カテゴリ:本
132回直木賞受賞作?らしい。
他人を、人と難なく交われる人たちを羨むまま大人に、母親になった小夜子は かつての自分を見るような、周りの子と交われない娘・あかりに複雑な思いだ。 他の母親と上手く交われず、公園でビューもままならない小夜子はいろいろな思いを払拭するため、働きに出ることに。 仕事は個人経営の旅行会社が新規参入予定の掃除の仕事。 社長の葵は同じ大学の卒業生(同期)だったことが判明。 ちょっといい加減で、ずぼらなところはあるけれど、明るく気さくな葵に惹かれていく小夜子。 だが、そんな葵も中学時代はいじめにあい、高校入学を機に転校したあとはいじめられないように一目を気にしながら過ごしていた。 周りの目を気にせず、奔放に活動するナナコに憧れながら― 誤解や偏見、姑や夫との諍い、信頼や裏切り、別離などが描かれる。 小夜子の視点と高校時代の葵に起こった出来事が交互に展開。 明るいからといって、サバサバしているからといって悩みが無い訳でも、 苦しいことを知らずに生きているわけではない。 苦しいからこそ楽しく振舞ったり、大事なものが分かっているからこそ周りの雑音が気にならなかったりする。 無いものねだりだったかつての葵と今の小夜子が交差し、寄り添うまで。 別の場所にいっても変らない場合は自分が変わらないと繰り返される、そう思ったことあったな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 13, 2006 11:19:47 PM
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