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非常に適当な本と映画のページ

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2012.10.08
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カテゴリ:洋画

 ロバート・ラドラムのスパイ小説「ボーン・シリーズ」の映画版第4作。
 ただ、原作は3部作で終わっているので(原作者は既に死去しているので、本人によって続編が発表される事はない)、オリジナルストーリー。
 また、企画段階で映画版ボーン・シリーズを手掛けてきた監督が降板しており、その結果主役を演じたマット・デイモンまでもが鋼板。その結果、全く新たなキャラを登場させ、ボーンと絡めるという、スピン・オフ的な映画になってしまった。
 見方によっては、ボーン・シリーズの名前を借りているだけの、全く別の映画といえる。
 主人公アーロン・クロスをジェレミー・レナー、ヒロインをレイチェル・ワイズが演じる。二人をラストで追う「ラークス戦闘員」を演じるのは、日台系アメリカ人俳優のルイ・オザワ。


粗筋

 CIAの極秘プログラム「トレッドストーン計画」によって生み出された最強の暗殺者ジェイソン・ボーンが、ロンドンで新聞記者に接触しようとしていた頃。ボーンと内部調査局のパメラ・ランディ(ジョアン・アレン)の告発によって計画が明るみに出る事を恐れたCIA本部では、国家調査研究所のリック・バイヤー(エドワード・ノートン)が証拠隠滅の為に「トレッドストーン計画」は勿論、他の関連計画の抹消を命じる。その中に、「アウトカム計画」も含まれていた。
 遠く離れたアラスカのCIA訓練地では、「アウトカム計画」によって生み出された暗殺者の一人であるアーロン・クロス(ジェレミー・レナー)が訓練を積んでいた。「アウトカム計画」は、薬物投与によって人間の特殊能力を引き出す、というプログラムだったので、アーロンは薬の服用を義務付けられていた。彼は、最近の相次ぐ予定変更から、自分の身に危険が迫っている事を察知する。その予感通り、生みの親である筈のCIAによって襲撃される。アーロンは自身の死を偽装し、取りあえず難を逃れる。
 アーロンの体調を管理しているステリシン・モルランタ社では、職員の一人が突然銃を乱射。一人以外の研究員全員を射殺した。唯一生き残ったマルタ・シェアリング博士(レイチェル・ワイズ)は、研究所で行なっていたCIAの委託業務に事件の原因があると知る。研究員は、CIAによって口封じの為に殺されたのだ、と。彼女は偶々助かっただけだったので、CIAは再び襲い掛かる。そこにアーロンが現れ、彼女を救出する。
 薬を求めてマルタのところへやって来たアーロンは、薬は既に服用が中止され、プログラム従事者の体には半永久的な効果を持つ活性ウイルスが培養されている事を聞く。彼女と共に、ウイルスを製造しているマニラへと向かう。
 一方、マルタ暗殺の失敗を知ったバイヤーは、彼女を病原体盗難の重要容疑者に仕立て上げ、安全保障局や国防省を巻き込んだ非常事態宣言を発令。その時点で、アーロンがまだ生きていて、マルタと行動を共にしている事も知った。組織的な捜査によって、2人の行方を洗い出す。
 マニラに到着したマルタとアーロンは、研究所に潜入し、アーロンにウィルスを投入する事に成功する。が、地元警察から追われる身となった。
 マニラの警察に全てを任せないと感じていたバイヤーは、別の暗殺者育成プログラム「ラークス計画」の戦闘員(ルイ・オザワ)をタイのバンコクから送り込む。
 アーロンとマルタは執拗に追うラークス戦闘員をどうにか倒し、フィリピンを脱出。
 バイヤーは、「アウトカム計画」の完全消去に失敗した事を認めざるを得ず、対策の仕切り直しを迫られる。


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感想

 本作は、ボーン・シリーズの一環として制作され、まさにそうであるかのように匂わせているが……。
 ボーン三部作について端的に言及され、ジェイソン・ボーンを演じるマット・デイモンの顔が一瞬だけ見られるが(写真としてだけ)、実質的にはボーン・シリーズでも何でもなく、タイトルもCMも詐欺っぽく感じてしまう。
 ここまでボーン三部作との関連性がないなら、いっそ新シリーズにしてしまえば良かったのに、と思う。

 全体的なストーリーは、ボーン・シリーズの第1作とほぼ同じ。
 特に結末はちょっと設定を変えただけで、リメークといっても良い程。

 主人公アーロン・クロスを演じるのは、最近様々な話題作(MI4、アベンジャーズ)で登場しているジェレミー・レナー。それなりの存在感がある俳優だが……。年を食ってしまったベイビーフェイスで、「格好いい」とは思えず、何故注目される様になったのかよく分からない(アカデミー賞受賞作「ハート・ロッカー」に出演していたらしいが)。
 ヒロインのレイチェル・ワイズは、ハムナプトラに出演した時と比べて大分歳を取ったな、といった印象。既に40代になっているので、当然といえば当然だが。尤も、画面上では40代に見えないくらい若々しいが。
 ラークス戦闘員として登場するルイ・オザワは、プレデターズで演じたヤクザキャラと同様、無口な人物を演じる。本人は英語は勿論、日本語にも堪能らしいが。

 ハリウッド映画らしく、アクションは派手で、迫力満点。
 日本映画が100年かけても製作出来ないシーンを満載。
 ただ、カーチェイスのシーンに至っては、相変わらず細切れシーンの連続で、何が起こっているのか分かり難い。

 本作の最大の問題点が、「この映画の展開は本当に必要だったのか?」と終始思いながら観てしまう事。
 CIAの研究所責任者バイヤーは、ジェイソン・ボーンやその関係者によって、暗殺者育成プログラム「トレッドストーン計画」が公になる瀬戸際に立たされているのを知る。その段階で、どういう訳が「CIAが手掛けてきた同様のプログラム全てを『消去』せねば!」という強迫観念に駆られ、類似プログラムの「アウトカム計画」で生み出された戦闘員を次々処分。また、戦闘員の健康管理を受け持っていた製薬会社の研究員を殺す。
 限られた者にしか知られていない極秘プログラムを抹消する、という割にはやけに派手な手段を使い(製薬会社の乱射事件は当然ながら国内ニュースで大きく取り扱われる)、何の為の抹消なのか不明になってしまっている。
 これだったら単にトレッドストーン計画を捨て駒にして公にし、他の計画に関しては黙秘や否認を貫く、という手段に出た方が、無駄に人を殺さずに済んだし、「アウトカム計画」もそのまま残って戦闘員も活動を続けられただろうに、と思う(結末では、まさにそうなっているし)。今回の抹消活動では、折角任務先で重要な役割を果たしていたアウトカム計画の戦闘員が始末されてしまい、CIAはその局面においてゼロからスタートする羽目になり、今後工作に支障が出る様になってしまっている。
 始末の仕方も不明な部分が多い。殆どには単に毒物を「通常の薬だ」と渡して毒殺しているのに、アーロンだけはロケットをぶち込んで建物ごと吹き飛ばす、という乱暴な手段に打って出ている(アーロンはその建物から偶々離れていて、難を逃れた)。繊細なのか、いい加減なのか分からない。結局「アウトカム計画」の抹消に失敗する原因を作り、「トレッドストーン計画」どころか「アウトカム計画」も公にされる可能性を高めてしまった。
「トレッドストーン計画」「アウトカム計画」の抹消に躍起になりながら、アーロンとマルタを始末する手段として、またまた別のプログラム「ラークス計画」を持ち出している。何故「アウトカム計画」は抹消対象で、「ラークス計画」は大丈夫なのか、説得力がない。フィリピンにおける派手なチェイスで、「ラークス計画」も公になってしまう可能性が出て来た。その場合、抹消するのか。抹消するのに、またまた別のプログラムを使うのか。一体いくつプログラムを持っているのかね。
 007やミッション・インポッシブルシリーズは、所属する工作員が世界秩序の為に戦う姿を描いている。諜報機関が優秀である事を示している。汚い仕事をするものの、存在意義がある訳である。
 一方、このボーン・シリーズは、諜報機関内での尻拭いの模様がひたすら描かれている。「国家の為」に存在するとされながら、一連の活動は全く国の為になっていない。国民に無駄に危害を加え、それを血税を投入してやっているのだから、存在意義を感じさせず、寧ろ存在しない方が世界平和の為になる、と思ってしまう。
 戦闘員を散々育成しておきながら、「公になっては困る!」と慌てるのもおかしい。戦闘員を国が育成していた、という事実のどこが衝撃的なのか、そもそも分からない。日本みたいな平和ボケした、まともな軍隊を保有していない国ならともかく、陸海空軍を保有し、戦闘能力を充分以上に持つアメリカで、「実は戦闘員を育成していました」と発表したところで、一般市民がどれだけ問題視するか)。
 諜報機関を巡る映画シリーズなのに、この落差は何なのか。


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Last updated  2012.10.09 00:14:08
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