった)。もう少し上手い見せ方をできなかったのかね、と残念に思うばかり。007とゴールドフィンガーが直接対決する飛行機内のシーンも、やけに呆気なかった。ゴールドフィンガーは、最終的に飛行機の外へ吸い出され、命を落とすのだが、そのシーンも一瞬だけで、「え? こんなもんだったの?」とびっくりさせられるし。

 ストーリー展開も、陳腐化してしまった部分が見受けられる。
 プロットは、原作にほぼ忠実。
 したがって、製作者にあまりケチを付けてもしょうがないのだが……。
 原作の陳腐さを露呈してしまっている感じ。
 原作に若干手を加え、陳腐さをどうにか打ち消そうとしているのだが、あまり成功していない。
 ゴールドフィンガーがどうも怪しいと情報局は判断し、007に調査を命じるのだが、その007が何をするのかというと、ゴールドフィンガーと接触。ゴールドフィンガーとゴルフの対戦をし、ズルをするゴールドフィンガーを負かすなど、ゴールドフィンガーに警戒心を高める行動ばかり取る。ゴールドフィンガーがあまりにも警戒心を高め、意見な行動を一切取らなくなったらどうしていたのか。
 本作では、007はゴールドフィンガーの陰謀阻止に目立った活躍はしていない。アメリカ・イギリスの両情報局は、既にゴールドフィンガーに目を付けていた。007が動いているから、という理由で身を一歩引いて監視する程度に留めていた。007が何か知らせてきたら行動に出よう、と。アメリカ・イギリスの両情報局は、007がまさか囚われの身で身動きができず、情報を伝えられない状況にあったなど、知る由もなかった。もし知っていたら、直ちに行動に移っていただろう。「グランドスラム計画」を始まる前に阻止できていたかも知れないのである。核爆弾を間一髪で止めるのも、007ではなく、フォートノックスに乗り込んできたアメリカの情報局員。本作を観る限り、007が優秀な情報局員とはとてもじゃないが思えない。
 007は、ゴールドフィンガーの為に働いていた女性パイロットのプッシー・ガロアを寝返りさせ、協力させることで「グランドスラム計画」を阻んだが、これも運が良かっただけ。仮にプッシーが寝返らなかったら、アメリカ・イギリスの両情報局は「グランドスラム計画」の全貌を掴むことはなかった。ただ、プッシー・ガロアが寝返った理由が、よく分からない。007の接吻を受けただけで寝返るなんて、常識的に考えれば有り得ない。その意味でもストーリーは陳腐。
 ゴールドフィンガーの行動もいい加減。イギリス情報局に目を付けられている、と分かっているのに、愛車のボディに金を貼り付けて車ごと海外へ運び出す、という現在からすれば幼稚過ぎる方法で金を密輸するという、危険な行動を続ける。007を捕まえ、始末する絶好の機会を与えられたのに、007が発した言葉を聞いてそれをやめ、007を生かすどころか、007を同行させる。007を無闇に始末するとアメリカの情報局の者がなだれ込んでくるのでまずい、というのがその理由だったらしいが、007を生かして同行させたが故に007はゴールドフィンガーの企みの全貌を掴み、阻止するきっかけを提供してしまうのだ。せっかくの計画を自らぶち壊す。こんな奴が世界を恐怖に陥れる計画を実行するなんて信じられないし、そもそも事業家として成功したのも信じられない。
「グランドスラム計画」も、子供っぽい計画である。飛行機から毒ガスを散布し、フォートノックス近辺の軍用機地を無力化。アメリカ政府が異変に気付く数時間の間にフォートノックスへ侵入し、核爆弾を設置。核爆弾を爆破して、金を放射能で汚染させる、というものだが、民間機が米軍基地の上を何でもないように飛べるのか、そもそも疑問に思ってしまう。普通に考えれば空軍がスクランブル発進して、民間機を基地上空から追い出すだろう。
 仮に、放射能汚染に成功したとする。米政府も馬鹿ではない。「どこのどいつの仕業だ?」を必死に捜査するだろう。当然ながら、金の高騰で得した者を疑う。それが前々から怪しいと目を付けていたゴールドフィンガーだった、となれば検挙に動くのは当たり前。ゴールドフィンガーが逃れられる可能性は低いのである。
 当時の人はこの程度でも満足できたのかね、と思ってしまう。

 本作では、素人目でも様々なエラーが見受けられる:
・ゴールドフィンガーのボディガードであるオッド・ジョッブが石像の首を鋼鉄入りの帽子で切り落とすシーンで、落とされた首が腕に当たるのだが、その腕がボコンと跳ねる。石像が実は木製かプラスチック製のプロップであることを露呈
・アストンマーティンのアームレストに秘密兵器の作動ボタンが多数隠されているのだが、その蓋がきちんと閉まらない

 本作は、既に古典的な作品。
 最新作を観るのと同じ視点で見てしまうと、古臭い、陳腐なものに見えてしまう。
 若い頃に読んで面白かったと感じた本を、大人になって読み返すとつまらなくてしょうがない、ということがしばしばある。
 年を取ると、必要でもないのに物事を深く考えるようになり、何事も純粋に楽しめなくなってしまうのだ。
 本作は、自身が年を取ったことを改めて痛感させた。

 最近、日本のアニメを実写化した映画で、日本人役を韓国人が演じ、日本で物議をかもしたことがある。
 だが、本作品で登場するオッド・ジョッブは、韓国人という設定ながらも、日本人プロレスラーのハロルド坂田が演じた。
 半世紀前は韓国人を日本人が演じていたのだから、現在の映画で日本人を韓国人や中国人が演じるのを問題視するのは、心が狭いのかも知れない。
 西洋人の東洋の捉え方が半世紀前から進歩していない、とも読めるが。






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Last updated  2008.10.05 17:40:08
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