預言者フィデル
米大統領 キューバに到着 88年ぶりアメリカのオバマ大統領は、日本時間の21日朝、キューバに到着しました。現職のアメリカ大統領がキューバを訪問するのは88年ぶりで、現地では首脳会談や野球の親善試合の観戦をして、国交回復に伴う両国の新たな時代の到来をアピールする見通しです。オバマ大統領は、現地時間20日午後4時すぎ、キューバの首都ハバナに到着しました。アメリカとキューバは、キューバ革命をきっかけに1961年に国交を断絶してから半世紀以上にわたって対立してきましたが、去年7月、国交を回復し、現職のアメリカ大統領としては88年ぶりとなるキューバ訪問が実現しました。オバマ大統領はこのあと、ミシェル夫人ら家族とともにハバナの旧市街を訪れることになっています。3日間の訪問中、オバマ大統領はラウル・カストロ国家評議会議長と首脳会談を行うほか、両国の企業関係者によるパネルディスカッションに参加します。また、野球のキューバ代表とアメリカ大リーグの球団との親善試合を観戦するなど、訪問を通じて両国の新たな時代の到来をアピールする見通しです。一方、オバマ大統領は、キューバの社会主義体制の下で人権を巡る状況が改善されていないとして、現地の民主活動家らとも面会することにしていて、アメリカとしては、キューバに対する経済制裁の緩和を進めるうえで人権問題の改善を重視する姿勢を改めて示すことにしています。---歴史的国交回復、そして歴史的キューバ訪問です。ラウル・カストロとは首脳会談を行うそうですが、兄のフィデルとは会う予定はないのでしょうか。ところで、話は変わりますが、フィデル・カストロは1973年、こんな発言をしているそうです。Estados Unidos vendá a dialogar con nosotros, cuando tenga un presidente negro, y haya en el mundo un Papa latinoamericano.「黒人が米国大統領となり、ラテンアメリカ出身者がローマ法王になったとき、米国は我々と話し合いに来るだろう。」オバマ大統領、そして史上初めてラテンアメリカ出身のローマ法王となったフランシスコ法王。まさしく予言的中です。まあ、実際のところは予言というより、「電信柱に花が咲いたら」の類、つまり、そんなことは起こらないだろうというニュアンスだったのかもしれませんが。キューバと米国の歴史的和解はうれしい限りですが、ただその背景にはキューバを支援してきたベネズエラが、原油価格暴落で青息吐息になってしまい、チャベスの死後後継大統領となったニコラス・マドゥロの与党が選挙で大敗するなど、今後のキューバ支援の可能性が不透明になっていることが、大きな要因として存在しています。栄枯盛衰は世の常なので、仕方のないことですが。