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定期的にUNEXTが無料キャンペーンをやってくれるので、今回またも無料期間中に古い映画をいくつか視聴してみた。
月々定額で契約し続けるほどでは無いのだけど、レンタルビデオ屋にも無い古い映画もあるのは一定の魅力だよなぁとは思う。 でも、なんていうか俺みたいな、気になってた古い映画をちまちま観る層には定額で継続ってのはなかなか無い選択肢なんだよなぁ。 んで、備忘にもということで今回書きますのがソイレントグリーン。 1973年と、私の生まれるより前の作品であります。 ソイレントグリーンというワードを、自分や自分より若年代で聞いたことのある人というと、たぶんゲームの知識ではないでしょうか。 私も先にゲームからでした。 元ネタが映画にあると知って「いつか一度観てみたいな」とチェックしていたものでありました。 映画の舞台は「産業革命以降歯止めなく発展の進み続けた2022年」という設定。 奇しくも現在の2021年と近い年代であるが、人口爆発や自然破壊、食糧問題等が終末的に悲惨な状況まで進んでいないことを思えば、未来予測というのは単純には成しえないという他に、人間にはそれなりの良識や自然による調整があったのかという想いがまず湧いてくる。 食料はそこまでの発展の過程で食べつくしてしまい、概ね「合成食」になってしまって、現在の人間が食している牛肉やらイチゴやらが超高級品になっているという時代設定。 道端には住処も持てない路上生活者がゴロゴロと、もはや絵に描いたようなディストピアっぷり。 細かいところ言い出すと、電話を「交換手が取り継ぐ」という今時の人が聞いたら「はぁ?」なところがその時代の世界観や風俗が偲ばれる。 捜査している警察官が職権濫用で横領しまくりなところとかね。今ならありえないでしょ。 しかし、なかなかいろんな意味で観ごたえのある映画でした。 人口爆発の末に起きた食糧難。 生き残るために選ばざるを得なかったのは「共食い」という手段でしたという結論。 熱力学第二法則的に考えると、カロリー的な課題解決のために共食いを選択したとして、消化吸収の過程で損なわれるエネルギーを考えると、もはや共食いでも維持できない社会に陥ってると考えて差し支えないと思う。 今でこそSDGSとか言って、絵に描いた様な破滅を防ぐための活動が浸透しつつありますけどね、欲望のままに発展を続ければ、いずれどこかで破綻する。その事実に警鐘を鳴らしたのがこの作品なんでしょうね。 時代背景考えると衝撃的な内容だったろうなと。 未来予測的なシステムとして、職業をシェアするためであろうか、個人的な書架や家具等の役割を担う人々がいたり、多すぎる人間を減らすための安楽死システムが整備されていたりと、ラストオーダーではない無印の銃夢に出てきた「最終喜械(エンドジョイ)」(公衆自殺機械)を思い出させる設定ですな。 ちなみに今時の映画の作りで行くなら、「隠された真実」にたどりついた主人公はそのシステムを破壊するなりして無理矢理ハッピーエンドにもっていこうとする傾向があるけども、この映画は「お前らがいつも食ってるソイレントグリーンの原料は人間だ!」と、その事実を(証拠等示さず)暴露するところまでで終わってしまう。 なんていうか、このあとの反応をいろいろ想像しますね。 「あいつ頭おかしいんじゃねぇか?ソイレントグリーンの原料はプランクトンって言ってたんだからプランクトンに決まってんじゃん。」 か 「え?そんなまさか??政府は庶民に共食いを強要しているのか!!」 となるか、どんな展開になるかは観てもらった人の想像にお任せしますよってことなんでしょうけども、今の時代の「映画の造り」の目で見ると、「なんか尻切れトンボ感」が残る。 今でも名作に数えられているというのは当時の評価が高かったということなんだろうけども、その時代の肌感覚に合う作品ってのはあるのかもなぁなんて思いました(小並感)。 ソイレント・グリーン 特別版/チャールトン・ヘストン[DVD]【返品種別A】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年09月20日 01時03分32秒
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