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March 30, 2006
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SOUTHBOUND
自称小説家で普段は家でぶらぶら、
役人、警官を毛嫌いし、国民保険勧誘員は弁舌で追い返し、
家庭訪問に来た若き担任・南先生には天皇論をふっかけ、
修学旅行積立金が不明瞭に高いと学校に乗り込む。
そんな困った父・上原一郎に頭を抱えつつ、喫茶店を営む母・さくら、父と仲が悪く、ほとんど帰らない姉・洋子、小学四年生の妹・桃子と暮らす二郎は小学六年生。
親友の淳と中野ブロードウェーで遊び、
印鑑屋の息子で妙に物知りで大人びた向井、医者の息子・リンゾウと女風呂を覗きに自転車を走らせてみたり、
中学生の不良・カツと子分のような同級生・黒木にたかられ、反抗してみたり、そんな生活を送っている。

昔、刑務所に入ったこともあり、父と駆け落ちした母の実家は四谷の呉服屋。
初めて会う祖父母、叔父夫婦、従兄弟に喜びながらも生活・感覚の差を感じる二郎。
そんな時、昔、活動家だった父を頼って居候になったアキラが反対派のリーダーを殺害。
大家に更新を切られ、中野にいられなくなった一家は自立した洋子を除いて父の故郷、沖縄・西表島へ。
と、言う第一部。

第二部は沖縄では父の先祖が琉球政府などに抵抗した英雄だということもあって歓迎され、
周りの暖かい支え、ユイマール(助け合い)精神に助けられ、
何にもない廃屋を建て直してみな生き生きしていく。
初めは帰りたいとぐずった桃子も5人しかいない小学校でも、友達が出来て喜び、
変な外人・ベニーや、夜な夜ないろいろな差し入れを持って集まり、酒盛りを繰り広げる住民達に馴染んでいく。
二郎自身、唯一の同級生で不登校児で東京からきたという帰国子女・七恵や
困った父でも鷹揚に対応してくれる教師などに安心する。
不倫相手と別れた洋子も来て益々充実した日々となっていく。
だが、一家が住んでいた廃屋はリゾート開発の予定地となっていた。
反対派と開発派の火種が飛び交う中、どちらにもくみしないが、
御嶽を壊し、開発しようとする権力者が相手じゃ父が黙っているはずがない!
マスコミ、公安、警察が出張る中、最後の戦いが始まる―

両親が元活動家で今は一匹狼(どこにも属せず、自分の信念で間違っていると思うことには立ち向かう)でも、公安警察にマークされてたりとちょっと社会は設定はあるのだけれど、
(権力に立ち向かっての)大立ち回りあり、微笑ましい笑いあり、
ぐんぐん読み進めてしまう不思議な一冊。
八重山諸島(石垣島や西表島など)と宮古島が仲が悪いと実際、沖縄旅行中に聞いた事があるが、その発端も知ることが出来た。
沖縄の島々の中でも歴史の軋轢がある。
本島も加わったらなお複雑。
でも、すべてを飲み込んだおおらかさが沖縄の人々にはあると思う。
そんなことを思い出させ、感じさせてくれもする。
やらなければいけないことはあるけど、それが通るとは限らない。
それでも、そういう姿勢を示すことが大事と身体を張る両親に心奪われ、結束力を固める家族。
東京ではバラバラになりかけていた家族が一つに。
現代の色濃いファンタジーというには無理があるかもしれないが、何かそんな夢物語的な要素もある。

突然、引っ越すことになった時に二郎が思う"子供には、過去より未来の方が遥かに大きい。センチになる暇はない。"という言葉が残る。





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Last updated  March 30, 2006 10:26:04 AM
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