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2006.06.21
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カテゴリ:米国株式の魅力
前回までで、株価変動率がリスクプレミアムの高低を測る有効な指標である事を説明させていただきました。「そんなに簡単にタイミングを見付ける方法があるのはおかしい」とか「皆がやり始めれば結局そのようなやり方も効かなくなる」と思われたかもしれません。しかしそうではない事を証明したいと思います。オプションの話が入るので少し難しいかもしれませんが、「良いビジネスを安く買う」の「安く買う」部分に非常に重要ですのでご理解いただきたいと思います。

この株価変動率というのは株式のオプション(保険)から算出されています。ここで株式オプションの算出に必要な変数を挙げてみます。

オプション価格=f(株価、行使価格、利子率、配当、変動率)

この式のうち、行使価格は決めればいいだけですし、株価、利子率、配当は簡単に入手できる情報です。しかしそれだけでは分からない変数が2つ(オプション価格と変動率)残ってしまうので式が成り立ちません。変動率は過去の数字、例えば過去3カ月とか6カ月のうちにどれだけ動いたか(これをヒストリカル・ボラティリティーと呼びます)を入手する事は可能ですが、これではこの先の保険料であるオプション料の算出には役立ちません。

結局オプション料は市場に決めさせるしかありません。米国では株式オプションが市場で取引されており、保険会社のようにオプションを売る側と、ヘッジが必要な投資家をはじめとするオプションを買う側との需要と供給によってオプション価格が決まっています。相場の先行き不透明感が強いと、保険会社は保険(オプション)を安く売りたくない一方、投資家はそのリスクをヘッジするために少々高くても保険を買いたいでしょうから、オプション価格(保険料)は上昇します。相場が落ち着いてくれば、保険に対するニーズが衰え、オプション価格も低下します。

こうして市場で決められたオプション価格を上記の式に入れると、分からない変数は変動率のみになります。変数はこの変動率のみになるので、逆算すれば答えが出てきます。こうして出てきた答えが前回でもご紹介した株価変動率なのです。厳密にはこれは市場が予想している将来の予想変動率(インプライド・ボラティリティー)であり、前出の過去の数字であるヒストリカル・ボラティリティーとは異なるものです。

このように株価変動率はオプション価格から算出しているので、それ自体が市場価格を前提にしたものです。株価変動率が高いという事はそれだけ保険を売りたい人が少なく、株価変動リスクをヘッジしたい人が多い、という事です。このような状況の中で保険会社のように保険を売るリスクを覚悟できるかどうかが問題です。「株価変動率が高い時に投資していれば高いリターンが得られる」と申し上げましたが、そのような時に株式に投資するという事はそれなりのリスクを覚悟しているという事です。そして高いリターンが得られるのはそのようなリスクを覚悟した代償であるという事です。

一番良いのは、世の中のニュースは何も見ずに、株価変動率がある水準を越えたら株式に投資する、というやり方かもしれません。株価変動率が急上昇しているような時は、何か大きな事件が起こっている時で、人間、それを知ってしまうと株式投資に及び腰になってしまうからです。そこまでやらないにしても、株価変動率が急上昇するような大事件があった際には、少なくとも市場を冷静に見る姿勢は必要だという事です。人間に感情がある限り、事件等によって株価が急落したり、株価変動率が急上昇したりというのは今後も繰り返されていくでしょう。しかし「良いビジネス」に投資する限り、それは「安く買う」チャンスに他ならないのです。





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最終更新日  2006.06.21 19:15:56
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