奔るジャッドンたのうえ、追っかけ帳

「大望」という言葉が、私は大好きです。
かって放映された韓国ドラマの
「大望」のことではない。

辞書を引く。
大望(たいもう)
・大きな望み。たいぼう。「-を抱く」

類語として、
野心 ・ 志望 ・ 大志 ・ 希望（に燃えて） ・ 青雲の志
大きな望み ・ 雄途（につく） ・ 雄図（空しく～）
野望（をもつ） ・ 将来を期す ・ 雌伏する
といった言葉がある。

私が好きな理由は、言葉の響きともに、
あの「太公望」からの連想だ。

釣りをして魚ではなく国をつり上げたということで、
釣り好きの人を「大公望」といいます。


家族と自分の国を滅ぼされ、孤児となった彼、望は、
敵への復讐心を「亡国を再興する」という戦略に転換、
他の３人の孤児とともに20数年後にはそれを実現した。
この大公　「望」の話です。

すごいです。戦略の凄みです。
彼のように変わらぬ大望をもち、
一つの戦略をも持ち続け、
その戦略を共有する人数を
じわじわ広げていったら、国家さえ作れる。

このように、戦略は大きさと心の広さが大いに関係します。
ここは目先の勝ち負けにとらわれず、勝ちと功を相手に譲り、
それをもって、自分の戦略を成就する。

これは、
結果論臭い言葉で、負け惜しみに
使われる「負けるが勝ち」、
あるいは、私の造語ですが「負けるが価値」
といったこともあります。

通常は、
「あの人は器量が大きいね」とか
「度量がある」、また「人望がある」といった意味、
言い方が、ニュアンス的に一番近いとされているようです。

しかし、これらの本質は、そうした人格、資質云々ではなく、
大望を抱いているか、脳力開発でいえば戦略を持っているか
如何！！なのです。

ともあれ、大望をもち、それ故に、
その具現のため、小異を捨て功を人に譲る。
これで彼の周囲には多くの人が集まる。

こうしたことを成す人を、
他人から見たら、器量や度量、人望がある、
あるいは、あるように見えるということでしょう。

だが、繰り返しますが、
こと、本質は、
「大望、戦略があるからこそ」、
ということなのです。

ここで頭に浮かんでくるのは
秀吉と家康の「小牧・長久手の戦い」。

秀吉は巧妙に家康に勝ちを譲り、
家康は、そのことをわかっていたから
しぶしぶ、秀吉の狙い通り、戦いに勝って
秀吉が天下人になることを認め、
秀吉の傘下に下る。

短気でいらつき屋の家康に、なぜそれができたか。
もうお分かりでしょう。

家康には、「次の天下人になるという大望」
があったからに、他なりません。

そしてその戦略は、私に言わせると次の如し。
「俺の方が、秀吉よりはるかに若い。で、
秀吉がくたばるのを待つ方が、費用対成果があるわい」