テーマ:本のある暮らし(3187)
カテゴリ:ご本
『博士の愛した数式』の小川洋子さんと、数学者で作家の藤原正彦さんの対談。 小川洋子さんが『博士の…』をベストセラーにして、数学の美しさを広めた功績は大きいと思う。私のような私立文系しか受けられなかったおバカちゃんには目からウロコだった。 高校の頃にこの本に出会えればなあと思うけど、今だから思うだけで読んで知っていたとしても結局勉強しなかっただろうなあ。 本書に出てくる、 インドのラマヌジャンという青年は毎朝6つの定理を思いついた、彼曰く、「夢の中で女神がお告げしてくれる」という話とか、 日本の数学者でフェルマー予想の解決を導く美しい美しい予想「谷山=志村予想」を打ち立てた谷山豊という人は、それが認められなかったために結婚を来月に控えたところで自殺、婚約者はすぐに後を追ってしまった……という話とか、 まさに、事実は小説よりも奇なり!! おもろーい。 一番良かったのは藤原さんが 「役に立たない学問が一番尊い学問!!」 と力説するところ。 曰く「役に立ったらダメ」。 すぐに役に立つものよりも深い真理を求める研究なのだから、とか、せっかく進化したんだから生きるためだけの学問しても仕方ない、とか、説明はいろいろできると思うけど、感動してしまった。 「どうしよう、お金出して勉強して誰の役にも立ってないからボランティアでも始めようかしら……」と大学院時代、鬱々と悩んでいた私は本当に、やっぱり、好きじゃなかったんだろうなあ、研究。 ナマケモノだし。 でもさー、就職活動で求められるのって別の生産性であることが多くてー、と呟いてみる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.10.28 21:52:17
コメント(0) | コメントを書く
[ご本] カテゴリの最新記事
|
|