テーマ:DVD映画鑑賞(13624)
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青春というものはいつの時代でも危うい存在です。大人と子供の中間にある年代で、肉体的にも精神的にも発展途上。過渡期の不安定さに大人はハラハラするのが実状でしょう。
♪都会では 自殺する若者が増えている♪と歌ったフォーク歌手がいましたが、これは現代でも通じるのでしょうか。 製作=2006年 オーストラリア映画 シネ・カノン配給 99分。監督・脚本=ムラーリ・K・タルリ。出演=テレサ・パルマー、ジョエル・マッケンジー、クレメンティーヌ・メラー、チャールズ・ベアード、サム・ハリス、フランク・スウィートほか 成績優秀なマーカス(フランク・スウィート)と妹メロディ(テレサ・パルマー)が通う高校。午後2時37分、1人の生徒が自殺を図ります。その朝、6人の高校生が新しい日を迎えていました。彼らはそれぞれが誰にも言えない悩みや問題を抱えています。自殺したのは、そのうちのいったい誰なのか。 この作品を見るのは辛かったです。青春の悩みや行き場のないエネルギーが、痛みを持って描かれていたからです。多感で芥川賞作家を夢見ていた10代の頃を思い出しました。見るもの触れるもに傷ついていたあの時代。 本作は6人の若者の視点から構成されています。それらがすれ違い、交錯し、重なり合う、という巧みな脚本で、自殺した高校生へのアプローチを困難にしているのです。サスペンスフルなのはその手法のせいでしょう。 シーンの切り替えに時に映し出される校庭の樹木。これは楓の葉でしょうか。落ち着いた演出で効果的なのはたしかですが、ちょっとテンポを鈍くしているように思いました。ほかにもカットできる場面がいくつかあったような気がします。 時間が経つにつれ、いままで隠されていた真実が明らかになり、これはかなり衝撃的でした。意外な展開で、驚きは隠せません。それが作品にある種の深みを与えているのは事実でしょう。青春の闇ともいうべきものが見事にえぐり出されています。 若さとはこれほど痛ましく、残酷なものなのか。目頭が熱くなり、胸が震えました。傑作です。もちろん、不満も残りました。冷静で節度を守っていた描写が、最後になっていきなりリアルになったことです。自殺のシーンは思わず目を背けてしまいました。 多くの女子高生たちがローライズのジンーズを穿いていて、若々しいお尻が垣間見えたこと。これはおじさんには目の保養になりました。出演者はみな素人のようで、拙い演技が彼らの不安定さをあらわしていたのは怪我の功名でしょうか。結論、辛くても往時の自分と向き合いましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年04月29日 20時11分39秒
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