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December 5, 2006
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カテゴリ:
[本格推理小説]

事件に関する感想は→コチラ

~ネタバレあり~

もうにやけが止まらない。

「名探偵を名探偵たらしめているのはその卓抜した能力ゆえではない。類稀なる自制心ゆえである」

名探偵を名探偵たらしめているのは先を読む力、推理能力、優れた洞察力、犯人が分かるというだけではなく、その姿勢であると謳っている。
能力があるだけでは探偵にも犯罪者にもなりうる。
(探偵は)放っておけば自然に辿り着く未来に手を加えて、別の未来への道筋をつけてやることも出来るという選択権も持っている。

木更津と懇意にしている警部は辻村警部。

「翼~」で奥に隠された真相まで辿り着いた小説家(現在は夕顔と結婚して今鏡グループ会長の夫という肩書きも加わっている)香月実朝が名探偵・木更津のワトソン役となる本書。
銘探偵・メルカトル鮎について回る小説家・美袋とメルカトルとは双子の兄弟である香月とではあきらかに能力差があるし、
メルカトルが瞬時に真相に達するならば、知っていた情報量の差があったとはいえ、「翼~」で彼の一枚上手を行き、木更津さえも辿り着けなかった真相を密かに暴いた香月が木更津のお付でいいのか?と疑問に思っていたのだが…
ある意味「やられた」。
というか、名探偵よりも出来る人が陰でリードするという展開、好き(笑)

"名探偵"然と振舞える木更津に憧れ、彼の活躍を見るのが好きで、彼が名探偵らしくあって欲しいとささやかに応援し、"ワトソン役"を買って出る香月。
木更津に「かっこいい」と賛辞を送ったり、(木更津の推理の)締めの言葉に不満を持ったりしている彼を見てると、(木更津を)馬鹿にしているのかと思ってしまったりもするが、まぁいい。
というか、そこもいい。

香月による表紙の見返しのコメントからして「~名探偵とは常に理想に近づこうとする強靭な意志を持った存在でなければならない。その毅然たる姿勢が、喜んで記述者の立場に""甘んじる""ワトソン役を産む~」(""""は私がつけた強調)甘んじてワトソン役をやってるのさと公言してるわけだ。
そこには"木更津を名探偵たらしめる為には手を貸してやるのだ"という姿勢が見え隠れ。

メルカトルと同じ血を引いてるなーと思うのは、放って置いてもいつかは(真相に)辿り着くだろうが、自分の(小説の)締め切りが気になり、そのためにも早く解決して欲しいとの理由でさりげなく解決の糸口をほのめかす所。
事件の早期解決のためではなく、自分のためだけに行動する所はまさにメルカトル(と瓜二つ)。
分かっているのに口を出さず、時に悪戯心を出してしまい、「自分は探偵には向いてない」と嘯く香月。
本当に性質の悪い男である(褒めてます)。


メルカトル鮎シリーズ(木更津らも出てたりする) 翼ある闇 夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)  メルカトルと美袋のための殺人





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Last updated  December 7, 2006 01:44:13 PM
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