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2006年05月17日
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カテゴリ:戦争映画
かちんこ 1943 アメリカ  監督:ルイス・マイルストン
出演者:アン・バクスター、ダナ・アンドリュース、ウォルター・ヒューストンほか
106分 モノクロ


 アメリカがソビエトの坑独戦を描いた異色作。ヒーローチックな役回りと西部劇調のアクションはいかにもアメリカぽいが、報国的で自虐的な人物描写や叙情的でスローなストーリー展開はソビエト映画風と言えなくもない。もちろん過激な赤軍賛美やスターリン賛美はないが、なんとなくアメリカ映画にしてはゴマすりとしか思えない描写も多い。というのも、原作、脚本がリリアン・ヘルマンという左翼映画人で、多分に共産主義マンセー的思想が入っているようなのだ。それでも、公開当時はアメリカの各賞にノミネートされたということなので、ソビエトがアメリカと同盟国であった時代の人にとっては興味深かったに違いない。
 序盤は後半のドイツ軍侵攻という局面への伏線という意味で、静かで平和な農村を強調しており、本作はミュージカル映画かと思うほど、暢気な歌の場面が続く。いい加減早回ししたくなるほど間延びした感じ。ドイツ軍侵攻後の後半は一転して、パルチザン化した若者や村に残った村人の身を挺した抵抗が描かれ、それなりに楽しめる。ただ、仕方のないところではあろうが、役者の多くがいかにもアメリカ人でソビエト人らしくない。唯一子供(弟)役だけがロシア人的な雰囲気と顔立ちを呈している。
 本作の主題は多分、ソビエトの国民もこんなに頑張っているんだぞ、というメッセージだろうと思うので、戦史的な部分やパルチザン活動の戦略的な部分についてはほとんど表現されていない。また、腑に落ちないのは村に駐屯したドイツ軍指揮官(軍医大佐?)が、確かにロシア人の子供から血を抜くという残虐行為をしながらも、ユダヤ人への偏見がなく温情的であるにもかかわらず、ロシア人医師が無情にも射殺してしまうあたり。時代が時代だけに微妙な表現だが、今見るとどっちもどっちという風にも取れる。このあたりは、共産主義シンパの制作者、アメリカとソビエト、そして対ドイツへの微妙な立場、ドイツ軍の残虐行為がさほど知られていない時期など、多様な条件を想定しながら見ると面白い。
 登場する兵器類はほとんどなく、キューベルワーゲン風ジープと軍用トラック程度。航空機ではドイツ軍のスツーカ急降下爆撃機のミニチュア特撮が登場するが、極めて稚拙。ソビエト軍の爆撃機も登場するが今ひとつ何者かわからない。
 映画としてはさほど面白い部類ではない。しかし、製作年代を考えてみると、本作がアメリカでどのような位置づけにあったのか、などそれはそれで興味深い作品である。

興奮度★★
沈痛度★★★★
爽快度★★
感涙度★



! (以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
1941年6月20日、ドイツはポーランドに侵攻した。しかし、ソビエトの田舎の農村ノーススター村は平和でのどかだった。高校生ダミアン・シモノフは主席の成績で卒業し、来期からはキエフ大学に進学する。ダミアンはキエフへの卒業旅行を計画し、恋人のマリナ・パブロワ(女)、その友人のクラウディア・カーリーン(女)、その弟グリシャ、そしてダミアンの兄で空軍兵のユーリャ・シモノフが同行することとなった。5人は野宿しながら徒歩でキエフに向かい、途中で追い越していく老人カープさんの馬車に便乗した。
 そこに、ドイツ軍の爆撃機が飛来し、カープさんと5人を除いて皆死亡してしまう。ドイツ軍の攻撃が始まったのだ。一方、ノーススター村ではドイツ軍の侵攻に備えて、若い男達はパルチザンとして郊外の丘に集結し、残った老人や女子供は村の焼き払いを決意する。村の議長であったマリナの父ボリスは、赤軍の第12師団第4連隊ペトロフ将軍と連絡し、銃を貰い受けに行く。しかし、その帰路でドイツ軍急降下爆撃機の攻撃を受けて死亡してしまう。そこに出くわした5人とカープはボリスの意志を受け、銃をパルチザンに届ける決意をする。
 ノーススター村にはドイツ軍の医療部隊が病院を設置するために駐屯した。指揮官のフォン・ハーデン軍医大佐はライプチヒ大学で学び、ユダヤ人でも気にしない豪快な性格である。一方、副官のリヒター軍医大尉は経験も浅く、任務に忠実なタイプであった。ドイツ軍は負傷兵の輸血用として村のロシア人の子供達から血漿を採取する。その結果、弱って死亡する子供もあらわれ、クラウディアの父である医師のカーリーンが阻止に立ちあがる。しかし、逆に捕らえられてしまうが、ハーデン大佐の温情で釈放される。
 カープと5人は馬車で銃を運ぶが、道路の横断ができずにいた。そこで、ダミアンは囮となってその間に馬車が通過する作戦をとる。クラウディアも決死の決意でダミアンの補佐に赴くが、ドイツ兵の反撃で死亡してしまう。ダミアンも手榴弾によって失明してしまう。
 カーリーン医師の報告をうけたパルチザンは、対抗する武器もなかったが、村のドイツ軍攻撃を決断する。密かに潜入してガソリンを爆発させたのを契機にパルチザンがなだれ込む。そこにようやくダミアン、マリナが到着し銃を渡すのだった。カーリーン医師はハーデン軍医のもとに赴き、リヒター大尉を射殺したのち、ハーデン大佐も射殺する。まだ、ドイツ軍への反抗ははじまったばかりだ。


本作はインターネット上でのみ販売してます(ソッピースキャメルHP)*ちなみに、パソコンのDVDで見ようと思ったらコピーガード?がかかって見られなかった。家のDVDプレーヤーならばちゃんと見る事ができました。

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最終更新日  2006年05月17日 10時36分01秒
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