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カテゴリ:first kiss ケースケ×ミリ
ミリの体から半径1メートルくらいの拒絶のオーラが出てる。俺を振り返りもせず、ふらふらと歩き出す後姿。部屋についても、いつものキスも受け取ってくれる素振りすらない。目も合わさずにシャワーを浴びに行って、そのまま寝室に消えたミリ。
俺はしばらく、ミリが消えたドアをただ、見つめていた。 そして、こらえきれずに、イスに座ったまま顔を覆って大きく息を吐き出す。 まずは、直接的に、ミリから拒絶されていることが辛い。 ミリが傷ついていること、苦しんでいること、頭では理解できるのに、やっぱりミリの態度は辛い。 そして、もちろん、ドアの向こうで、ベッドの中で、きっと、泣いているんだろうミリを思って辛い。 ・・・なあ、ミリ、俺、今のお前に何してやれる? 碓氷さんは、ミリの気持ちの整理がつくのを待つしかないって言ってたけど、、ほんとにそれしかないのかな。 気持ちの整理なんて、、つくんだろうか? 俺のこと、イヤになったまんま、、、いつかは、、さっきの新谷みたいなヤツに・・・。 そんな風に思ってしまって、俺はいてもたってもいられなくなる。 すぐにミリを抱きしめたくなる。 寝室のドアに手をかけて、、でも、俺は開けられない。 きっと、、、拒絶されるだろう。 ミリは、、拒絶することだって、きっと辛いはずなんだ。さっきの自分でも驚いたような顔。 せめて何か言葉を、、そう思っても、どんな思いつく言葉も、ミリを包めそうにはない。 やっぱり、、そっとしておくしかないのかな・・・。 俺はドアから手を離す。 シャワーを浴びながら考える。 ミリを抱きしめることをためらう日がくるなんて。 ミリにキスすることをためらう日がくるなんて。 泣いてるミリに声をかけることすらできないなんて。 一体、、俺、何やってんだ・・・。 シャワーから上がり寝室に行く。ベッドまで行って、ふとんの中、身動きしないミリをみて、ほっと息をつく。眠れてる・・・?あの酔いがミリを眠りに誘い込んでくれたのか。少なくとも眠っている間は、苦痛から逃れられているかな。。隣で眠ってもいいかな?俺はミリを起こしてしまわないように、触れないように、静かに、隣に入る。眠れそうにはなかったけれど、目を閉じ、・・・だけど、ミリの、しゃくりあげるような息遣いに気づいて起き上がる。 「・・・ミリ、、起きてるのか?」 答えない。だけど、ほんのわずか肩が震えている。泣いてるんだ。。。俺はつい、手を伸ばしてしまう。 だけど、手がミリに触れるか触れないかの時に、ミリが小さく叫んだ。 「ィヤっ」 俺は手を引っ込める。ミリの体が硬直しているのが分かる。明確な言葉での拒絶。 俺は、・・甘んじて受けるしかないだろう。 心の中はぐちゃぐちゃになったけれど、俺は優しく、静かに伝える。 「・・分かったよ」 布団の上から、2,3度ポンポンと叩いてから、俺はベッドから出て、立ち上がる。 身動きしないミリの背中に、 「・・・だけど、ミリ。俺が愛してるのは、ミリだけだよ。ミリ、、愛してる」 それだけ告げて、俺はドアを閉め、リビングのソファでクッションを枕にして横になった。 ミリ、俺が愛してるのは、愛せるのは、ミリだけだよ。 傷つけてゴメン。 その傷を癒してもやれなくてゴメン。 ただ、愛してる。 そう、伝え続けることしか、今の俺には思いつかないよ。 どんな言い訳も、きっと意味がない。 ただ、俺の目にはミリしか映らないこと、伝えることしかできないんだ。 ←1日1クリックいただけると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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