幸福 Blue ver.
「時が見える お城が見える無疵なものなどどこにあろうか」僕の創ったお城には綺麗な花が咲いていた大広間へ続く廊下には今をときめく画家たちが色とりどりの作品で来る者の目を楽しませた僕もまた誇らしかったものだ宴だ 歓喜の宴だ皆の者!歌うのだ 踊るのだ真夜中を告げる鐘なぞ要らぬ昼も夜も忘れて楽しもう僕は有頂天だった裸の王様だった宴は終わったもっともはじまりも終わりも悟ってなどいなかった気がつけば終わっていた お城は廃墟と化し人々は消えていた背を向ける事なく消えていたまさに消滅と言う具合だ時よ 幸福の時よお城よ 夢の跡よ其処には確かにお城はあった失ったのは時ばかり形あるものはやがて崩れるそんな摂理は聴き飽きた 「時が見える お城が見える無疵なものなどどこにあろうか」