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カテゴリ:小説/物語
年が明けてからこの3月末まで私が顔を出さなくなったことを心配して、先輩はわざわざ会いにきてくれたのだった。
休憩スペースの自販機で買った飲み物を飲みながら、久しぶりに先輩との話に花が咲いた。 なんの意味もない他愛のない話であったが楽しかった。 しばらくして「お前が元気そうで安心したわ。」と腰を上げた先輩は私に3通の手紙を渡した。 そして「また顔出しにきてくれや。」と言って背中越しに手を振りながら去っていった。 私は彼の背中に向かって、会いに来てくれたことのお礼を言った。 帰りの電車内で私はそれらの手紙を読んだ。 1通目は読む前から誰のものかが分かった。 その封筒には大きなたどたどしい文字で「ゴマのおにいちゃんへ」と書かれていた。 まーちゃんだ。 そこには、あの日のお礼と、ジャンパーをまだ大切に着ていること、、、 最近はお母さんと晩御飯を食べていることが書かれていた。 そして最後に「またあそびにつれていってください。」と結ばれていた。 2通目は、先輩のお母さんからがった。 実に短い文章が書かれていた。 「最近どないしてんの? 元気か? また顔出しに来てや。 あんまり来ぇへんかったらこっちから訪ねていくで。」 、、、実にお母さんらしい手紙だった。 3通目は打って変わって便せん5枚にびっしりと文字が書き込まれていた。 あのヤンキー女、まーちゃんのお母さんからだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.02.04 02:12:22
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