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2006.05.03
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カテゴリ:米国株式の魅力

 

2001年、同時多発テロ翌月の10月5日、TV東京の経済特別番組にNYから中継で出演させていただく機会がありました。東京スタジオは竹中大臣のほか日本を代表するエコノミストの先生方という超豪華メンバーでした。東京スタジオではテロが経済に与える悪影響を懸念する意見が大半を占めていたので、大変緊張しながらも、私は株式相場の見通しを聞かれ、「V字型に回復する」と申し上げました。当時ダウは9000ドルちょうど近辺で推移していましたが、その後半年で約20%上昇しました。

2003年、アメリカがイラク攻撃を開始した直後の3月23日、同じくTV東京の経済特別生番組に出演させていただく機会がありました。NYでも著名なエコノミストとの討論形式でしたが、やはりイラク攻撃が消費者心理に与える悪影響を懸念する意見を述べられる中、私は株式相場の見通しを聞かれ、「本格的に上昇する」と申し上げました。当時ダウは8000ドル近辺でしたが、それがダウの安値でした。

何故、エコノミストとファンドマネジャーでこれほど見方が異なるのでしょうか?先週ご紹介した式に当てはめて考えてみたいと思います。


 

株価=一株当りキャッシュフロー

国債利回り+リスクプレミアム - 成長率


この式のうち、分子のキャッシュフロー(利益)、分母の国債利回り(金利動向)、成長率はエコノミストの専門分野です。しかしただ一つ、エコノミストの専門分野でない項目があります。それがリスクプレミアムです。

前々号でご紹介した通り、リスクプレミアムとは「株式に投資する際、国債を何%上回るリターンを要求するか」という事です。どのような時にリスクプレミアムが上昇するかというと、株式への投資家が多くのリターンを要求する時です。それではどのような時に投資家が株式に多くのリターンを要求するかというと、株式投資のリスクが高い時、例えば経済・政治情勢が不安定な時、企業の利益が読み辛い時など、投資家の不安心理が高まっている時です。投資家の不安心理なのですから、実際に株式市場で資金を運用しているファンドマネジャーが一番分かる立場にあるのです。

投資家の不安心理が高まると、リスクプレミアムは上昇し、株価は下落します。しかし前述の通り、リスクプレミアムとは裏を返せば株式に要求しているリターンであるわけですから、リスクプレミアムが高い時に投資すれば高いリターンが得られる可能性が高い訳です。冒頭でご紹介した2つの番組、そもそも何故経済特別番組が組まれたかというと、それほど人々が不安になっていて関心が高かったからです。極端に言えば、そのような特別番組が組まれる事自体、その後株価が上昇する可能性が高かった、とも言えます。

上記2番組内では示しませんでしたが、私は投資家の不安心理を表す客観的指標である株価予想変動率を根拠としていました(予想変動率についてはまた別の機会に解説させていただきます)。これはシカゴ・オプション取引所で実際に取引されています。2001年9月の予想変動率は49%にまで、2003年3月は35%にまで上昇していました。通常20%以下で推移している予想変動率がこのような異常値を示しているという事は、その後株価が「V字回復」する可能性は非常に高かったのです。






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最終更新日  2006.05.08 20:37:01
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