宇宙と三平方の定理 7
三平方の定理は中学3年生以上なら周知のことだが、直角三角形の三辺の長さを示すものだ。直角を作る2辺を a , b として残りの斜辺を c とすると、必ず a² +b² = c² の関係となる。二乗=平方数を用いるということは、自ずから平方根を用いる機会が訪れる。なぜなら整数のすべてが平方数ではないからだ。ということは・・・『全ては整数で割り切れる』という説が成り立たなくなってしまったのだ。ピタゴラスの人生を短く紹介する書籍では、これが原因で彼は殺害された・・・とある。もちろんそれは間違いではないのだが、厳密にはそれは原因のひとつであり、全てではないようだ。彼は『宇宙は数字でできている』とも断言している。おそらく彼はそれよりかなり以前に無理数の存在に気づいていたのかもしれない。つまるところ、彼は宇宙の神秘に完全に人類が触れてしまうことを回避するために無理数の存在を封殺しようとしたのではないか・・・という考えに私を誘導してしまう。