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カテゴリ:パワーか、フォースか
日本経済新聞の2012年8月31日号40面文化欄、つまり裏面に 「隣人と共に」捧げた精神 という中村茂キリスト教史学会理事の寄稿文が載せられていて、その出だしが心を打つ。 「45年ほど前、私が大学生のころ、東京・東村山にあるハンセン病療養所で1人の男性と話す機会があった。 盲目で、指も使えない彼が『生きることは素晴らしいこと』と語った。 『えっ』と小さく声を出した私に 『リーかあさまは、素晴らしい方です』と、一冊の本を手渡した。 『コンウォール・リー女史の生涯と偉業』と題されていた。 彼はかつて群馬県の草津温泉にいた。 リーかあさまとは、草津の湯之沢で、大正初期から昭和初期、当時は不治の病だったハンセン病をわずらった人々のために尽した英国聖公会の宣教師、メアリ・ヘレナ・コンウオール・リーさん。 湯之沢という地区には、当時ハンセン病患者が数多く暮らしていた。」
リー女史は英国の宣教師として来日し、私財を投げ打って、聖バルナバ教会を始め、病院や学校、宿舎など36棟もの建物を建て、患者の一人一人に誠心誠意尽くした。 「1916年に始まるその活動は、持ち物をすべて患者に与えるほど献身に貫かれていた。 男女が別々に暮らせるホームや幼稚園や医院などを設立。 死者が出れば遺体を洗い清め、冬も自室にストーブを置かず、火鉢で我慢した」と中村氏はその生活を綴る。 患者は女史を「マザー・リー」「リーかあさま」と呼び、とても敬愛した。 昭和16年に84歳で女史が逝去したその年、施設のほとんどは国立療養所に移され、湯之沢部落は解散・消滅した。
中村さんが特に関心を抱いたのは「なぜ彼女が50歳になって宣教師となり、60歳を前にして草津のハンセン病患者の中に飛び込んだのか」ということだった。 「リーかあさまは、少女の頃、ロンドンでG.H.ウィルキンソン牧師に出会った。 彼はリーさんに海外伝道と、自らが苦しみの中にある時にも、人々を思いやり、人々に寄り添って生きることの大切さを教えた。 しかし、少女リーは早くに父や兄をなくし、49歳まで母を介護し、家を守ったからだという。」
草津に「リーかあさま記念館」がある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年08月31日 21時25分38秒
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