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カテゴリ:洋画
アメリカのコミック出版社マーベルによる自社のコミック・シリーズの映画化。 本作では、それぞれ独自のコミックシリーズ(そして映画シリーズ)を持つキャラ(アイアンマン、ハルク、キャプテンアメリカ、ソー等)を一同に集めてチームを結成させ、活躍させていて、まさにスーパーヒーロー祭り状態。 出演は「アイアンマン・シリーズ」のロバート・ダウニー・Jrとグウィネス・パルトローとスカーレット・ヨハンソン、「キャプテンアメリカ」のクリス・エヴァンスの他に、サミュエル・L・ジャクソン、マーク・ラファロが登場する。 粗筋 神々の国アスガルドから宇宙空間に飛ばされたロキは、そこで遭遇した宇宙人種族チタウリのリーダーと地球に侵攻する事で手を組む。 一方、地球では国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーが緊急事態に陥っている研究施設を訪れていた。そこでは、エリック・セルヴィグ博士が研究を進めていた、無尽のエネルギーを秘めた謎の物体「四次元キューブ」が暴走を始めていた。そこに突如ワームホールが開き、ロキが現れる。ロキはコズミック・スピアでセルヴィグやクリント・バートンの心を操り、味方にした上でキューブを奪い、施設から脱出する。 世界滅亡の危機を前に、フューリーはヒーローたちの最強チーム「アベンジャーズ」を結成する。女スパイのナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ)、ブルース・バナー博士(ハルク)、トニー・スターク(アイアンマン)、スティーヴ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)が結集する。 ドイツに現れたロキは、駆け付けたロジャース、スターク、ロマノフと対峙するが、呆気無く降参する。その隙に、バートンはキューブの安定化に必要なイリジウムを盗んでいた。ロキの義兄、ソーはロキに地球侵略を諦めてアスガルドに戻るよう説得するが適わず、仕方なくスタークとロジャースに従ってS.H.I.E.L.D.の空飛ぶ空母、ヘリキャリア(Helicarrier)の中にある監獄にロキを閉じ込めた。科学者のバナーとスタークは、キューブの位置を特定しようとする。 S.H.I.E.L.D.がキューブの秘められた力を地球外生命体からの攻撃への抑止力として利用しようとしている事を知ったアベンジャーズは激論となり、仲間割れを起こす。 その間、ロキに操られたバートンらはヘリキャリアを急襲し、エンジンを爆破し航行不能に陥らせる。 そのどさくさに紛れてロキはヘリキャリアから脱出する。 スタークとロジャースは、ロキの目的がアベンジャーズの打倒にとどまらず、自身の力を見せ付けて地上に君臨する事であると気付く。ロキはキューブとセルヴィグが作った装置を使ってスターク・タワーの真上にワームホールを開くと、チタウリの艦隊を呼び寄せ、攻撃を開始した。 アベンジャーズは反撃。スターク・タワーの屋上に到達したロマノフは、ロキのコズミック・スピアを使えばワームホールを閉じられる事を目が覚めたセルヴィグから教えられる。 一方、フューリーの上官たちは侵略を食い止める為にマンハッタンに核ミサイルを打ち込む事を決定していた。スタークは発射された核ミサイルに飛び乗り、無理やり進行方向を曲げてワームホールを通してしチタウリの艦隊へと向かわせる。ミサイルがチタウリの母艦に命中すると、地上にいるチタウリの兵士たちが動かなくなった。 ワームホールはロマノフの手で完全に閉じられた。 平和な日常に戻り、ソーはロキとキューブと共にアスガルドに戻る。 感想 それぞれが主役を張れる(一部では既に張っている)アメリカン・コミック・ヒーローが集まって活躍するという、お祭り映画。 ストーリーはどうでもいいから、ハリウッドの最新技術を駆使した映像に圧倒されろ、というタイプの作品である。 CMの「日本よ、これが映画だ」というキャッチコピーが日本人(日本映画界)を馬鹿にしているとの非難の声が一部で挙がったが……。 映像を観ると、このキャッチコピーも納得出来る。 日本は映画というと社会への問題提起の媒体と見なす傾向が強い為、どうしても湿ぼったい代物が多くなってしまうが、アメリカは「映画=娯楽」という考えがあるので、こうした派手な、楽観的な作品が出来上がる。 湿ぼったい日本映画もそれなりの存在意義はあると思うが、「金払ってまで何故ウダウダ悩みを抱え込まなければならない?」という鑑賞者からすれば、アメリカ映画の方が取っ付き易い。 お祭り映画なので、細かい部分を見たら突っ込みどころが多い。 そもそも国際平和維持組織S.H.I.E.L.D.の存在意義が不明。 空飛ぶ空母等、物凄い装備を保有しているのに、いざ脅威が訪れると、結局頼るのはアベンジャーズというヒーロー集団。敵があまりにも強大なのでそうせざるを得ない、という側面はあるのだろうが……。 ハルクやソーやキャプテンアメリカは超人だが、アイアンマンはスーツ以外は普通の人間だし、ブラック・ウィドウもホークアイも身体能力が高いだけの生身の人間。 S.H.I.E.L.D.の空飛ぶ空母等の装備がアベンジャーズに劣るとは思えないのだが。 S.H.I.E.L.D.という組織の脆弱さも顕著。ロキに操られたホークアイが操縦する戦闘機は、何の抵抗もなく空母に接近し、攻撃を加えられた。たった1機でそこまでの被害を受けてしまう運営をする連中に、貴重な装備を渡していいものなのか。 寧ろS.H.I.E.L.D.がいない方が世界平和が維持されるのでは、と思ってしまう。 演出は、ハリウッドらしく能天気で、ハッピーエンドに終わる。 一部のキャラは死んでしまうが(登場人物意外でも、市内であれだけのバトルを繰り広げているので多数の死者が出ていると思われるが、作中では深く追求されない)、それでも後味の悪さは感じない。 アメリカ映画はこういうところは相変わらず上手いな、と思わせる。 突込みどころは多くあるが、「大人向けのお子様映画」と考えれば、何となく許せてしまう。 クレジット後にちょっとしたシーンが挿入されている等、最後まで楽しめられる。
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Last updated
2012.09.05 19:29:55
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