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カテゴリ:先生たちへ!
本日の原付講習の受付に、どこかで見たような顔がありました。
相手も私に気付いたらしく、小さくお辞儀をしてくれました。 彼はA君。私が8年前に非常勤講師として勤務していた私立高校の生徒の一人でした。 その学校には校則を守らない生徒がたくさんいました。 彼もその一人で、たまに先生と大声で口論をしていたこともありました。 私はその度に「なんで先生が注意するかは分かってるやろ?」と問いかけたものでした。 ある先生は「あんなのろくな大人にならない。相手にするだけ時間の無駄だ」と私に言ったこともありました。 そんな彼は現在26歳。果たして「ろくな大人」になっていないのでしょうか? 今日の彼は当時の彼からは想像できないような爽やかな笑顔の青年でした。 しかも免許を取りに来たのは、彼でなく彼の友人。その友人に書類の書き方を教えてあげていました。 その友人も彼と同年代。その書類の文字は決して上手ではありませんでしたが、できるだけ丁寧に文字を書こうとした努力が見て取れました。 「文字は下手でもいいから、できるだけ丁寧に書くんや!」と彼がその友人にかけていた声が私の耳に入っていました。 聞けば現在は理容師として仕事をしているとのことでした。 彼はなぜ手に職を持つ爽やかな青年になれたのでしょう? 勿論、接客業に就いてその厳しさに触れたことも要因だと思います。 しかし私は今日の彼を見て、その高校の数名の先生を思い出しました。 たとえ大声で口論になっても彼に正しいことを言い続けた、担任のK先生。 そんな彼に常におおらかな物腰で、正しい方向を示唆し続けた数学のI先生。 ときには笑顔で、ときには鬼の形相で彼に対峙し、彼に人としての正論を投げかけ続けた家庭科のI先生。 先生方の言葉が実を結んだ結果が今日の彼の姿であったと私は確信します。 彼も含めてその高校のほとんどの生徒にあきらめを感じていた先生も多い中、彼も含めた全ての生徒の将来を想い続けたあなたたちの『先生としての正しい言葉』が今日の彼の爽やかな笑顔や態度に表れていたのです。 担任のK先生、数学のI先生、家庭科のI先生。あなたたちの育てた生徒の一人が立派な社会人となり、手に職をつけて接客業に就き、友人を思いやる青年に成長しましたよ。 彼はあなたたちのような先生に出会えて本当に幸せなのです。 あなたたちのような先生を、『本当の先生』というのですね。 私も改めて今日それをあなたたちから教わりました。 鳥肌が立つほど感動しました。 そして、私もあなたたちのような『先生』で出会えて心から感謝しております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.07.27 00:30:28
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