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非常に適当な本と映画のページ

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2010.04.28
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カテゴリ:洋画

 カナダの放送局CBCが製作したテレビ映画。
 アメリカ大統領選を巡る陰謀を描いたポリティカルサスペンス。
 日本では「合衆国崩壊の日」として紹介されている。原題は「THE TROJAN HORSE(トロイの木馬)」。


粗筋

 近未来。
 アメリカの隣国カナダは、アメリカとの合併を決める。これにより、北米は莫大な国土と莫大な自然資源を誇る巨大国家となる。
 無論、カナダ国民の全てが納得した訳ではなく、一部は祖国を併合したアメリカに対し復讐を誓う。
 数年後。
 アメリカは大統領選を迎えることに。
 元カナダ人のトムは、アメリカ大統領となってアメリカを乗っ取ることを企む。この計画に、ヨーロッパの諜報組織が加担する。超大国アメリカの暴走を食い止める為、という大義名分だった。トムは、ヨーロッパの諜報組織の助けを駆り、様々な陰謀で大統領選を有利に進める。
 一方、現職大統領も、再選の為に必死だった。支持率を上げるには戦争しかない、と考える。その舞台として選んだのが、サウジアラビアだった。サウジアラビアは未だに産油国で、アメリカの友好国。しかし最近は中国が王政を転覆させようと試みていて、テロが頻発していた。サウジアラビアに派兵すれば戦争も出来るし、アメリカのライバルとして台頭している中国も抑えられるのだ。
 そんな中、ある女性記者が陰謀に巻き込まれる。アメリカ大統領選で、ある候補を必ず勝たせる投票プログラムが何者かによって作られていたのだ。このプログラムの製作に関わった者、そしてその存在に気付いた者が次々殺される。女性記者も命を狙われ、逃げ回る羽目に。当初は、このプログラムは現職大統領の為のものだと女性記者は思っていたが、そうでない事に気付く。
 トムは、元妻でもあったアメリカ上院議員を引き入れ、副大統領候補とする。元妻は、上院議員としての経験を活かし、トムに的確なアドバイスを与える。トムは、それらのアドバイスにより大統領選をますます有利に進めていく。
 一方、現職大統領も様々な陰謀を繰り広げ、トムを引き摺り下ろそうとするが、全てが裏目に出てしまい、不利な状況に陥る。
 そして投票日を迎える。
 トムは大統領選で勝利するが、就任前にインタビューを受ける。陰謀の真相を突き止めた女性記者だった。女性記者はトムにそれを突き付けるが、トムは悪びれることもなく自身の思惑を話してしまう。自分はカナダから送られたトロイの木馬だ、祖国カナダがアメリカによって潰されたように、カナダ人の俺がアメリカを潰してやるんだ、と。女性記者一人では何も出来ないだろう、と高をくくっていたからだった。が、この会話はトムの元妻も聞いていた。元妻はトムが抱いていた陰謀など全く知らなかった為、ショックを受け、検察局に全て話してしまう。
 退任前の現職大統領は、最後の力を振り絞って次期大統領のトムを抹殺。
 その結果、副大統領候補だった元妻が大統領として就任することとなった。


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感想

 カナダの放送局がテレビ映画として製作されたものなので、当然ながら予算も技術も限られていて、ハリウッド並みとは言い難い。
 しかし予算が低いからこそ、火薬の量に頼らないストーリーを作り上げられたとも言える。
 日本だと、この手のものを製作するとドロドロした人間関係が主体となってしまい、ストーリーが無駄に重くなってしまう。が、本作は海外ドラマらしく、登場人物は無数に登場するもののその間の関係はドライに描かれていて、重くない。扱っているテーマや、描かれているストーリーは深刻なのだが(人がガンガン殺されていく)、何となく軽く、落ち着いて観ていられるのである。
 こういう点は、日本の映画やテレビドラマ制作者に見習ってもらいたい。何でもかんでもお涙頂戴にすればいいんじゃない、と。

 実際には1年以上続くアメリカ大統領選を180分程度の映画で描く必要性があった為か、ストーリーには強引というか、ご都合主義的な部分も。
 トムは、演説中に狙撃され、瀕死の怪我を負う。これが全米で注目され、回復したトムは一気に有力候補となる。無論、これはトム陣営が仕組んだ演出。トムは実際に銃弾を受けるのだが、全て計算された上でのものだった。……ということになっているが……。
 アメリカ大統領選は上述したように1年間にもわたって行われるので、狙撃された候補、というのは注目を浴びられるし、同情も得られるだろうが、それがいつまでも続くほど甘くない。
 トムは現職大統領が仕掛けてくる罠を全て潜り抜けて投票で勝利するが、二大政党に属していない独立候補として勝利する、となっている。これは二大政党が磐石なアメリカでは有り得ない。
 やっと当選したトムが、ちょっとした事で腹の中を元妻に知られてしまい、破滅する、というエンディングも、急ごしらえっぽい。何故冷静な筈のトムが、女性記者の裏付けのない推論を突き付けられただけで真相をベラベラ喋ってしまったのか、理解出来なかった。

 ストーリーは淡々と進むだけで、意外な展開はないし、どんでん返しもない。
 ラストも大体予想出来てしまう。
 その意味ではつまらないストーリーといえる。
 一方、期待を裏切ることもないので、見終わった後も「何じゃこれは?」という感想は抱かなかった。
 キャラも、ストーリーも、無味乾燥。
 感情的な要素を盛り込むと国民性がどうしても出てしまい、海外で放送し難くなるので、適切な方針だった。

 カナダ製作のテレビ映画なので、出演している俳優は全てカナダの俳優。
 本国のカナダではそれなりに有名なのかも知れないが、日本人にとっては無名な俳優ばかり。
 その分ストーリーに集中できた。

 本作で残念なのは、日本では「合衆国崩壊の日」という邦題が付けられてしまったこと。原題の「THE TROJAN HORSE(トロイの木馬)」の重大性(外から内部に侵入し、そこから破壊活動に出る)を全く反映していない邦題なのだ。
 タイトルからは、物凄い戦争アクションを満載している作品と思われがち。実際には選挙戦をひたすら描いているだけ。「崩壊」という程ではない。タイトルで期待を膨らませ過ぎると、肩透かしを食らう。

 くどいようだが、本作はカナダの放送局が製作。
 カナダは議院内閣制で、大統領制ではない。
 本作を観る限りでは、カナダはアメリカの隣国ではあるものの、アメリカ政府の実情を理解していないのではないか、と思ってしまう。大統領選の候補が熱烈な支持を終始得られる訳がないし、二大政党出身者でない独立候補が勝ってしまう、というのも有り得ない(カナダでは連邦レベルでは二大政党制が成り立っていない)。
 無論、こうして日本にいる自分がアメリカ政府の実情をカナダの連中以上に理解しているとも思えないけれども。
 アメリカ人も、自国政府の実情を理解しているとも思えないし。
 誰も理解していないからこそこういう絵空物語が生まれたと捉えるべきか。


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Last updated  2010.04.28 12:41:54
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