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March 5, 2024
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カテゴリ:教学

四条金吾③

「竜の口の法難」を勝ち越えられた日蓮大聖人は、佐渡へ流罪されます。到着は文永8年(1271年11月1日)。今日の暦ではすでに12月に入っていました。極寒の佐渡で、大聖人は言語に絶す津逆境におかれたのです。

同じ頃、門下にも激しい弾圧の嵐が。わずかでも大聖人に心を寄せる者は、所領没収、一族郎党から追放、感動、罰金などの迫害が加えられ、退転者が続出しました。

御自身も絶体絶命の状況下にあって、弟子を心から案じられた大聖人は、世間の義難に答え、法華経の行者として生き抜く境地をとどめる「開目抄」を御執筆になります。同抄は四条金吾を通して前門下へ与えられました。

佐渡流罪期、大聖人から依頼された情報の収集など、門下の中心として重要な役割を果たしたと考えられる金吾は、険しい山海を越え、佐渡まで大聖人をお訪ねしています。

文永11年(1274年)3月8日、平左衛門尉頼綱と対面。年内の蒙古襲来を予言し、堂々と国家諫暁されますが、幕府は耳を貸そうとはしませんでした。

5月、大聖人は身延へ入られ、大難と戦っていける本格派の弟子の育成を開始されます。師の民衆救済の大闘争に金吾も勇んで立ちあがり、主君の江間氏への折伏を開始します。

 

 

法華経の文に「難信難解」と説き給うことはこれなり。この経をきき(聞)うく(受)る人は多し。まことに聞き受くるごとくに大難来れども憶持不忘の人は希なるなり。受くるはや(易)すく、持つはか(難)たし。さるあいだ、成仏は持つにあり。この経を持たん人は難に値うべしと心得て持つなり。

(四条金吾殿御返事(此経難事の事)、身544・全1136

 

通解

法華経の文に「法華経は、信じることが難しく、理解することも難しい〈難信難解〉」(法師品第10)と説かれているのは、このことである。この法華経を聞き受ける人は多い。しかし、聞き受けたとおりに実際に大難から来た時、それでも法華経を心にとどめて持ち続け、忘れることのない人(憶持不忘の人)はまれである。「受ける」ことは易しく、「持つ」ことは難しい。そうであるから、成仏は持ち続けることにある。この法華経を持つ人は、必ず難に遭うのだと心得て持つべきである。

 

…………

 

文永11年(1274年)9月、四条金吾は、主君・江間氏を折伏します。しかし、江間氏は極楽寺良観を信奉しており、金吾は疎まれるように。嫉妬していた同僚の讒言もあり、四面楚歌の状況に追い込まれます。

〝法華経を信じれば「現世安穏」になると聞き、信仰も貫いてきたのに、なぜ「大難」が雨のように降りかかるのか〟――剛毅な金吾も、この時ばかりは、つい弱音をはくほど、戸惑いを隠せずにいたようです。こうした金吾の疑問を弟子の日昭を通して聞かれた大聖人が、その不信を晴らそうと筆を執られたのが本抄です。

法華経は、仏の真意を説いた「難信難解」の経典であり、その法華経を弘通しようとすれば、大難が起こる。金吾も、この原理は理解していたでしょう。しかし、実際に自分が難に直面すると、動揺してしまうのが凡夫の常。愛弟子が苦境にある今こそ、「成仏は持つにあり」との〝信心の真髄〟を刻ませたいとの師の厳愛が迫ります。

池田先生は、つづっています。「障魔が問いかけるのは、実は、私たちの信仰の強さ、深さです。常に自身心を磨き、全部わが生命の変革から始まると決意をして、勝利するまで戦う誓願をおこすのです。それが『信心』にほかなりません。」

 

 

日蓮がさど(佐渡)の国にてもかつ(餓)えずし(死)なず、またこれまで山中にして法華経をよ(読)みまいらせ候は、た(誰)れかた(助)すけん。ひとえにとの(殿)の御たすけなり。また殿の御たすけはなに(何)ゆえ(故)ぞとたず(尋)ぬれば、入道殿の御故ぞかし。

(四条金吾釈迦仏供養事、身1559、全1147

 

通解

 日蓮が佐渡の国でも飢えて死にせず、また、これまで身延の山中で法華経を読誦できたのは、誰の助けによるであろうか。ただひとえに四条金吾殿の御助けによるのである。また、金吾殿の御助けは何によるかと尋ねると、主君の江間入道殿のおかげによるのである。

 

…………

 

四条金吾は、自らが苦境に立たされる中でも、のちに退転するものの不穏な動きを日蓮大聖人に報告するなど、師匠と連携を密に取り、同志を守るために必死で戦っていました。しかし金吾への攻撃は激しさを増す一方――。思いつめた金吾は、いっそのこと、主君のもとを去り、頭をそって出家してしまおうとさえ漏らします。

大聖人は今いる場所に踏みとどまるよう諭されています。

〝決して現実から逃げてはいけない。自暴自棄になってはいけない。佐渡で苦しんでいた私を助けてくれたのは、あなたではないか〟

まるで金吾の肩を抱き、命を揺さぶるような渾身の激励。八方塞がりの状況で苦闘を重ねていた金吾の胸に、不屈の信心の炎が燃え上がったことでしょう。

池田先生は、恩師・戸田先生の言葉を紹介されています。「人生は、トンネルに入ったようなときもある。しかし、トンネルを抜ければ、また、きれいな景色が見えるではないか。途中で止まってはいけない。信心で最後まで戦い、進むのだ」

出口の見えない暗闇の中で、生き抜く力を呼び覚ますのは、理屈を超えた、人間の可能性への無限の信頼――大聖人の励ましの世界に脈打つ心音です。

 

 

 

【大慈悲の心音 門下への便り】聖教新聞2022.11.13






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Last updated  March 5, 2024 04:18:47 PM
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エキソエレクトロン@ Re:宝剣の如き人格(12/28) ルパン三世のマモーの正体。それはプロテ…
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匿名です@ Re:承久の乱と北條義時(05/17) お世話になります。いつもいろいろな投稿…
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