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非常に適当な本と映画のページ

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2010.07.25
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カテゴリ:洋画

 ニール・ゲイマンのベストセラー・ファンタジー・グラフィックノベルの映画化。
 監督は『レイヤー・ケーキ』のマシュー・ヴォーン。
 主人公をチャーリー・コックスが、ヒロインをクレア・デインズが演じる。
 ミシェル・ファイファー、ロバート・デ・ニーロ、ピーター・オトゥール等の大型俳優も登場。


粗筋

 一九世紀のイギリス。
 トリスタン(チャーリー・コックス)は、イギリスの外れにあるウォール村に住む冴えない青年。村一番の美女ヴィクトリア(シエナ・ミラー)に恋心を抱いていたが、強力なライバルハンフリーが彼の前に立ちはだかっていた。
 ある夜、村にある『壁』の向こうに落ちた流れ星を目にした彼は、それを愛の証としてヴィクトリアにプレゼントすることを決意。『壁』の向こう側に広がる魔法の国ストームホールドへと足を踏み入れる。
 トリスタンは、流れ星が落ちた場所に到着。が、そこには一人の美しい女性イヴェインが。流れ星は、イヴェインに姿を変えたていたのだった。ヴィクトリアに流れ星を見せる、と約束していたトリスタンは、イヴェインをウォール村に連れて帰る事にする。
 一方、魔法の国ストームホールドの王宮では、年老いた王が死を迎えるところだった。息子たちを呼び寄せ、次の王は、後継者の証であるルビーのネックレスを手に入れた者だ、と言い残し、ネックレスを放る。ネックレスは宇宙にまで届き、星を直撃。星は流れ星となり、ストームホールドに落下。その流れ星こそ、イヴェインだったのだ。イヴェインは、側にあったネックレスを回収し、身に着ける。
 王位継承者らは、ネックレスを手に入れる為、流れ星が落ちた場所へと急ぐ。
 同じ頃、魔女の3姉妹も流れ星を見て大喜びしていた。永遠の若さをもたらす流れ星を400年間も待ち続けていたのだ。魔女(ミシェル・ファイファー)も、流れ星が落ちた場所へと急ぐ。
 イヴェインは、自身を狙う者と、身に着けているネックレスを狙う二勢力に追跡される羽目になった。
 そんな事を知らないトリスタンは、ひたすらイヴェインと共にウォールへと向かう。最初は、イヴェインを単なる面倒な女、とばかり思っていたが、危機を切り抜けると共に彼女に惹かれていく。一方、イヴェインもトリスタンに惹かれていく。
 無論、王位継承者らや、魔女が、易々とイヴェインを逃す訳がなく、執拗な追跡を続ける……。


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感想

 人間界の直ぐ側に、当たり前の様に魔法の国があり、人間界の若者がふとした事で魔法の国に入り、大冒険を繰り広げる……。
 という展開のファンタジー小説は、古くはナルニア物語、最近のでハリー・ポッターがある。
 いずれも映画化された。
 ただ、ナルニア物語も、ハリー・ポッターも、大人より子供の鑑賞に堪えられる事を最優先しているので(子供が主人公)、大人が読む(観る)とどうしても白ける面があった。
 しかし、本作では、主人公は、立派な大人とは言い難いが、子供ではない。したがって、観ていても白ける事はなかった。

 ファンタジーなので、「何でもあり」的な部分がある。
 イギリスの田舎町ウォールは、魔法の国と接した『壁』があり、そこを超えると人間は魔法の国に入ることが出来る。ただ、この魔法の国の存在は、ウォールの住民は何となく知っているが、それ以外のイギリスでは全く認知されていない。
 魔法の国では、人間界では「非科学的」として一蹴されてしまう事が当たり前のように起こり得る。
 通常の人間は、近代科学では有り得ない「魔法の国」に迷い込んだら困惑するばかりだろうが、登場人物は魔法の国の不思議な魔法を、当たり前の様に受け入れ、鑑賞者にもそれを強いる。
 これらのお約束事を理解出来ない、納得出来ない、許容出来ない、という人には、全く面白くない作品だろう。

 ファンタジー=子供向け、と考える者は多いが、本作では人がやけにバタバタと死ぬので、「子供向け」とは言い難い。
 無論、子供の鑑賞にも耐えられるよう、惨いシーンはないが。
 王位継承者も、バタバタと死んでいくが、幽霊となって再登場するので、その意味でも残虐性は薄れている。

 ナルニア物語やハリー・ポッターはシリーズ物なので、当然ながら、1作で完結せず、「次回作に持ち越されます。期待して下さい」的な部分があり、がっかりしてしまう。
 が、本作はこの1作で完結しているので、全ての複線が有耶無耶に終わらず、解決するので、観ていて気持ちが良い。
 そんな訳で、トリスタン(18年前に魔法の国に忍び込んだ父親と、魔法の国で奴隷として働いていた女性と結ばれた結果生まれた)は、母親との再会を果たす。しかもこの母親は長年行方不明になっていた王の娘だった。最終的には、王の息子らは全て死ぬので、王の血を引く唯一の男子として、トリスタンがストーンホールドの新たな王となる。トリスタンはヴィクトリアよりイヴェインこそ最愛の女性だと知り、結婚。二人は共に魔法の国を統治する。
 出来過ぎた感がなくもないが、何もかも宙ぶらりんに終わってしまうより、「勧善懲悪。めでたしめでたし」の方が、後味も良い。

 本作では、ミシェル・ファイファー、ロバート・デ・ニーロ、ピーター・オトゥール等の大物俳優がサポート役として登場。
 ピーター・オトゥールは老いた王、ミシェル・ファイファーはイヴェインの命を狙う魔女、ロバート・デ・ニーロは悪名高い「海賊」を演じる。
 ミシェル・ファイファーは、特殊メイクで醜い老女になるなど、「よくこんな役を引き受けたな」と感心。ただ、「若くなった」時の彼女も、既に歳のいった中年女性。昔の様に役を選べないのかも知れない。
 ファイファー以上に驚くのが、ロバート・デ・ニーロ。彼は、悪名高い「海賊」を演じる男――シェイクスピア――を演じる。シェイクスピアは、実は女装を趣味とする、血を見るのが嫌いな男。ただ、父親から引き継いだ海賊船とその船員らをまとめる為に、冷酷な振りをしていただけだった。本作では、デニーロが女装して踊る場面が流される。何故デニーロはこんな役を引き受けたのか、とびっくり。ただ、つい先日観たコップランドでも、デニーロはこれまでのイメージとは異なる役を演じていたので、こういう役も積極的にやりたかったのかも知れない。

 以前観たハリー・ポッターで納得がいかなかったのは、人間界では完全に除け者にされていた主人公ハリーが、魔法界では物凄いヒーローだった、という展開。主人公がやけにちやほやされるのである。
 本作では、トリスタンはハリーと同様、人間界では落ちこぼれ。そんな彼は魔法の国に踏み込むが、そこでも彼はごく普通の若者で、ちやほやされない。彼が、自分は王の血を引いている、と知るのは最後になってから(鑑賞者は何となく予想出来るが)。不必要にちやほやされない主人公は、共感できる。

 ただ、トリスタンの心情の変化には付いて行けない部分もなくもない。彼が元々流れ星を追ったのは、ヴィクトリアという村一番の美女の愛を勝ち取る為だった。が、その流れ星――イヴェイン――と旅をしている内に、心はヴィクトリアからイヴェインへと移り、結局ヴィクトリアをハンフリーにあっさりと譲ってしまう。子供っぽい一方的な恋(ヴィクトリア)から、相手を知ることで感じられた大人の恋(イヴェイン)への変化とも言えるが……。
 これ程簡単に心移りしてしまうトリスタンは、大丈夫なのか、と心配してしまう。
 エピローグでは、「二人はその後80年ストロングホールドを統治した」とされるので、そういう心配は無用か。

 CGが当たり前の今となっては、本作のSFXは最早大したものではないが、安っぽく見えず、邦画のものより納得がいく。

 ファンタジーが大好き、ファンタジー的な要素のある作品を受け入れる心はある、ベタな勧善懲悪こそ映画の醍醐味、という者にとっては満足できる作品。
 それ以外の者にとっては、苦痛の連続となる作品だろう。


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Last updated  2010.07.25 16:48:04
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