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カテゴリ:アルチュール・ランボー
「時が見える お城が見える
無疵なものなどどこにあろうか」 僕の創ったお城には綺麗な花が咲いていた 大広間へ続く廊下には 今をときめく画家たちが 色とりどりの作品で 来る者の目を楽しませた 僕もまた誇らしかったものだ 宴だ 歓喜の宴だ 皆の者! 歌うのだ 踊るのだ 真夜中を告げる鐘なぞ要らぬ 昼も夜も忘れて楽しもう 僕は有頂天だった 裸の王様だった 宴は終わった もっとも はじまりも終わりも 悟ってなどいなかった 気がつけば終わっていた お城は廃墟と化し 人々は消えていた 背を向ける事なく消えていた まさに消滅と言う具合だ 時よ 幸福の時よ お城よ 夢の跡よ 其処には確かに お城はあった 失ったのは時ばかり 形あるものはやがて崩れる そんな摂理は聴き飽きた 「時が見える お城が見える 無疵なものなどどこにあろうか」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.06.19 01:07:28
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