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2004.10.18
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テーマ:Arthur Rimbaud(29)
― 彼女はいつになく乱れていた
外では荒々しい風のもとに
おおきな木々がその枝葉を
窓ガラスに押し付けていた
いかにも意地悪く 
まるで覗き込むように

僕の大きな椅子に腰掛けて
彼女は半裸で手を組んでいた
床にはまるで喜んでいるように
彼女の華奢でかわいらしい足が震えていた

― 蝋人形みたいに蒼く 僕は見つめたよ
葉から洩れた月光が揺れて飛び交うのを
彼女の笑顔や胸の谷間を
― まるで薔薇の木にまとわりつく蠅みたいだった

― 僕は華奢な踝にまずキスをした
彼女は突然笑い出したんだ
それははじけて明るいトリルになった
水晶みたいに綺麗な声だ

シルクの下の小さな脚は
僕の唇から逃げた
「やめてよ」
― はじめの仕掛けが許されると
笑顔のままで咎める素振りだった

僕の唇の下でピクピクしてた可憐なそれ
僕は彼女のまぶたにそっとキスをした
― 彼女は少し媚びた顔をのけ反らして
「やってくれるじゃないの! ・・・
あなたに一言言いたいわ・・・」
― 僕は言うべきことを彼女の胸に
キスとして伝えた
すると彼女はまた笑い出した
すっかりその気でご機嫌な笑いだ・・・

― あの夜 彼女はすっかり乱れていた
大きな木々が遠慮もなく
その枝葉を窓ガラスに押し付けていた
いかにも意地悪そうに 
まるで覗き込むように


         参考訳  堀口 大学
              平井 啓之





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最終更新日  2004.10.18 22:53:44
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