|
テーマ:青い心で詩を書こう(493)
カテゴリ:現代詩
国を追われた王子と王女が
はるか砂漠を旅します 二人は運命共同体 お互いの瓶をそれぞれ 自分の鞍に載せ 駱駝をつないで行くのです 砂嵐のおさまった丘の上 白いヴェールに垣間見る瞳に 王子は力無く微笑むのです 駱駝は砂に足をとられながら 歩武を進めます 少し仕方なさそうに 重い運命を背負い 灼熱の地獄に耐えれば 穏やかな朧月夜 群雲のかかった満月を背に 砂漠の向こうにあるはずの オアシスを胸に描き あてもない旅を続けるのです 行き着く先がたとえ 砂上の楼閣であろうと 二人は粛々とそこを目指すのです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|