蒼き詩人の世界

予告通りにアウトローをしてしまった。
同僚の多くは夜の街に繰り出すと、キャバクラや高い風呂へ行ってしまう。
そんな事に付き合う気はない。彷徨うほうが余程楽しく思えるからだ。

道案内もなくメインストリートである国際通りを一人歩く。
同じ系列の店がさほど間隔を置かず散在する。土産屋の『おきなわや』も国際通りだけで５つほど見受けられた。定番の土産品が安く買えるのがウリのこの店で、半分以上の土産を購入した。那覇市の市内線バスは一律２００円で前払い、タクシーも他の県に比べて割安になっている。

ふらついていると、「喜納昌吉本日出演！」と書かれた看板。『チャンプルー芸能館』と言うライブハウスである。客引きのお兄さんが言うには、チャージ料が３１００円プラスドリンク代で観れるそうだ。懐が暖かい時ならばフラッと入ったのだが、やめといた。後から同僚で入った人がいて話を聴いたが、意外に狭い場所で目と鼻の先で演奏が楽しめたそうだ。
まー、雰囲気さえ味わえればいいのだよ。この俺はと、虚しい負け惜しみを心で呟いた。