コン太の見た夢
出演者:キツネのコン太, タヌキのポン吉, ウサギのミミ, 長老ポン吉:ミミちゃん、近ごろキツネのコン太の様子が変なんだよ。ミミ :どんなふうに変なの?ポン吉:一人で腕を組んでブツブツつぶやいたり、急に空を見上げたりして、 声をかけたって返事もしてくれないんだ。ミミ :親友のポン太さんに声をかけられても、返事をしないのはおかしいわね。 どうしたのかしら?ポン吉:あっ!うわさのコン太が来たぞ!今日も腕を組んでブツブツいってるみたいだ。 今日はミミちゃんが声をかけてくれないかな。ミミ :いいわよ。コン太さ~ん。ポン吉:ほら!こっちを向かないし、返事もしないだろう。ミミ :それじゃ、二人で一緒に声をかけてみましょう。ポン吉:おお~い!コン太く~ん。ミミ :おお~い!コン太さ~ん。コン太:なんか、呼ばれたみたいだな。あれ、あそこにいるのは仲良しのミミちゃんと ポン吉君じゃないか。なにをしてるんだろう?ポン吉:なにをボヤッと歩いているんだい。返事ぐらいしろよ。コン太:やっぱり呼んでいたんだ。そこでなにしているの?ミミ :なにしてるの?じゃないわよ。 コン太さんの様子が変だから心配して声をかけたのよ。コン太:そうだったのか。心配させてごめんね。僕、変な夢を見て悩んでいるんだ。ポン吉:どんな夢なのか、僕たちに話してごらんよ。コン太:聞いてくれる?実は夢の中で神様から「私の好きな食べ物をもってきてほしい」 と頼まれたんだ。「好きなものってなに?」って聞こうとしたら、目がさめちゃっ たんだ。だからなにを、どこへ持っていったらいいのかわからないんだ。 それで悩んでいるんだよ。ミミ :それは夢の中の話でしょ。なにもしなくて大丈夫だと思うな。コン太:でも毎日、同じ夢を見るんだよ。なんとかしてあげたいと思うだろう。 好きな物ってなんだろう。どこへ持っていったらいいのかな?ミミ :う~ん・・・ そんな難しい話は私たちが考えたって分からないから、 村の長老に聞いてみるのがいいと思うな。コン太:そうか。長老はなんでも知っているから、わかるかもしれないね。 これから三人で聞きに行こう。長老 :フム、フムなるほど、話の内容はわかった。しかし、これは難問じゃな。 どうしたらよいかな。今すぐには答えがでないぞ。少し考えさせてくれるかい?ミミ :じゃあ。明日また来るね。長老 :わかった。それまでに答えをみつけておこう。----------------------------------------------------------------------コン太、ポン吉、ミミ:長老!おはようございます。長老 :みんな、おはよう。わかったぞ! 神様の家はどこにある?コン太:森の奥にある神社だと思うけど。長老 :そうじゃ。その神社を守っているのは誰かな?コン太:僕たちの先祖から選ばれたキツネの勇者だよ。ミミ :そうよ。神社の前で右と左に座って見張ってるわ。ポン吉:うん。昔から決まっているんだ。長老 :そうじゃな。その勇者たちが好きな物は「あぶらあげ」だな。 おそらく、いつもお供えされている「あぶらあげ」が無くなったので、コン太に 持ってくるように頼んだのじゃないかな。コン太:思い出した! お父さんから「これからはあぶらあげを供えるのはコン太の役目だよ。 忘れてはいけないよ」っていわれていたんだ。長老 :そうじゃろう。神様はコン太にお父さんとの約束を思い出してほしいと思って、 夢に出てきたに違いない。 直ぐに持って行きなさい。そしたら、夢は見なくなるじゃろう。コン太:きっとそうだね。これから直ぐに行ってくる。そして、もう忘れないよ。---------------------------------------------------------------------ミミ :あっ!今日はコン太君が元気にボールけりをしているわ。ポン吉:お~い。コン太。もう夢は見なくなったかい。コン太:や~、ミミちゃんとポン吉君。もう見なくなったよ。二人のお蔭だね。 本当にありがとう。ミミ、ポン吉:それは良かった。これからは、また三人で遊べるね。コン太:うん。いっぱいあそぼう! さっそく、かくれんぼしようよ。