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今日8月7日は司馬遼太郎氏の誕生日です。 私は司馬遼太郎ファンなので、今日はいくつか好きな司馬遼太郎作品を紹介したいと思います。 最近「俄―浪華遊侠伝」を読みました。司馬作品の中ではメジャーな作品ではありませんが、名作です。「竜馬がゆく」の坂本竜馬、「燃えよ剣」の土方歳三など、司馬作品では侍を主人公しした作品が多いなかで、この作品は侠客が主人公となっている珍しい作品です。 800ページもある大作なのですが、1度読み始めたら止まらなくて1晩で一気に読んでしまいました。主人公は明石屋万吉という江戸後期に生まれ、大正まで生きた侠客。歴史の教科書に載っている人物ではないので、知名度は低いですが、「こんなにおもしろい男がいたのか」という波乱万丈な人生を送った人物です。司馬遼太郎はよくこのように歴史に埋もれたおもしろい人物を見つけ、小説が書けるものだと感心します。 以下Amazonの紹介文より: 〈わいの生涯は一場の俄や……〉どづかれ屋から身を起した不死身の万吉は、“金こそ命”のド根性と勘で、侠客明石屋万吉となり、米相場破り、果ては幕末維新の騒乱に、親分から侍大将となり、場当り的に生き抜く。その怪ッ態な男の浮沈を、独得な史眼でとらえた異色の上方任侠一代。 司馬遼太郎の作品の中には「竜馬がゆく」「世に凄む日々」「十一番目の志士」「最後の将軍」な幕末を舞台にした作品が多いです。そのほとんどを読んだ後に「俄―浪華遊侠伝」を読んだのですが、幕末の動乱が庶民の視点から書かれているので、非常に新鮮に感じました。大阪弁でのやりとりもテンポが良くおもしろいです。 幕末明治の動乱期のさまざまな事件・人物とも明石屋万吉は絡んでいます。「蛤御門の変」「天誅組の変」「戊辰戦争」「堺事件」などなど(堺事件には万吉は本当は関わっていないそうですが)。人物だと土方歳三、大石鍬次郎、内山彦次郎、桂小五郎などなど。 私は歴史物が好きで特に司馬遼太郎の作品が好きでよく読んでいます。まだ半分くらいしか読んでいないので、まだまだたくさん読む作品があるのもこれからの人生の楽しみの一つでもあります。なぜ好きなのだろうと考えてみると、もちろん作者の膨大な調査に裏付けられた表現力が基本にあるのですが、作者と主人公との距離感が程よいいいからだと思います。作者自身主人公に愛着があるのでしょうが、入れ込み過ぎず、第三者的な見方で小説を書いているからだと思います。例えば一昨年の大河ドラマの「新撰組!」では新撰組よりの脚本になりますしね、あれはあれでおもしろかったですが。 この作品はお勧めですよ。 その他この機会にいくつかおすすめの司馬作品を紹介します。 竜馬がゆく 始めた読んだ司馬作品。もう10回くらい読んでいるかも。幕末の風雲児坂本竜馬の話。読むたびにモチベーションが高まります。 坂の上の雲 日露戦争においてコサック騎兵を破った秋山好古、日本海海戦の参謀秋山真之兄弟と文学の世界に巨大な足跡を遺した正岡子規の話。特に正岡子規が病死するまでの話がおもしろい。その後は日露戦争の描写なので、歴史好きな人にはおもしろいですが、そうでない人は退屈に感じるかも。 功名が辻 今大河ドラマになっていますね。戦国時代、夫婦が手をとりあってついには土佐一国の大名の地位をえた山内一豊を主人公にした話です。 夏草の賦 土佐の豪傑長曽我部元親の話。関が原の結果によって山之内が彼にとってかわって土佐を収めることになるのですが、「功名が辻」「夏草の賦」の両方読むとおもしろいです。さらにここから長曽我部侍と山内侍という土佐における郷士と上司の対立が始まり、「竜馬がゆく」の舞台となる幕末まで続いていきます。 燃えよ剣 新撰組副長土方歳三の話。土方は新撰組時代が一番有名ですが、その後の戊辰戦争のことまでしっかり書いてあります。 新選組血風録 新撰組のエピソード集。短編のひとつである「前髪の惣三郎」は北野武が土方歳三役で出演し映画「御法度」の元ネタになっています。 次は空海の風景を読もうと思っています。人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年08月07日 19時29分37秒
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